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EUはトランプ大統領の脅威にもっと真剣になれ 岡崎研究所(WEDGE)
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/480.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 02 日 14:04:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

EUはトランプ大統領の脅威にもっと真剣になれ
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8982
2017年3月2日 岡崎研究所 WEDGE Infinity


 1月30日付のフィナンシャル・タイムズ紙で、同紙コラムニストのウォルフガング・ミュンチャウは、トランプ大統領はEUを混乱させる危険があるので、EUはそれに対処すべきであると述べています。その要旨は、次の通りです。

 トランプ大統領がEUを破壊したいのかはわからないが、EUはこの脅威をもっと真剣に受け止める必要がある。

 EUにとって心配なのは、英米首脳会談の後に控える貿易交渉である。トランプは、英国とEUの間に不協和音の種を撒くために戦略的な対応をするだろう。

 それ故、Brexitに関するEUの強硬な発言振りは逆効果である。それは英国をトランプの懐に追い遣る。英国との開かれた関係を維持することはEUの利益である。英国にとっても欧州との公正な合意から得る利益は大きい。

 EUの結束にとって差し迫ったリスクは対ロシア制裁のトランプによる一方的な解除である。そうなれば、EU、ロシア、ウクライナの間のミンスク・プロセスが壊れる。その時点で、欧州の制裁は維持することが不可能となる。トランプによる制裁解除はドイツおよびEUにおいて対ロ外交を主導して来たメルケル首相の立場を損ないかねない。

 以上の脅威に鑑み、EUは次の4つの行動を検討すべきである。

1.NATOのGDP比2%の国防予算目標を達成する。多くのEU諸国は公正な負担をしていないという非難に弱みがある。フランス、ドイツ、もしかするとイタリアでの選挙を控えEUが共同の国防イニシアティブを打ち出す時期にはないが、国防予算の増額は出来る。
2.EUは早急に英国の離脱を完了させる。EUは加盟27ヶ国ではなくEUの承認で足る暫定的で範囲の狭い自由貿易協定を追求すべきである。ファストトラックのBrexitは双方の利益になる。もっと包括的な協定はその後で構わない。
3.中国との新たな経済関係を検討すべきである。トランプがTPPを放擲し、TTIPが絶望的な状況は新たな経済同盟への途を開く。
4.EUはユーロ圏を建て直す必要がある。選択肢は多くない。通貨同盟を維持するには政治同盟が必要であることを歴史が示している。

 EUは過去10年必要最小限のことしかやらず、その結果、哀れにも弱い存在でしかない。欧州はトランプに興奮することを止め、EUは何をなすべきかを検討すべきである。トランプの8年はいうに及ばず、その4年を場当たり的に切り抜けるというわけにはいかない。

出 典:Wolfgang Münchau ‘How Europe can avoid falling into Trump’s trap’(Financial Times, January 30, 2017)
https://www.ft.com/content/137cc610-e4b8-11e6-8405-9e5580d6e5fb

■EUはドイツの乗り物

 Brexitとトランプ大統領の登場について3つの論点が浮上しています。

 第一は、トランプのEUに対する侮蔑的態度です。どうやら、不動産取り引きでEUの規制に手古摺り嫌いになったということらしいです。「EUはドイツの乗り物であり、それ故英国が離脱することは賢明だ」「他にも離脱する国があると思う」「EUが米国にとって重要だとは思わない」などと1月16日の英ザ・タイムズ紙のインタビューで述べています。

 第二に、トランプはBrexit後の英国に非常口を用意してくれそうな気配ですが、これは罠になりかねないということです。トランプとメイの世界観は全く異なります。難民問題然り。自由貿易然り、EU観然り、対ロ政策然りです。EUを離れて自主性、主権を回復するといいますが、その挙句トランプという罠に落ちるのでしょうか。ボリス・ジョンソン外相はトランプを「気が触れている」と呼んだことがありますが、そのトランプとメイは、手をつないで歩く場合ではないということです。

 第三に、トランプはBrexit後の英国との自由貿易協定に前向きに見えますが、交渉は容易なものではないということです。牛肉、豚肉に対するEUの高関税、肥育ホルモン使用禁止、遺伝子組み換え作物の排除は米国の標的になるでしょう。他方、英国の主たる輸出利益はサービスに集中していますが、金融サービス分野の規制緩和を米国に呑ませることは至難のわざです。

 この論説は、トランプの登場にEUはどう対応すべきかという第一の問題を論じたものです。トランプがEUを潰せるとは思われません。英国とEUの間に不協和音の種を撒くために英国との自由貿易協定を利用するであろうという観測はにわかに首肯し難いです。トランプにそこまでのEUに対する定見があるようには思えません。ザ・タイムズ紙のインタビューから読み取れることは単に嫌いだということです。しかし、例えば対ロ制裁解除について論説が書いているように、トランプの行動によってEUが掻き回される危険があることはその通りではないかと思います。

 筆者が勧告する4つの行動のうち、暫定的で範囲の狭い協定でBrexitを取り敢えず収拾するというアイデアが現実的か疑問ですが、英国をトランプ側に不必要に追い遣らない配慮は27カ国がして然るべきでしょう。ギリシャ問題を早く片付けることも必要でしょう。中国との経済同盟は感心しませんが、議論の細部はともかく、筆者が全体としていわんとすることは、EUはその態勢を整え、トランプにかき回されないよう努めるべしということであり、それは有用な問題提起ではないかと思います。
 

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コメント
 
1. 2017年3月02日 14:47:26 : GvSk1xJskE : hl85Ls69ME8[7]
この岡崎研究所の考え=森友学園籠池一族の考え。である。

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