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仏大統領選、結果次第ではイタリア発「金融危機」が起こる可能性 一気に銀行株売りがはじまれば… 
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/303.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 5 月 01 日 21:22:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


仏大統領選、結果次第ではイタリア発「金融危機」が起こる可能性 一気に銀行株売りがはじまれば…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51628
2017.05.01 真壁 昭夫 信州大学経済学部教授  現代ビジネス


4月23日に実施されたフランス大統領選挙の第1回投票では、中道派の独立候補であるエマニュエル・マクロン氏(元経済産業デジタル大臣)が得票率で首位だった。極右政党、国民戦線のマリーヌ・ルペン党首は第2位につけた。

第1回投票の結果、過半数を確保する候補者は出なかった。このため、マクロン氏とルペン女史は5月7日の決選投票に進むことになった。

4月24日、東京時間の朝方にフランス選挙の結果が伝わると、金融市場には楽観的な見方が広がった。特に市場参加者の安堵を誘ったのは、投票が迫る中で支持率を獲得してきた、急進左派のジャンリュック・メランション氏が4位となったことだ。

一部では、ルペン女史とメランション氏が決選投票に進めばフランスがEUからの離脱に向かうなど、欧州全体が未曽有のリスクに直面するとの懸念があった。

第1回投票後の世論調査ではマクロン氏を支持する有権者が6割に上り、決選投票ではマクロン氏が勝利するとの見方も多い。欧州各国の首脳からも、中道派のマクロン氏への期待は強い。

同時に、今回の大統領選挙ではっきりしたことは、フランスの社会が共和党と社会党による政治体制に“ノン(Non)”を突きつけたことだ。

政治経験に乏しいエリートのマクロン氏が熱狂的な支持を集めたというよりは、消去法による選択との印象は否めない。今回の結果がフランスの政治安定につながると楽観するのは早計だろう。



フランスは、かくも複雑

“ポピュリズム政治がフランスで進み、EUが分裂に向かうか否か”、これが今回の大統領選挙の焦点だ。

この背景には、“保革共存=コアビタシオン”と呼ばれる政治運営が、国民の不満を解消できなかったことがある。

フランスの大統領は国民の投票によって選ばれる。一方、首相は議会の多数派の代表として選出され、大統領に任命される。1986年に社会党のミッテラン大統領が、共和党の前身政党に所属したシラク氏(元大統領)を首相に任命して以降、社会党と共和党が大統領と首相を出し合い、政治が運営されてきた。

フランスの保革共存は、連立政権とは異なり妥協を必要とする。このため、雇用慣行などの制度刷新など、潜在成長率の引き上げにつながる構造改革は進みづらかったとみられる。それは、リーマンショック後から現在に至るフランス経済の低迷の一因になった可能性がある。

第1回目の投票結果を見ると、共和党のフィヨン氏は第3位、社会党のアモン氏は5位にとどまり、ともに決選投票に進むことはできなかった。これは、フランスの有権者が保革共存の政治体制を拒絶したことと言い換えられる。

明らかに、フランスの社会は変化を求め始めたのである。それが、既存政党に属さない候補者であるマクロン氏とルペン女史への支持に繋がった。

敗北した共和党のフィヨン氏と、社会党のアモン氏はマクロン氏への支持を表明した。メランション氏は態度を示していないが、共和党と社会党を支持する有権者の票がマクロン氏に流れることで、決選投票はマクロン氏に有利に進むとの見方は多い。

中長期的に考えると、マクロン氏が重視するEUとの関係強化はフランスには不可欠だ。フランスが自国第一の政治を優先し、保護主義的な政策を進めると、経済活動は低迷する恐れがある。

その点で、マクロン氏が第1回目の投票で首位を確保したことは、フランスの有権者が冷静に自国の中長期的な展開を見据え始めた可能性を示している。

マクロン氏の大統領当選は万全か?

第1回目の投票結果を受けて、金融市場では先行きへの楽観的な見方が広がった。

多くの投資家が、フランスでのポピュリズム政治に歯止めがかかり、これまでに比べるとEUの分裂やユーロ崩壊の懸念が低下すると考えたようだ。それが、ユーロの上昇、フランス国債の利回り低下(価格上昇)、世界的な株価の上昇につながった。

確かに、かなりの確率でマクロン氏が大統領に選出される可能性はあるだろう。

ただ、“まさか”の展開がないと決め打ちするのは早計だ。

選挙戦の展開を振り返ると、3月中旬以降、社会党のアモン氏への支持率は顕著に低下した。アモン氏への支持を取り込むようにして、メランション氏への支持率が上昇した。その結果、メランション氏を含め上位4候補の支持率が拮抗したのである。

ここから示唆されることは、フランスの有権者の中には、本心ではこれまでとは違ったラディカルな政治を求めつつ、それを口にすることをためらってきた人が相当数いるということだ。

今後、フランスでのテロのリスクや、マクロン陣営へのサイバー攻撃などを受けて、「やはり、ルペン大統領の誕生が必要だ」と真剣に考える有権者が増える可能性はあるだろう。

そうなると、メランション氏の支持者や、消去法的にマクロン氏を選んだ有権者が、ルペン女史への支持に流れる展開もありうる。“隠れ極右”の有権者が少なくなったと楽観はできない。

変化を求める有権者にとって、マクロン氏の主張が納得できるものか否かも確認しておくべきだ。マクロン氏の主張は、不人気だったオランド政権の政策と大差ないとの見方があることも確かだ。

加えて、これまでの政治家と同じく、マクロン氏はいわゆる“エリート”だ。大方の見方の通り、同氏が決選投票を制することができるか否かを考えるためには、確認しなければならない点は多いといえる。

イタリアの動向に注意

今、主要国の政治を見渡すと、自国第一を強調した米国のトランプ大統領は議会との利害調整に行き詰り始めた。その結果、トランプ大統領の支持率は低迷している。

英国では、EU拠出金の回収が、英国政府の主張の通りに進むか否かが不透明だ。離脱派の政治家は、払い戻された資金で英国の社会福祉を拡充すると主張してきた。拠出金の回収など離脱に関する交渉がスムーズに進まないと、総選挙を決めたメイ首相の考えと異なり、英国は政治の更なる混乱と経済的な孤立に直面する恐れがある。

こうした自国第一主義の政治の行き詰まりや不安から、フランスの有権者はマクロン氏を支持し、今後の安定を重視し始めたと見ることができる。

問題は、6月に実施される国民議会(下院)選挙がどうなるかだ。マクロン氏が主導する政治運動“前進!(En Marche!)”が国民議会の過半数を確保できるか否かは定かではない。

国民議会選挙の結果、マクロン氏とは異なる政党の人物が首相に就く可能性は十分にあるだろう。それだけでなく、これまでに支持を伸ばしてきた極右・極左両派への政治的な配慮も必要だろう。

マクロン氏にとって、様々な利害を調整するのは容易ではないだろう。同氏が各政党との意見調整に難航するなら、「やはりポピュリズム政治は止められない」との見方が欧州全体に広がる可能性もある。

特に、イタリアの政治動向には注意が必要だ。イタリアでは不良債権処理が進まず、金融システムには不安定な部分がある。それに加えて、“五つ星運動”をはじめとするポピュリズム政党が支持を集めてきた。

金融市場でフランスの政治への不安心理が高まれば、それはイタリアに波及し、銀行株への売り圧力が高まる恐れがある。その影響はドイツなどにも伝わり、連鎖反応的に世界の金融市場がリスクオフに向かうことが懸念される。

大統領選挙後、フランスの大統領に選出された人物の手腕次第で金融市場が不安定に推移しやすいことは、念頭に置いておくべきだろう。




 

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コメント
 
1. 2017年5月01日 22:22:59 : EMRtW9cy7L : aLxyjjl3PS0[1]
世界中の金融機関はすでに潰れていると解釈すべきだ

2. 2017年5月02日 07:55:36 : hKRNRNsg7U : ZKs9_WJa1ss[332]
誰がなったらという話じゃなくてもともとある問題。責任を擦り付けたいだけ。

3. 2017年5月03日 14:41:39 : RxvWmneUqE : 3tU1A_vDrYw[22]
ルペン=大衆迎合主義=大局的視点の欠如、というプロパガンダは聞き飽きた。

多くのフランス人が生きにくいと感じているからこそ、方向を転換してくれるかもしれないルペンの支持者が増えている。その現実を見ずに、ひたすらEUは必要だと叫ぶだけでは、いずれグローバリストも凋落するだろう。


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