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(Press statements following Russian-Japanese talks: President of Russia)
http://en.kremlin.ru/events/president/news/54391
イベント
露日対話を受けた記者声明
ウラジミール・プーチンと安倍晋三・日本首相は2人の間で行われた対話を受けて、記者たちに声明を発表した。
2017年4月27日 18:00 モスクワ・クレムリン
ウラジミール・プーチン露大統領:こんにちは。
紳士・淑女の皆さん、総理。
安倍晋三・日本首相とのそれらの対話は建設的な雰囲気の中で行われました。双方の側が今後も互いに有益で多面的な協力を展開していきたいとの意欲を示したことをこの場で申し上げます。
日本はロシアにとって重要で有望なパートナーです。私たちは互いに尊敬し平等の精神で相手の利益を考えるという原則に基づき、全ての課題を解決するために協力する用意があります。それが両国の関係において極めて複雑なものであってもです。
私たちは今日、まずは狭いフォーマットで、そしてその後に主要閣僚や大手企業の首脳の皆さんが加わり、露日関係の現状について細かく議論し、昨年12月の私の日本訪問の間に達した合意について実行された結果を検証し、両国が優先して協力する事柄を直ぐ行うものと長期的なものに分けて大まかに決めました。
安倍氏と私は2国間の接触が近年強まっていることを満足しながら話しました。例えば、両国の外務・防衛閣僚の間で「2プラス2」会合が再開され、両国の安全保障会議が対話を繰り広げ、両国議会の間では協力が拡大しています。
両国の経済協力には過去に低迷がありましたが現在は再び上向きになっており、喜ばしいことです。今年の1月と2月に両国の2国間貿易は増加しました。日本からロシアへの投資総額も増えており、2015年には13億になり去年は17億に達しました。
両国政府の合同委員会は、産業・農業・インフラ・イノベーション・小規模企業・人道交流の分野において80件の優先事業から成る全体的なリストと野心的な共同作業計画をまとめており、これらは実行に移されています。
10億ドルの資本を持つ新たな露日共同の投資基金が両国2国間ビジネスの構想を実行するための資金を支援します。投資庁と極東開発基金は日本の国際協力銀行と一緒に、ロシア極東への投資を支援することになります。
勿論のことですが、私たちは戦略的なエネルギー分野で協力を深めることについて日本のパートナーの皆さんと議論しました。ロシアは日本にとって信頼できるエネルギー供給国で、日本国内の液化天然ガス市場の約8%のシェアを持っています。
一方、日本企業は「サハリン1」と「サハリン2」の石油・ガス田開発やヤマル半島の液化天然ガスプラント建設に参加しています。私は安倍首相と、サハリンと北海道を結ぶガスパイプラインとロシアから日本に電力を供給するエネルギーブリッジを建設する共同計画や、再生可能な非従来型エネルギー源の分野での協力について話し合いました。これらの有望な事業の実施により、日本の消費者の皆さんは新たなエネルギーを最短のルートと手頃な価格で届けられるようになるでしょう。
両国の原子力エネルギー分野での協力も見通しは良好です。ロシアは日本に、福島第1原発の復旧を支援し、汚染土壌の洗浄と放射性廃棄物の処理を行うための最先端の技術を提供する用意があります。
会談では、私たちは産業の協力を深めることについて話し合いました。ロシアでは現在、先進技術を引き寄せて革新的な新しい産業を作り出すための高度に快適な環境を提供しています。極東の優先発展区域における経済特区は投資家の皆さんに免税期間と簡素化された行政手続を提供しており、国の機関はインフラの近代化に資金を供給しています。日本のパートナーの皆さんがこれらの優れた機会を十分に活用することを私たちは願っています。これにより、皆さんはロシア市場だけでなくユーラシア経済連合やCIS諸国の消費者に直接アクセスできるようになります。
私たちは、日本の企業や銀行がロシア最大級の経済フォーラムであるサンクトペテルブルク・フォーラムや東方フォーラムに積極的に参加することを楽しみにしています。私たちは、エカテリンブルクで開かれる国際産業見本市・イノプロム2017に日本がパートナー国として参加を決めたことを評価しています。
私たちは、両国の地域同士の関係において新しい活動が始まることを歓迎します。今回の訪問では、クラスノダール地方と山口県の間で協力協定が署名されました。これは、日本の総理の個人的な取り組みにより実現したもので、昨年12月に彼が最終段階にまで進めていたものです。
露日対話を受けた記者声明。
私たちは文化・人道面での交流が拡大したことも話しました。6月には、「ロシアの四季」フェスティバルが日本で開かれます。これは40都市で合計250件の多様なイベントを繰り広げるものです。「ロシアの四季」では、ロシアの文化と芸術の珠玉の作品の一部を日本の皆さんにお見せします。東京で行われるフェスティバルの開会式に安倍総理が直に参加してくださることになったと聞き、私はとても嬉しかったです。来年、「ロシアにおける日本年」と「日本におけるロシア年」を互いの国で開くことに私たちは合意しました。
勿論のことですが、私たちは平和条約の課題を議論しました。この課題の解決策は両国の戦略的利益を満たし、両国の国民に受け入れられるものでなければなりません。これについては私が安倍氏と去年12月に東京で合意した通りに、南クリル諸島での共同経済活動の可能性について議論しました。私たちは引き続きこの共同作業に取り組み、近いうちに優先事業のリストをまとめ上げることに合意しました。具体的な機会の相互作用を研究するために、この夏には、日本企業の皆さんや政府の皆さんが協力の機会について具体的に検討するために南クリルを訪問することになりました。
また、日本の元島民の皆さんが御家族のお墓に参るためにロシアは直行の航空便を用意します。現在、安倍氏と私はこれらの人道問題の解決策について多くの機会に議論しています。彼がこのような課題を取り上げ、私たちがそれらを解決すべきだということで私は彼に合意しました。これが両国の間に大きな信頼と相互の理解を築く手助けになることを私は願っています。
勿論のことですが、国際的な課題にも私たちは大いに注目しています。私たちは多国間機関における協力について、特に日本は国連と国連安全保障理事会について議論しました。理事会では日本が[2016年と2017年に]非常任理事国を務めています。
私たち朝鮮半島の情勢について議論しました。残念ながら情勢は非常に悪化しているということで私たち2人は合意しました。私たちはこの地域の問題に関わる全ての国々に、好戦的なレトリックを控えて穏やかで建設的な対話に向けて協力するよう呼びかけます。私たちは6カ国協議の早期再開が私たち共通の課題だと考えています。
私は最後に、この心配な事柄やビジネスについての話を一緒にしてくださった安倍総理や日本人の同僚の皆さんに私の感謝の気持ちを示したいと思います。私たちは今後も、東方経済フォーラムに合わせてウラジオストクで会談の場を持つことで合意しました。ハンブルクのG20サミットでも会談する機会を持ちたいと私は願っています。
ご静聴有り難うございました。
安倍晋三・日本首相(重訳):最後の訪問から4年ぶりにモスクワを訪問することが出来、私は嬉しいです。プーチン大統領とロシアの皆さんの温かなおもてなしに心から御礼を申し上げます。
まず、私は再び、サンクトペテルブルクの地下鉄で起こった残忍なテロ攻撃に悲しみを表明させて頂くとともに、負傷なさった皆さんにお見舞いを申し上げ、皆さんが速やかに回復なさることを願っています。このようなテロ攻撃は人類全てに対する攻撃であり、私はこれを強く非難します。こうした困難な時期に、日本はロシアの皆さんと共にいます。日本はロシアや国際社会と一緒にテロとの戦いに貢献していきます。
露日対話を受けた記者声明。安倍晋三首相。
2016年12月、私は長門でプーチン大統領を歓迎しました。雪が降っていました。プーチン大統領は私の故郷の町で元島民たち、北方領土の4島の元住民たちの手紙を読みました。彼らは島のことで共通の痛みや胸に秘めた思いを持っていました。プーチン大統領は食い入るような目をしていました。あなたの目の表情や様子を私はまだはっきりと覚えています。手紙には、「私は先祖のお墓や生まれた土地を自由に訪問できるようになりたい。私は自分の小さな故郷で朝を迎えたい」と書かれていました。
歴史上初めて、(プーチン大統領はその記者会見で、自分はその手紙に深く感動したと率直に認めた)元島民の御家族が肉親のお墓参りをするために航空機を手配することが決まりました。元島民の皆さんには、6月の晴れた日に国後と択捉で御先祖のお墓参りをして頂きたいと私は考えています。何年も前から出入りの拠点は1ヵ所だけですが、今後そのような拠点の数は増えるでしょう。今年、そのような拠点を歯舞諸島の近くに開くことで私たちは合意しました。早くて8月には私はこれを実現したいです。
また、私たちは北方四島での共同経済活動について掘り下げた議論を行いました。日本とロシアの市民の皆さんが一緒に魚やウニの生産に取り組み、エコツーリズムなど北方四島ならではの観光の機会を広げていくでしょう。これはロシアの地元市民の皆さんの生活水準と快適さ向上させ、商業活動のために現地に行く日本の皆さんにも新たな機会をたくさん生み出すでしょう。私たちはこのことに期待しており、そのような未来を一緒に生み出したいと考えています。
最初のステップとして、5月の終わりまでに政府と民間諸団体の代表が加わった使節を送ることで私たちは合意しました。両国の代表が具体的な事業を選ぶための作業を始めることになっています。共同経済活動では私たちは小さなことから始めて、最終的には大きな成功を達成するつもりです。私たちは平和条約にも一緒に集中的に取り組んでいきます。平和条約はウラジミールと私が実現したいと強く望むものです。これは互いに恩恵をもたらす歴史的な取り組みです。ウラジミールと私は、古いアイデアに頼らない新たなアプローチを使って両国の国民が互いに信頼を強めるようにして、平和条約を結んでいきたいと考えています。尊重し合い利益を与え合い信頼し合うことを基本に、手に手を取って作業しながら、ウラジミールと私は平和条約締結への道に乗り出したいと考えています。
私が去年にソチで提案した8項目の協力計画は前進しています。大統領と私は医療と都市環境における協力について議論しました。多くのロシアの人々が日露関係の進歩を実際に体験できるよう、私たちは引き続き両国の協力計画を具体化してきます。
2018年には、ロシアにおける日本年との日本におけるロシア年が同時に開催されることになっています。これは、2国間の文化関係を速やかに広げるための重要なイベントであり、文化を通じてもっとの多くの日本の人々がロシアを好きになり、もっと多くのロシアの人々がより一層日本に親しみを感じて頂けるよう願っています。
ウラジミール、私たちは私の故郷・長門で自分たちの手で平和条約の諸課題を解決する誠実な決意を宣言しました。あれから4ヶ月が経ち、私は約束を守るためにモスクワに来ました。私たちはこの4ヵ月の間に共通の目標に向けて一歩ずつ進歩を成し遂げていきました。私たちは長門宣言に基づき、最終的な目標に向けてこれらの歩みを強めていきます。
今日の大統領との会談で、私たちは北朝鮮問題を非常に長い時間にわたり議論しました。ロシアは国連安全保障理事会の常任理事国であり6カ国協議の重要なパートナーです。プーチン大統領と私は、日本とロシアが今後も緊密に協力して、北朝鮮に対して国連安全保障理事会決議を完全に遵守するとともにこれ以上の挑発的行動を控えるよう促すことで合意しました。
露日対話を受けた記者声明。
世界はシリア情勢やテロとの戦いなどの困難な課題に直面していますが、これらはロシアの建設的な役割なしには解決できません、私たちは日本とロシアが国際社会でどのように協力すべきかについて真剣で率直な議論を行いました。
ウラジミールと私は、次回は7月にハンブルクで開かれるG20サミットの期間中に差し向かいの会談を行うことで合意しました。また、私は9月にウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムで彼に会うのを楽しみにしています。今年、私たちは数多くの分野で日露関係を前に進めるためにあらゆる機会を利用したいと考えています。私はこの決意を改めて表明します。
有り難うございました。
地理 日本
話題 外交政策
人物 安倍晋三
公開ステータス
公開項目:ニュース、原稿
公開日:2017年4月27日18:00
テキスト原稿
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(投稿者より)
クレムリン・英語サイトのページからの翻訳です。露文の元原稿を機械翻訳に掛けて、それを下敷きにしています。
安倍氏の声明の原稿が日本側から出てきません。官邸サイトにもありません。クレムリンのスタッフが英語字幕を動画に付けてくださったので冒頭に貼り付けてあります。
「2015年には13億になり、去年は17億に達しました。」 "In 2015, it came to 1.3 billion, and last year, it reached 1.7 billion." 数字の裏取りが出来ず単位も分からないので、書かれた通りに日本語にしてあります。統計の取り方で数字に不一致があるようで、データを探すことが出来ませんでした。
「元島民の皆さんには、6月の晴れた日に国後と択捉で御先祖のお墓参りをして頂きたいと私は考えています。」"I want former residents of the islands to visit the graves of their ancestors on Kunashir and Iturup on a fine day in June. " 6月の現地は海霧の季節のはずです。事が上手く運べばいいのですが。
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