http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/440.html
Tweet |
トランプ氏は演説で「殺戮(さつりく)」という言葉を用いて、米国内が悲惨な状況に陥っていると主張した。選挙期間中に支持を獲得してきた発言と重なるが、米メディアからは「誇張」や「誤認」の指摘も出ている。
ニューヨーク・タイムズは複数の記者が演説内容を分析。「殺戮」という表現については犯罪率が長期低下の傾向にあり、「米国はこの何世代かで最も安全」と指摘。「何十年もの間、私たちは米国の産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきました」のくだりは「米大企業は、グローバリゼーションから多大な利益を得てきた。苦しんできたのは労働者だ」と述べた。
一方、「ワシントンは栄えましたが、国民はその富を共有しませんでした」という部分は、米国の多くが経済的に停滞するなか、首都周辺は最も繁栄している場所の一つであり、「文字通り正しい」とした。
ワシントン・ポストは「一般的には就任演説にはそぐわないが、トランプ氏の演説は独特なため」と前書きして「ファクトチェック(事実確認)」を掲載。「自国の軍隊の悲しむべき疲弊」の発言は、米軍が世界最強であることは疑いがなく「過度の誇張だ」とし、「他国の軍を援助してきました」との部分は国防予算(5千億ドル超)に比べれば、海外の米軍基地の維持費は「わずか」とした。
AP通信も「私たちの国の富、強さ、自信が地平線のかなたに消えていった」との主張について、失業率が4・7%(昨年12月)に下がっているなどのデータを示し、「米経済は、より健全」とした。ただ、「さび付いた工場群が、まるで墓石のように」広がるという描写は「中国やメキシコとの競争で工場を失った地域では、真実として響く」とも指摘。失業率低下の背景には、仕事を探すことすらやめてしまっている人たちがいる状況も踏まえた。
(玉川透、ワシントン=中井大助)
■「トランプ節」起草に31歳スピーチライター
大統領の就任演説は、任期を象徴する重要なメッセージだ。トランプ氏も、自身の言葉であることを強調し、ノートとペンを持って机に向かっている写真をツイッターで発信していた。
ただ、米メディアによると側近も起草に関わっており、中心となったのはこれまでスピーチライターとして活躍してきたスティーブン・ミラー氏(31)。即興で話すことを好むトランプ氏の「声」を最も上手に草稿で表現する側近として信頼されている。ミラー氏は学生時代から保守コメンテーターとして名を上げていた。次期司法長官に任命されたセッションズ上院議員のスタッフとして7年間勤務した。トランプ氏が昨年7月に共和党大会で行った演説も、ミラー氏が作成の中心だったという。「忘れられた人たち」に向けた「私はあなたたちの声になる」という訴えは、当選の原動力の一つにもなった。
(ワシントン=中井大助)
1月22日 朝刊
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。