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手段を選ばない“オレ流”と“お任せ”の使い分け 暴走するトランプ政治の読み方
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/198474
2017年1月28日 日刊ゲンダイ
サイン攻めの人気(C)AP
米国大統領ドナルド・トランプ(70)は就任1週間で、隣国メキシコに喧嘩をしかけた。一歩も譲る気配はない。
しかしトランプの得意分野でないところでは、妥協する姿勢も見せている。そこに「オレ流」が見てとれる。
まずトランプは、選挙中からの公約の目玉だった国境の壁建設を、大統領令でスタートさせた。今後、連邦議会で予算の承認が必要になるが、メキシコ政府に建設費を支払わせると断言。憤ったペニャニエト大統領は、31日に予定されていたトランプとの会談を中止。2国関係はすでにバトルへと突入している。しかも米スパイサー報道官は26日、メキシコが支払わないのなら、輸入品に20%の関税を課すと発言して事態をさらに悪化させた。
これは何を意味するのか。トランプは、こだわりを持つ案件では一切妥協しないということだ。根底にはメキシコに対する約600億ドルの貿易赤字がある。赤字を解消させることがトランプの最終目標であり、壁の建設費はメキシコ政府が支払って当然とのもくろみがある。貿易分野でメキシコに勝つことが最終目的なのだ。目的を達成するためには手段を選ばないのが「オレ流」である。
■日米貿易問題では“オレ流”で臨むか
しかし安全保障や外交は素人である。たとえば、テロ容疑者に対する水責めについては肯定的な発言をしているが、最終的な判断は中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ長官(53)やジェームズ・マティス国防長官(66)に任せると、最近発言したばかりだ。
トランプ政権移行チームのトム・バラック委員長は2日前、「トランプは側近の意見によく耳を傾けている。ただ決断する時は直感に頼っている」と述べている。得意分野では自分で物事を決めるが、知識が少なく、不得手な分野では側近や長官たちに頼らざるを得ないということだ。
となると、2月3日に予定されている日米防衛相会談では、安全保障条約の重要性を両国が認める従来型の内容に落ち着きそうだ。トランプは昨春、日本が米軍駐留経費を全額支払わない時には撤退もあると発言したが、過去数カ月、同件では沈黙したまま。トランプが全幅の信頼を置くマティス長官は従来どおりの日米同盟関係を望んでおり、メキシコとは様子が違う。
だが貿易問題でトランプは日本に厳しい姿勢で臨んでくるはずだ。日米自由貿易協定(FTA)の交渉に入った場合、日本は「オレ流」に負けない戦略を練る必要がある。
堀田佳男 ジャーナリスト
1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社などを経て1990年に独立。以来、ワシントンDCを拠点に政治、経済、社会問題など幅広い分野で取材・執筆。25年間の滞米生活を経て2007年帰国。国内外で精力的にジャーナリスト活動を続ける。著書に「大統領はカネで買えるか」「大統領のつくりかた」「エイズ治療薬を発見した男 満屋裕明」など。
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