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3月3日、ユーロ圏ではフランス、ギリシャ、イタリアで政治・金融情勢が不安定化し、いずれユーロの離脱、ひいては崩壊につながりかねないとの懸念も生じている。写真はユーロの記号。独フランクフルトで昨年1月撮影(2017年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
アングル:ユーロ崩壊ならどうする、6つの革新的ヘッジ戦略案
http://jp.reuters.com/article/euro-six-trade-ideas-idJPKBN16D0DD
2017年 03月 7日 08:36 JST
[ロンドン 3日 ロイター] - ユーロ圏ではフランス、ギリシャ、イタリアで政治・金融情勢が不安定化し、いずれユーロの離脱、ひいては崩壊につながりかねないとの懸念も生じている。現実味は薄いものの、投資家はまさかの事態に備え、創意工夫に富んだ取引戦略を編み出している。
フランスでは、大統領選に出馬する極右政党、国民戦線のルペン党首が、勝利すればフランスをユーロから離脱させると約束した。
ギリシャでは国際社会による救済を巡り危機への懸念が再燃。イタリアでも今後数年中に反ユーロ派の政治家が主導権を握る可能性がある。
しかし、危機時の伝統的な逃避資産であるドイツ国債とスイスフランは既に上昇しており、もっと革新的なヘッジ戦略が必要だ。そうした戦略案の6つを以下にまとめた。
(1)離脱国のインフレ連動債買い
ユーロから離脱した国は通貨切り下げが見込まれるため、インフレが起こりそうだ。このため、ある大手投資銀行のトレーダーはフランスなどの国のインフレ連動債を買うよう顧客に助言している。
(2)CACとCDS
大半のフランス国債は国の法律の管轄下にあるため、通貨がユーロから切り替わっても自動的にデフォルト(債務不履行)にはならない。それでも多くの投資家は、債券契約の詳細を注視している。
ABNアムロのストラテジストによると、条件変更に大多数の債権者の同意を義務付ける「集団行動条項(CAC)」の付いた債券が人気を集めている。2013年以降に発行されたユーロ圏の国債にはすべてCACが付随している。
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でも同様の動きが見られ、2014年以降に締結されたCDS契約の方が、ユーロ離脱の際に支払いを受け取れやすいと目されている。
(3)仏選挙前後のカレンダースプレッド
オプション市場ではフランス大統領選前の3、4月が期落ちのプットを売り、5、6月期落ちのプットを買う「カレンダースプレッド」取引が好まれている。
(4)ユーロとスイスフランのボラティリティ買い
為替トレーダーの間では、仏大統領選前後の急激な相場変動に備え、オプションを使ってユーロ/ドルやユーロ/スイスフランのインプライド・ボラティリティを買う戦略が好まれている。
(5)デンマーククローネの買い
為替トレーダーは、数少ない「トリプルA」格付け保有国であり、多額の国際収支黒字を抱えるデンマークの通貨クローネを、新たな逃避資産として買っている。
クローネが8カ月ぶりの高値に上昇したため、デンマーク中銀は先月、ユーロとのペッグ制を守るために昨年6月の英国民投票以降で最大規模の市場介入を余儀なくされた。
(6)銀行株のプット期先物買い
欧州は米国に比べ、与信に占める銀行融資の割合が大きいため、銀行の業績は景気循環と密接に結びついている。銀行株は大型で流動性も高く、経済全般の見通しを反映した取引の手段となっている。
世界的に株価が上昇してボラティリティが過去最低近くで推移しているため、オプションのコストは現在低く、銀行株のオプション期先物のプットを買っておけばユーロ崩壊のリスクヘッジになりそうだ。
(John Geddie、Jemima Kelly記者)
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