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【オピニオン】トランプ流「衝撃と畏怖」作戦の行方
あまりに多くの反トランプ勢力が生まれつつある
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「衝撃と畏怖」作戦の下、米国がバグダット空爆で始めたイラク戦争(2003年3月20日)
By DANIEL HENNINGER
2017 年 2 月 3 日 15:18 JST
――筆者のダニエル・ヘニンガーはWSJ論説室の副委員長
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「衝撃と畏怖(いふ)」は米国の軍事作戦名から来ている言葉だが、ドナルド・トランプ大統領の支持者は過去2週間の大統領令発令のペースを表すのに使っている。
2003年のイラク侵攻と関連づけられることが多いこの言葉は、敵が「われわれの戦略方針と戦ったり、それに対応したりする」意欲をくじくことを目標に、「急速に優位性を得る原則」を表す。
その理論は「政治的行動に出て、世界をそれに合わせさせる」というトランプ氏の戦略モデルに適している。
ホワイトハウスは、国境の壁であれ移民禁止であれ、トランプ氏が選挙公約を直ちに実行に移すことが重要だと考えた。問題や反対意見には、後で詳細を詰める過程で対処できると踏んだのだ。
これまでのところ、一連の大統領令というホワイトハウス発の衝撃と畏怖作戦が主にもたらしたのは民衆蜂起だが、それは町中の話にとどまっていない。
確かに政治制度、特に官僚制度については、異議を唱え、改革する必要がある。トランプ政権が入国制限について通常の省庁間の手続きを通さなかった理由の一つは、省庁の弁護士が骨抜きや撤回に持ち込みかねないと考えたからだろう。経験からするとその考えは正しい。今回はトランプ氏の作ったひな型に沿って命令が実行されることになる。
だが対メキシコ政策、そしてイスラム教徒の多い7カ国からの入国禁止を命じる大統領令が呼び起こした波紋は、戦争の原則を政治に適用したときの不利益を物語っている。
増え始めた反トランプ勢力
広く知られる政治行動の法則によると、米大統領が政治行動に出るたびに他の重要な政治勢力が動きだす。
組織だった抗議活動をはじめ、党派心に基づいてトランプ氏に反対する勢力は既に一触即発の状態にあった。だがそれとは全く異なる勢力が、移民や難民の制限を命じる大統領令の余波を受けて反トランプに転じる例が増えすぎている可能性がある。
行動が全てのトランプ政権は、何についても限度すれすれに挑む決意のようだ。それは構わない。ただし、限度を超えてしまっては元も子もない。複数の連邦判事に大統領令の法的根拠の不備を指摘されたのがそれに当たる。
はっきりしておきたいのだが、入国審査のメリットに関するトランプ氏の見解が正しいかどうかはここでは関係ない。バラク・オバマ前大統領は反テロ対策としてアラブ諸国に査証制限を2度課している。問題は政治の冷酷さだ。今回の発令のお粗末さとその余波を受けて反トランプに動く政治勢力があまりに拡大し、ホワイトハウスや共和党がトランプ氏の就任100日目までに(そしてその後も)制御しきれなくなるのだろうか。
2016年の大統領選を含め、全ての政争は数で勝敗が決まる。現在、共和党が将来の施策に成功する確率は2週間前より低くなっているようだ。こうした状況を受けて政権の政治的資本がすり減り、例えば成長志向の減税の実現が危うくなれば、トランプ大統領は秋には窮地に陥るだろう。
民主党やメディアなど、トランプ氏に反対する勢力は確かに予想しやすいかもしれない。だがトランプ政権は査証について中途半端な命令を出して、敵に回す必要のない人まで政治的な議論に巻き込んだ。
ジョンソン元大統領も制御できなかった
例えば、IT業界全体や他の多くの経営者と従業員だ。共和党議員と主要な議会スタッフ、国内の多くの大学や研究者、迷っているトランプ派有権者、外国の首脳(テリーザ・メイ英首相、アンゲラ・メルケル独首相、メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領など)もしかり。次官級のポストを提示されていた人たちもそうだ。ブルックリンの連邦地裁で準備ができなかった政府側の弁護士が恥をかかされたのを見て、提示の受け入れを考え直しているのだから。
こうした不満勢力も一つだけなら、影響を最小限に抑えることはできる。だが不満のネットワークが形成され拡大するのを放置すれば、トランプ政権の目標が遠ざかりかねない。
大統領就任式前は身動きが取れなかった民主党は、新たなエネルギーを得た。常に無料の宣伝に依存する資金集めや組織作りは、18年の中間選挙に向けて動き出している。
トランプ氏は就任したばかりだ。この嵐は通り過ぎるかもしれない。だが誰よりも手際の良い政治家だったリンドン・ジョンソン元大統領も、1960年代に反戦の動きが一つの運動として形になった時、制御できずに政権は行き詰まった。現在の政権は、ソーシャルメディアから絶えず油を注がれている反トランプ感情がトランプ氏支持者に対抗したり支持を弱めたりすることを避けたいはずだ。
ホワイトハウスは、正しいことをすれば勝つと主張するかもしれない。しかし、力関係が自らに有利であることを確認したほうがいい。墓地には自分の考えが正しいと信じながら制圧された将軍たちが数多く眠っている。
トランプ大統領特集
【社説】入国禁止令への抗議、トランプ政権に大打撃も
入国禁止令に見るトランプ素人劇
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjOzOi3nfTRAhWKi7wKHZ23BvwQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582598422880257532&usg=AFQjCNE1yMeWtPP48Om8pkMGm_KSsZ-rXg
中国、「青天のへきれき」が試す成長の方程式
中国にとってはトランプ氏の米大統領就任同様、製造業の失速も青天のへきれきだ(写真は北京を覆う灰色の雲、2016年12月撮影)
By NATHANIEL TAPLIN
2017 年 2 月 3 日 22:01 JST
中国人の好む格言の1つに「青天のへきれき」がある。ドナルド・トランプ氏の予想外の米大統領選勝利がまさにそうだったが、3日明らかになった中国の製造業景況指数(PMI)も同じだ。
中国の経済メディア「財新」と調査会社マークイットが発表した1月の中国製造業PMI(確報値)は1年半ぶりの大幅低下を示した。工業部門の企業利益や鉄鋼生産など最近の経済指標と同様、記録的な刺激策が実施された2016年が終わって製造業が予想以上に減速したことを示す統計だ。都合の悪いことに、中国人民銀行(中央銀行)がより本格的な金融政策引き締めモードに入ったのと時を同じくしている。
人民銀はそうした刺激策、つまり景気減速に苦しむ工業企業による巨額の社債発行や銀行間債券市場のレバレッジ増加などの副作用に不満を強めている様子だ。春節(旧正月)の連休前に長期借入金利を引き上げ、3日には銀行間市場の指標金利も引き上げた。
これを手掛かりに3日の中国国債市場では売りが強まり、10年物の利回りは2015年8月以来の高水準を付けた。実体経済の活動が弱まる中での借り入れコストの上昇は、望ましい組み合わせとは言えない。昨年の融資急増からこれほど早くであればなおさらだ。
春節前後の季節要因がPMI低下の一因になった可能性もあるが、中国の伝統的刺激策である信用拡大の効果が薄れ、景気サイクルが短くなっている、というのが全体像だ。
PMIは全て悪かったわけではない。新規輸出受注は2014年9月以来の伸びを記録し、ここ数カ月中国がほとんど恩恵を受けることのできなかった世界貿易の回復をあらためて浮き彫りにした。
輸出の急拡大は製造業の支援材料になり得る。だが中国の輸出先として最も好調だったのがまさに、最も都合の悪い相手である米国だ。今月発表となる1月の輸出統計でもこのパターンが続いたことが明らかになれば、米国は不満の声を強めるだろう。トランプ氏は都合よく影響力を発揮できる機会を見逃すような人ではない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwju2cW0mPTRAhVIEbwKHS7YAP8QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582599193089655310&usg=AFQjCNF49mLuB0jGcCCimaU8CfITXQbEfA
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