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【ワシントン時事】トランプ米大統領が就任して、20日で1カ月。
公約実行に次々と着手し、本人は「よく整備された機械のように動いている」と自賛するが、深刻な混乱や失態も続発。政権は「信じられない混迷」(ニューヨーク・タイムズ紙)の中で船出している。
「われわれが極めて短期間に成し遂げたことを皆さんも見ただろう。ホワイトハウスはとても順調だ」。18日、フロリダ州での集会で演説したトランプ氏は、大勢の聴衆を前に胸を張った。
トランプ氏は就任早々、大統領権限を駆使して環太平洋連携協定(TPP)離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉、医療保険制度改革法(オバマケア)見直しなどを矢継ぎ早に指示した。
しかし、イスラム圏7カ国国民の入国を一時禁止する1月27日の大統領令は、空港で多数が身柄を一時拘束されるなど大混乱を招き、連邦地裁が一時差し止めを命じた。ロイター通信によれば、政府は21日にも、入国禁止の対象者を明確にするなど手直しを加えた上で、改めて大統領令を出す。
混乱に拍車を掛けているのが、相次ぐ側近の失態だ。フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は、就任前に駐米ロシア大使と対ロ制裁について話し合っていたことが問題視され辞任。コンウェー大統領顧問は、トランプ氏の長女が手掛けるファッションブランドの商品購入をテレビで呼び掛け、政府倫理局が懲戒処分を勧告した。
労働長官候補が指名を辞退するなど、政権の陣容構築も遅れている。ワシントン・ポスト紙のまとめでは、上院で承認が必要な549ポストのうち、18日までに承認されたのはわずか14人。混迷ぶりを伝えるメディアを、トランプ氏は「フェイク(偽の)ニュース」「私の敵ではなく、米国人の敵だ」などと攻撃して開き直っている。
訪米した安倍晋三首相と親密な関係を築くなど「安全運転」を心掛けているかに見える外交でも、失策が出ている。メキシコのペニャニエト大統領との首脳会談は、国境への壁建設をめぐる対立で中止。オーストラリアのターンブル首相との電話会談では、オバマ前政権が豪政府と合意した難民の米国移送に「最悪の取引だ」と難癖をつけ、険悪な雰囲気に陥った。
トランプ氏は選挙戦で同盟を軽視するかのような発言を繰り返し、日本や欧州では懸念が広がった。日英との首脳会談でそれぞれ結束の維持を確認したが、本格的な外交活動はこれから。まず5月にイタリアで開かれる先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)などの場で、欧州大陸諸国首脳と良好な関係を築けるかも今後の焦点となりそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170219-00000038-jij-n_ame
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