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〔緊迫する北朝鮮情勢 武力衝突の可能性は? 米・中・北の思惑は?〕4月25日、Nクロ現
今日、北朝鮮では長距離砲300=400門投入の「過去最大規模」砲撃訓練がされたと伝えられている。だが、国内ではこれまで緊張が高まった時に撮られる「準戦時状態」は現時点では取られていない。また米韓両軍の防衛準備態勢レベルも変わらず、韓国に暮らすアメリカ人の退避の動きもなかった。
平岩俊司(南山大学教授)「アメリカが従来になく強い形で北朝鮮にプレッシャーをかけていて、とりわけ先日シリアに攻撃を加えたのを見て、北朝鮮は、トランプ政権は場合によっては軍事力を使うかもしれないことを強く認識しただろうから、仮にICBMであるとか核実験を行えばトランプ政権が過剰に反応するかもしれない、そういうことを想定して今回の訓練になったのだろう。ただしアメリカの圧力に屈したということは見せたくないだろうから、ソウルに届く長距離砲の訓練だったのだろうし、今回、記念日ということで国際社会は懸念したが、アメリカに届く核ミサイルを手に入れたいという北朝鮮の思いは変わっていないようだ」
チョン・ソジャン(セジョン研究所 統一戦略研究室長)は緊張が高まるきっかけとなったのは、今年1月元日ののジョンウン委員長の演説だったという。
ジョンウン「繁栄の新たな歴史をつくった最先端装備の開発が活発化し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験の準備は最終段階だ」
アメリカ本土が射程に入る核ミサイルの開発を急ぐという宣言だった。
ソジャン「北朝鮮はアメリカ本土まで届く大陸間弾道ミサイルを保有してからアメリカと交渉することでカードの重みが増すと信じています。アメリカ本土を攻撃できる能力を備えればアメリカの武力介入を防げると判断しているのです」
北朝鮮のミサイルを長年研究してきた韓国国防省の政策委員も務める軍事評論家のヤン・ウク氏は、北朝鮮は段階を経て射程を伸ばし、現代は最終段化の第3段階に達しているという。
ウク「北朝鮮は最初は旧ソビエトのミサイルをまねていただけだったが、今では自ら改良している。実験を通じて着々とデータを積み重ねている」
今では精度も高まっているという。
ウク「スカッドミサイルは狙った場所・時刻に正確に攻撃できるレベルになっている。北朝鮮東部から発射すれば日本本土を攻撃できるのです」
第2段階の北極星2型などは、固体燃料を採用、すぐにでも発射できる即応性も手にした。さらにエンジンの出力が向上、より重い核弾頭搭載の可能性が出てきたと見られる。このまま北朝鮮は核とミサイルの開発を進め、使用に踏み切った場合、どれくらい被害が出るのか、韓国では、テレビ局が米国防総省の分析をもとに制作した(2011年)。
もし小型核弾頭の開発に成功した場合、2次被害を含め”125万人の死傷者”が出ると予測されている。
ウク「韓国と日本は単純なミサイル攻撃ではなく核ミサイル攻撃を受ける可能性が出てきました。韓国と日本は北朝鮮の人質になるつつあるのです」
そして今、北朝鮮は射程1万キロを越えるICBMを開発中である。アメリカ本土も狙える第3段階のミサイルである。
ウク「固形燃料を使用したICBMが北朝鮮の最終目標です。北朝鮮が核技術をすべて完成させた場合、放棄させるのが困難であることは明らかです」
北の狙いはなにか。
平岩「北朝鮮から見れば、自分たちの体制を何とか維持したいことなのだろうが、アメリカとの関係で言えば、1950年代の朝鮮戦争が休戦状態で未だ戦争が続いている状態である。これを平和協定に代えたいというのが一つの狙いなんだろう。北朝鮮は当初核開発を始めた時は、核開発を放棄するのと引き換えに平和協定を結んで欲しいというカードとして使ったところがあると思う。
が、その後イラクのフセイン大統領が核を持っていなかったために攻撃されたり、リビアのカダフィ大佐が核を放棄したため最終的にはアメリカによって排除された、という思いが北朝鮮では強いので、核は持たなければいけないと、今や交渉カードというよりは、アメリカの届く打撃力を持つ核保有が交渉力にもつながるし、自分たちの体制を維持することにもなる、と考えていると思う」
対するトランプ政権の次の一手はなにか?
デニス・ワイルダー(国家安全保障会議元アジア上級顧問)は強硬な姿勢を示すトランプ大統領だが、武力行使は容易ではないと指摘する。
ワイルダー「北朝鮮とシリアの空軍基地とでは攻撃対象として明確な違いがあります。北朝鮮の大砲の射程圏内にはアメリカと韓国の市民そしてアメリカ軍がいます」
かつて(1994年、クリントン大統領)アメリカは核開発を推し進めていた北朝鮮への軍事攻撃を検討したことがあった。しかし北朝鮮による反撃の被害を分析した結果は厳しいものだった。アメリカ軍と韓国軍の死者が55万人、民間人の死者が100万人上ることが判明、韓国からの強い反対もあり断念した。
軍事力をさらに増強させている今の北朝鮮を即時に無力化することは極めて困難だと見ている。
ワイルダー「トランプ大統領が軍事攻撃を計画するなら、北朝鮮による報復のリスクを覚悟しなければなりません。それはかなり大きなリスクです」
今トランプ政権が力を入れているのが長年北朝鮮の後ろ楯となってきた中国への圧力である。
ワイルダー「トランプ大統領は中国に対する期待を明確に表明しています。中国が協力すればよいですが、もし協力しなければアメリカは単独で制裁を科する必要があります。北朝鮮の労働者が海外で働けなくなるような各国への呼びかけや、北朝鮮と取引する中国企業への制裁にも乗り出すでしょう」
アメリカの圧力を受ける中国は北朝鮮にたいしてどう臨むのか。
かつて中国で、対北朝鮮政策を現場で取り仕切ってきた揚希雨(中国外務省元朝鮮半島問題担当、6か国協議の交渉にも参加)は、中国は北朝鮮の核・ミサイル開発にいらだちを強めているという。
揚希雨「中朝関係はかつてなく冷え込んでいます。習主席とキム委員長は、まだ一度も会ったことがないほどです。北朝鮮が誤った道を歩めば中国は引き続き圧力をかけていきます」(北朝鮮の石炭輸出の現場:略)
専門家は中国は水面下で石油を切り札に圧力をかけているいう。
ソジャン「中国は出来る限り短い期間に核とミサイルを放棄するよう北朝鮮に迫りました。石油の供給は中朝間において重要なことです。それを停止することは事実上関係を断つということです」
一方で中国の元外交官は、行き過ぎた経済制裁は、かえって北朝鮮の反発を招くだけだと指摘している。
揚希雨「越えてはならない一線と原則があります。北朝鮮の核の脅威を抑え込まなければなりませんが、食料や石油の援助を中断したとしても北朝鮮を屈服させることは不可能なのです」
中国と北朝鮮の間では異例とも言える批判の応酬が始まっている。環球時報には「北朝鮮が6回目の核実験をかたくなに行うのであれば、中国政府は、北朝鮮との石油貿易を制限する」「国連安保理の制裁決議を支持することになるだろう」
北朝鮮の朝鮮中央通信では、「彼らが誰かに踊らされて経済制裁に執着するなら、我々との関係に及ぼす破局的な結果も覚悟すべきだ」
(以下、略)
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