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サウジが推進役となって「イスラムNATO」の創設に向かっているとの噂が浮上(HARBOR BUSINESS Onlin)
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/330.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 5 月 03 日 18:23:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


サウジが推進役となって「イスラムNATO」の創設に向かっているとの噂が浮上
https://hbol.jp/138438
2017年05月03日 HARBOR BUSINESS Online


 サウジアラビア(以後:サウジ)をリーダーとして中東で「イスラムNATO」を創設する計画があるという。その構想はオバマ大統領の政権時の2015年にペンタゴンによって提唱されていた。アラブ連盟を軸に北アフリカから中東地域の国々が独自の軍隊をもつことである。それを米国が背後から支援するというものである。(参照:「Arabia Watch」)

 この構想の推進役となったのがサウジである。その目的はイスラム圏の39か国を加盟国として、テロとの戦いを主な任務とするとしている。しかし、テロを陰では支援しているサウジがテロとの戦いを創設目的とするのは嘲笑を買うものだという見方をする向きも少なくない。

「イスラムNATO」の実際の狙いはイランに対抗する防衛組織を築くことである。実際、イランはシリア、イラクそしてレバノンから、更にイエメンに勢力を広げている。それが容易になったのも、オバマ前大統領がシリアに対してレッドラインという警告を行っていたが、それを無視されても軍事介入を控えたこと。そして、イランとの核合意である。それによって、イランの中東での勢力拡大を容易にした。しかも、イランの背後にはロシアと中国が控えている。

 イランを宿敵と見做すサウジにとって、それに対抗するにはヨーロッパにおけるNATOのような軍事組織が必要であるということを切に感じていたようである。また、それをサウジに奨励したのは同じくイランを宿敵としているイスラエルであった。

 イスラエルとサウジが主軸になっての「イスラムNATO」の創設だと、アラブ諸国の中で今もイスラエルを敵として見ている国もある。その為、イスラエルは「イスラムNATO」に直接加わるのではなく、軍事情報の提供や軍事技術レベルの向上に協力するとしている。(参照:「Argentina Today」)

巻き込まれる国は?

 推進役のサウジが加盟国として必ず加えたいとしているのがトルコ、パキスタン、エジプトである。特に、トルコとパキスタンの参加無くして「イスラムNATO」の発展はないとサウジは見ているという。両国とも軍事力があり、しかもパキスタンは核保有国である。

 トルコはNATOに加盟しているが、エルドアン大統領はNATOでのトルコの存在価値は薄く見られているというのを感じており、中東における影響力の拡大という意味で、サウジとパートナーを組むことには関心を示しているという。

 一方のパキスタンはサウジから事前の相談もなく加盟国として加えられたようだ。パキスタンは国境をイランと接しており、イランからの原油のパイプラインの建設そしてイランと関係の強い中国からこれまで色々と支援金の援助を受けているという関係から「イスラムNATO」に加盟することには十分に納得できないでいる。しかも、パキスタン人の20%はシーア派である。参加するというのであれば、「イスラムNATO」がインドと対抗できるものであるということも望んでいるという。ただ、パキスタンで核開発が可能となったのもサウジからの資金援助があったからであるというのはパキスタンは充分に承知している。

 さらに、サウジはパキスタンのラフィール・シャリフ(Raheel Sharif)退役将軍を「イスラムNATO」の司令官に任命したいと望んでいるが、その任を引き受けるにはイランを加盟国に加えることを条件しているという。それはサウジや湾岸諸国においては当然受け入れられない要望である。

 また、エジプトも軍事力を持っており参加が必要とされている国である。現在のエジプトの財政事情は非常に悪く、サウジの資金支援無くしてシシ大統領の政権維持は難しい。それを充分に承知しているシシ大統領はエジプトの参加は否定できない立場にある。

正当化のために広告代理店とも契約!?

 サウジは広告やそのマーケティングにおいて世界で最も規模の大きいバーソン・マーステラーと3月に契約した。これは、「イスラムNATO」の誕生を正当化させ、それを奨励させるためである。

 サウジ、湾岸諸国、ヨルダンなどはイランに対抗できる軍事組織の育成を望んでいるが、パキスタン、トルコそして北アフリカで参加を希望している国々においてはイランを敵と見做す以上にテロとの戦いに主眼を置いているといった背景もあり、この軍事組織の活動を一つのまとまったものに纏めるのは容易ではないとされている。

 北大西洋条約機構(NATO)そのものも嘗てのソ連と東欧の共産主義からの軍事防衛という意味での創設の主旨から現在では安全保障という命題を前面に出してテロリズムとの戦いもNATOの任務の一つとされている。その意味で、NATOは中東及びアジアでのパートナーシップの確率を目指している。日本は既にNATOとパートナーシップの関係を結んでいる。中東はパートナーシップに参加する前に、中東でNATOに代わる軍事組織を構築しようというものなのである。

<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。


 

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