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[NARから]RCEP、中国主導にあらず TPPと共存も可能
マリ・パンゲストゥ氏 デビッド・ネラー氏寄稿
東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、世界貿易の現状を説明する「米国対中国」という文脈でとらえられてきたようだ。だが、これを米国が進めた環太平洋経済連携協定(TPP)への中国主導の対抗手段と位置づけるのは誤りだ。
米外交問題評議会のジョシュア・カーランツィック上席研究員は最近、「米大統領選でトランプ氏が勝利した数日後、TPPを推進していたオーストラリアやマレーシアなどの首脳は方針を転換し、中国政府がかねて進めてきたRCEPの支持に回った」と述べた。
この見解はことごとく間違っている。オーストラリアとマレーシアは方針を転換していない。RCEPは中国主導でもない。東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国だったインドネシアが2011年に提唱した枠組みだ。米国や関心を示す国を排除していない。
RCEPの交渉参加国はASEAN10カ国と、その自由貿易協定(FTA)パートナーの6カ国(豪州、ニュージーランド、中国、インド、韓国、日本)だ。目的の一つはASEANの求心力を回復するためだった。
つまりRCEPは中国主導でもなく、TPPのライバルでもない。TPPとRCEPは異なるモデルであり、共存も可能だ。TPPは一定の課題での合意が必要な単線的な取り組みだが、RCEPは全ての国に開かれ、貿易・投資問題の継続的な議論の枠組みだ。
アジアは欧米を悩ませている反グローバル志向には陥っていない。アジアが直面する課題はむしろ公平で全ての人に開放された発展の実現だ。
RCEPは参加国の発展段階や経済システムに差があり、包括的で一過性のTPPよりも進化的なアプローチをとっている。さらに野心的な目標を達成するには、創造的で柔軟な方法を見つける必要がある。目標は年内の交渉妥結だ。アジアは今こそ立ち上がり、主導権を握るべきだ。
(Mari Pangestu インドネシア大学国際経済学教授、元インドネシア貿易相)
(David Nellor ジャカルタに拠点を置くコンサルタント、元国際通貨基金上級顧問)
英文は「Nikkei Asian Review」のサイト(http://asia.nikkei.com/)に掲載しています。
[日経新聞3月10日朝刊P.13]
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