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「なぜあなたがここにいるのか」と言いたげな目でイバンカさんを見つめるメルケル独首相=ロイター
トランプ氏長女、イバンカさんは「私人」から「公人」に[日経新聞]
ワシントン支局 川合智之
2017/3/31 2:00
首相夫人は「私人」とする答弁書を閣議決定した日本だが、米国でも大統領の親族が私人かどうかを巡る議論が盛んだ。特にトランプ大統領の長女イバンカさんがホワイトハウスでの首脳会談などに同席していることに「どんな資格で出席しているのか」と疑問視する声があり、急きょ政府職員として「公人」となることにした。利益相反にあたるのではないかとの懸念も出ているが、トランプ氏は意に介していないようだ。
17日にホワイトハウスを訪れたドイツのメルケル首相の隣の席には、イバンカさんの姿があった。欧州メディアは戸惑っているような表情でイバンカさんを見つめるメルケル氏の写真を掲載。「なぜあなたがここにいるのか」とメルケル氏が思っているようだったと評した。イバンカさんはそんなメルケル氏の様子を知ってか知らずか、集まった米独企業首脳を前に熱弁を振るい「独創性や創造性は民間の決断によりもたらされる」と米国への投資を呼びかけた。
■首脳会談の記者会見でも最前列に
イバンカさんは同日の共同記者会見でも閣僚やホワイトハウス幹部を差し置いて、最前列でペンス副大統領の隣に座った。大統領の家族が外国首脳とあいさつすることはあるが、それはあくまで懇談の範囲。記者会見まで出席するのは珍しい。
イバンカさんの夫、クシュナー氏も重用されている。実の父がイスラエルのネタニヤフ首相と懇意なクシュナー氏はホワイトハウスで中東政策を担うほか、27日には行政改革を担当する新組織のトップに任命された。
夫のクシュナー氏は上級顧問という役職を得ているが、このときイバンカさんには肩書は特になかった。公人・私人の定義はあいまいだが、公職に就いている人を「公人」と呼ぶなら、イバンカさんは私人、クシュナー氏は公人ということになる。ただホワイトハウスで外国首脳と並んで座り、会合で政権の政策について発言するイバンカさんは私人の域を超えているとみなされてもおかしくない。
焦点となっているのは利益相反の有無だ。米には公職者が自らの所属・管轄する組織に親族を任命できない「反縁故法」がある。利益相反を回避するためで、イバンカさんが政府での立場を利用して私的に利益を得ていれば、法令に違反することになる。ただイバンカさん、クシュナー氏夫妻がともに給与を受け取らないことで、同法には抵触しないとしている。
反縁故法が成立したのは1967年で、その前にはケネディ元大統領が実弟のロバート・ケネディ氏を司法長官に任命していた。その後、ヒラリー・クリントン氏がビル・クリントン元政権で医療保険改革を主導したこともある。
■残る利益相反の可能性
たとえ無給であっても、利益相反にあたる可能性は残る。イバンカさんはトランプ大統領が経営していたトランプ・オーガニゼーションの上級副社長を務めていた。父の当選にあたって役職は辞任したが、自身のファッションブランド「イバンカ・トランプ」の展開は続いている。2月には政権幹部のコンウェー大統領顧問が「イバンカの商品を買いに行きましょう」と国民に呼びかけ、利益相反の倫理規定に違反したとして注意を受けた。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は29日、イバンカさんが無給の大統領顧問としてホワイトハウス入りすると報じた。イバンカさんはすでにホワイトハウスで大統領や顧問らが働くウエストウイング(西棟)に執務室を持つ。これまでイバンカさんは肩書を持たず「私人」を貫く方針だったが、無給ながら正式な政府職員の「公人」となることで他の職員と同じ倫理規定に従うことにした。
メルケル首相との共同記者会見で最前列の席に向かうイバンカさん(中央)
大統領夫人に政府職員のスタッフが就いたのは、20世紀初めのセオドア・ルーズベルト元大統領のイーディス夫人が初めて。当初は秘書の役割だったが、国民的な人気が高かったジャクリーン・ケネディ夫人が専属の報道官を初めて雇い、情報発信を強化した。特定の政策に注力する夫人も多く、ミシェル・オバマ夫人は児童の食事・運動などの健康問題に熱心だった。米メディアによると、近年は20人前後の職員が夫人を担当しているという。
こうした夫人担当の政府スタッフはイバンカさんの補佐も担うとみられる。イバンカさんが厚遇を受けるのは、ファーストレディーの代役を果たしているためだ。トランプ大統領のメラニア夫人は息子バロンくんが小学校を卒業する6月まではニューヨークにとどまる意向。その後にメラニア夫人がホワイトハウスで同居するようになっても、控えめなメラニア夫人に代わりイバンカさんが実質的なファーストレディー役を担うことになるとの見方がある。
一方、イバンカ夫妻はトランプ政権が医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案を巡って議会の攻防が正念場を迎えていた20〜23日、西部コロラド州の高級リゾート地アスペンへスキー旅行に興じていたと報じられた。米CNNテレビによるとトランプ氏は重要な時期に不在だったことに激怒したという。世界の指導者になったトランプ氏にとって、ファミリービジネスとして家族で企業経営を担っていた以前とは重圧が違うようだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO14593630Y7A320C1I00000/?n_cid=DSTPCS001
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