>ロシア軍やシリア政府軍の空爆を毎日取り上げ、ときには古い映像まで挿入してまで、その残虐性や反人権性を訴えていたいわゆる西側メディアだが、イラク・モスル奪還作戦においては、毎日のように一般市民の犠牲が出ている有志連合の空爆についてはほぼ無視相変わらず、かなり無知な上に偏っているな http://mainichi.jp/ch150911602i/%E6%BC%86%E9%BB%92%E3%82%92%E7%85%A7%E3%82%89%E3%81%99/1 http://mainichi.jp/articles/20161108/ddl/k27/040/417000c 毎日新聞「漆黒を照らす」 http://www.asiapress.org/apn/author/iraq/post-52461/2/ <イラク>IS掃討戦続くモスル 空爆と報復におびえる市民 ◆「この組織は異常だ、と気づいた時はもう遅かった」 2010年にイラク軍に同行し、モスル市内を取材した際の写真。武装勢力掃討作戦を展開していた。イラク軍を狙った襲撃があいつぐ中、兵士も苦悩していた。その後ISは各派と合流し、2014年6月、モスルはISが制圧した。(2010年4月撮影・玉本英子) 2010年にイラク軍に同行し、モスル市内を取材した際の写真。武装勢力掃討作戦を展開していた。イラク軍を狙った襲撃があいつぐ中、兵士も苦悩していた。その後ISは各派と合流し、2014年6月、モスルはISが制圧した。(2010年4月撮影・玉本英子) 関連写真記事:イスラム国(IS)支配下のモスル住民に聞く(1)「戦闘員は宗教とはかけ離れた人たち」(写真7枚) チグリス川の豊かな恵みをたたえるイラク第二の都市モスルを、武装組織イスラム国(IS)が制圧したのは、2014年6月。イラク軍は、自爆攻撃やゲリラ戦の前にあえなく敗退した。キリスト教徒やイスラム教シーア派住民の地区では財産を没収して土地から追放した。(玉本英子) 「どうしてこんなことに……」 IS制圧後のモスルから、携帯電話で私に話したのは40代の教員サアドさんだった。見つかれば「スパイ」として処刑も免れない。それでも、発信場所を変えながら、連絡をくれた。ISが独自解釈したシャリーア(イスラム法)が布告され、統治が始まった。外国人戦闘員が跋扈(ばっこ)し、広場で公開斬首が繰り返された。電気供給は1日2時間になり、物価は高騰して、生活は困窮するようになったという。 イラク駐留米軍が2011年にモスルから撤収すると、シーア派主導のマリキ政権が強権をふるうようになり、スンニ派が多数を占めるモスルでは、不当逮捕や拷問が繰り返された。こうした背景から、ISが町を掌握したとき、それを受け入れる住民も少なくなかった。「イスラムを名乗るが、この組織は異常だ、と気づいた時はもう遅かった」と、サアドさんは言った。 その後、ISが携帯電波塔を撤去し、情報統制を強めたなか、市民は隣接するクルド自治区のかすかな携帯電話網の電波を拾いながら、支配地域外の親族と密かに連絡を取り合った。サアドさんは町に残るという。「クルド自治区に脱出できたとしても、避難民キャンプのテント暮らしは高齢の両親には過酷です」。その後、彼からの連絡はなくなった。 次のページ:10月中旬、モスル市内にいる70代の女性が、クルド自治区に避難している家族のもとに電話をかけてきた… 10月半ばに始まったイラク軍、クルド・ペシュメルガ部隊によるモスル奪還戦直前、ISは市内の様子を伝える写真を公開。市民生活は平穏であることを強調している。(IS写真) 関連写真記事:イスラム国(IS)支配下のモスル住民に聞く(2)「なぜ外国人に支配されないといけないのか」(写真6枚) 10月中旬、モスル奪還戦の緊張が広がった。市内にいる70代の女性が、クルド自治区に避難している家族のもとに電話をかけてきた。戦闘機が飛び交い、空爆の巻き添えになるとおびえているという。食料や燃料の確保など、住民は不安の中にあった。イラク軍は、モスルでの戦闘でISに壊滅的な打撃を与えるために、シーア派民兵組織を多数、投入している。統制の緩い民兵は、IS戦闘員の死体を焼く動画をネットで公開するなどして問題となっている。 「ファルージャでは、シーア派の報復でスンニ派住民が殺害されたと聞いた。IS支配が終わったあと、今度はシーア派兵士が町にやってくることが怖い」。女性は携帯電話でそう話した。 ISを町から一掃しても、先行きは不透明なままだ。どの人が協力していたか、といった隣人どうしの密告や、部族の衝突が懸念される。イスラム教の宗派とキリスト教、そしてアラブ人やクルド人など100万の住民が、かつての隣人関係を修復できるのだろうか。 「モスルはフセイン政権崩壊以降、ずっと混乱が続いてきた。あと何年、続くのか」。かつて取材した際、住民がそう言った。戦火に引き裂かれた人びとは、いま次の恐怖に怯えている。【玉本英子】 (※本稿は毎日新聞大阪版の連載「漆黒を照らす」11月8日付記事を加筆修正したものです) 関連記事 ◆IS支配地域からスンニ派住民の脱出急増 近くモスル奪還戦か(写真8枚) ◆「イスラム国」がヤズディ教徒約200人を解放 イラクのモスルから ◆世界でいちばん危険な町 モスルは今(1)【2010年・玉本英子】 http://www.asiapress.org/apn/author/iraq/post-52461/
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