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金正男暗殺は外交官が暗躍 北朝鮮は国民全員が「工作員」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/200227
2017年2月25日 日刊ゲンダイ
独裁体制の金正恩(左)と北朝鮮外交官の関与を明言したマレーシア警察長官(C)
金正男暗殺は北朝鮮の国家ぐるみの犯罪だったようだ。マレーシア警察は、23日までに北朝鮮大使館の職員らが事件を画策した主導的人物だと公表。不逮捕特権のある外交官を暗殺者に仕立てる北朝鮮の何でもありの一面が改めて浮き彫りとなった。
マレーシア警察が重要参考人として出頭を求めているのは、北朝鮮大使館のヒョン・クァンソン2等書記官(44)と国営高麗航空のキム・ウギル職員(37)。カリド警察長官は「(出頭しなければ)逮捕状を取る」としているが、2人は北朝鮮大使館にこもったまま。いわゆる「ウィーン条約」は、外国の大使館や領事館に治外法権を認めている。しかも外交官には不逮捕特権もあり、現実的に逮捕するのは難しそうだ。
それにしても、外交官が暗殺計画で暗躍していたことに、世界中が驚愕したのではないか。
元韓国国防省北朝鮮情報分析官で拓殖大客員研究員の高永侮≠ェ言う。
「北朝鮮には国家保衛省、組織指導部、偵察総局などの諜報機関がありますが、所属組織と関係なく工作員は『ホワイトメンバー』と『ブラックメンバー』に分けられます。ホワイトメンバーは公務員など国から公的な肩書を与えられた工作員のこと。特に不逮捕特権がある外交官の身分は工作員にとって便利。北朝鮮の外交官の1〜2割が工作員といわれています。恐らく、暗殺を主導した2等書記官はホワイトメンバーだったのでしょう」
■ハニートラップを仕掛ける“喜び組美女”
ブラックメンバーはビジネスマンなどを装いスパイ活動をするという。
「今回の事件では、高麗航空職員の関与が疑われています。犯行グループに加わり逮捕された薬学の専門家もマレーシアの研究所に勤務していました。ブラックメンバーの工作員は、周囲に怪しまれず現地に溶け込みやすい商社マン、研究者などに成りすますことが多い。また北朝鮮は外貨稼ぎのため中国や東南アジアでレストランを展開しています。ウエートレスやコックにブラックメンバーが混在しているのは間違いない。いわゆる“喜び組”の中には現地政府高官らと肉体関係を結んでハニートラップを仕掛ける美人工作員もいるようです」(高永侮=j
一方、デイリーNK東京支局長の高英起氏は、「金正恩が独裁体制を敷く北朝鮮では、国民全員が工作員としてミッションに協力させられている可能性がある。本物の工作員との違いはスパイとして専門教育を受けたかどうかくらいの差しかありません」
国中が工作員だらけの北朝鮮。命を狙われ続けてきた金正男は気が休まる瞬間がなかったに違いない。
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