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トランプがロシアに抱く幻想 岡崎研究所(WEDGE)
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/607.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 14 日 14:44:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

トランプがロシアに抱く幻想
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9089
2017年3月14日 岡崎研究所 WEDGE Infinity


 トランプはプーチンに親愛の情を抱き、ロシアが対テロやイラン問題で同盟相手になると見ているが、それは幻想に過ぎないと2月11日付の英エコノミスト誌が警告しています。その要旨は、以下の通りです。

 トランプ大統領はロシアと新たな戦略関係を築きたいようだ。トランプはプーチンに親愛の情を抱き、プーチンを「殺人者」と言ったフォックス・ニュースに、「殺人者は大勢いる。米国が純真無垢だと思っているのか」と言い返した。米国の大統領が、自国をロシアと同様に残忍だと言うのは、前代未聞だ。

 トランプ周辺は次のように考える。先ず米国はプーチンと組んでISを打破し、一方、ロシアはイランとの協力を止め、ウクライナでの紛争の扇動やNATO諸国への嫌がらせをしないことで合意し、核軍縮協議も始める。また、米ロの接近は、長期的に中国の勢力拡大も抑えてくれるかもしれない。昨年、バノンは、米国が「南シナ海で5−10年以内に戦争を始める」のは確かだと述べた。だとすると、中国と長い国境を接し、核を持つロシアを嫌う理由があるだろうか。

 大いにある。米ロの利害はあまりにも異なる。例えば、シリアではプーチンはISとの戦いを喧伝するが、実質何もしていない。また、プーチンは、アサド政権の温存と中東におけるロシア軍の恒久的プレゼンスを求める可能性があるが、これらはシリアや地域の安定にとっても、米国にとっても良くない。それに、米ロ両軍が肩を並べて戦うのは難しい。システム的にかみ合わない。

 同様に、ロシアはイランとも対決する気はない。イランはロシアにとって有望な輸出市場だ。両国は、協力して中東を管理することを望んでいる。

 ロシアと組んで中国と対決するという考えはさらに非現実的だ。経済が衰退、人口が減り、軍も中国より小規模なロシアは、中国よりはるかに弱体だ。プーチンは対中貿易を重視し、中国の軍事力を恐れている。隣国を苛め、西側の説教を嫌う点も、ロシアと中国は共通している。

 欧州に関するプーチンの望みは、@西側の制裁解除、Aウクライナ東部占領の承認、BNATOの弱体化の黙認だ。プーチンはトランプが欧州の対ミサイル防衛を反故にし、NATO拡大を止めて、ロシアが旧ソ連圏で自由に行動できるようにしてくれれば、大いに喜ぶだろう。

 ロシアと大きな取引をするのは幻想にすぎない。

 ロシアとは、取引や仲違いよりも、関係改善に向けて軍備管理や米ロの偶発的衝突の防止等、小さなことに努力する方が良い。そして共和党や国務、国防両長官はトランプにこのことを納得させなければならない。

出 典:Economist ‘Donald Trump seeks a grand bargain with Vladimir Putin’ (February 11, 2017)
http://www.economist.com/news/leaders/21716609-it-terrible-idea-donald-trump-seeks-grand-bargain-vladimir-putin

 これは、エコノミスト誌(2月11−17日号)の巻頭論説です。色々な点に目配りした良い論説であり、この論説の趣旨に賛成です。

 トランプもバノンも、プーチンは手を組める相手であると考えています。ロシアの欧州政策、イラン政策、中国政策、中東政策などについて、ナイーブな情勢判断をしたうえで、そう考えていますが、米ロの利害が大きく異なり、非現実的です。さらに言うと、ロシアはいまやGDPでは韓国以下であり、使えない兵器である核兵器と軍事力を使うことに躊躇がないこと以外に大した国力がなく、手を組んで利益になることはあまりありません。

 共和党の中にはマケインをはじめ、ロシアについてきちんとした判断をしている人も多いです。政権内でもティラーソン国務長官、マティス国防長官、コーツ国家情報長官、ヘイリー国連大使(トランプ政権成立後、東部ウクライナで戦闘が激化したことについてロシアを安保理で激しく非難)など対ロ姿勢が厳しい人も多いです。今後、この論説が期待しているように、これらの人の意見がトランプの対ロ政策をより思慮深いものにする影響を与える可能性はあります。しかし、トランプには、頑固さがあり、自己の意見に固執して対ロ政策を展開する可能性もあります。

 この論説は、プーチンと大きな取引をするなど実現性のない幻想であると言いますが、トランプがやってみないと幻想かどうかわからないではないかと言えば、彼を翻意させるのは難しいかもしれません。

■諦めるのを待つしかない

 結局はトランプ自身がプーチンとやってみて、どうもダメだと納得するのを待つほかないかもしれません。プーチンは2018年の大統領選挙で当選することを最重視しており、対米関係で大きな政策変更はしえないでしょうから、割に早くそういうことになり得ます。トランプ政権の一部が構想するような米ロ関係の画期的改善は実現しないと思われます。日本との関係でも、ロシアは北方領土で譲れないでしょう。

 ロシアはユーラシアの国であり、米国の対ロ政策はアジアと欧州の双方に影響を与えますが、欧州が最も大きな影響を受けます。欧州は対ロ制裁解除、NATO重視などで、トランプの対ロ政策にブレーキをかけることになるでしょう。

 トランプが対ロ関係改善を模索する中で、西側に損害を与えることを最小化するように心掛けていく必要はあるでしょう。プーチンのロシアと米国を道徳的な面で同一視するなど、言語道断です。
 

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コメント
 
1. 2017年3月14日 17:41:00 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3777]

>プーチンのロシアと米国を道徳的な面で同一視するなど、言語道断

トランプ自身とは一致しているんだろうなw


2. 2017年3月14日 23:29:27 : imFRJxzci0 : sOKO0DzumIU[1]
糞投稿に糞コメントかw

[32初期非表示理由]:担当:言葉使い

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