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米ニューヨークで記者会見するドナルド・トランプ次期米大統領(2017年1月11日撮影)。(c)AFP/Timothy A. CLARY
「トランプvsメディア戦争」の幕開け──報復と屈服か、ジャーナリスト魂の覚醒か
http://www.afpbb.com/articles/-/3114815
2017年01月20日 15:58 発信地:ワシントンD.C./米国
【1月20日 AFP】米大統領選期間の大半を通じて対立してきた米国の主流メディアとドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領は、泥沼の長期戦を見込んだ臨戦態勢に入ったようだ。
大統領就任式を数日後に控えたトランプ氏は、米FOXニュース(Fox News)に対し「不正直なメディアに対抗する唯一の手段」としてホワイトハウス(White House)に入った後もツイッター(Twitter)で持論を発信していくと語った。
歴代大統領の中でメディアとの関係をこじらせた大統領は多いが、トランプ氏の場合はメッセージの根幹にメディアに対する悪意があることから、在任期間中の波乱が予想される。トランプ政権はメディアと世論形成を争う中で、政権に批判的な報道機関を脅して服従させようとするのではないかと、ジャーナリストやメディア専門家らはみている。
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のメディアコラムニスト、マーガレット・サリバン(Margaret Sullivan)氏は「地獄」の幕開けを予測する。トランプ氏は「ジャーナリストとして当然の仕事をしている記者たちを罰し」、トランプ政権によって多くのジャーナリストが捜査や告訴の対象とされるのではないかと懸念する。
■「おまえたちは偽ニュースだ」
トランプ氏が18日にツイッター上で攻撃の標的としたのは、米NBCニュース(NBC News)だった。
NBCは、米自動車大手のフォード・モーター(Ford Motor)やゼネラル・モーターズ(GM)、米防衛大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)などが相次いで雇用創出を発表しているが、それは国内の雇用拡大を公約に掲げるトランプ氏の功績ではないと報じた。トランプ氏はこれに対し「完全な偏向報道だ」とツイートした。
トランプ氏は当選後初めてで就任前唯一となった11日の記者会見でも、同氏にとって不都合な情報をロシアが入手したとする未確認情報を公開したニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」を「できそこないのごみの山」と呼んで激しく批判し、報復を示唆した。
この日の会見では、同じ文書について内容の詳細は伏せたまま報じた米CNNテレビにも敵意をむき出しにし、同局の記者の質問に答えず、「おまえたちは偽ニュースだ」と非難した。
米首都ワシントン(Washington D.C.)にあるナショナル・プレスクラブ(National Press Club)のトーマス・バー(Thomas Burr)前会長は、トランプ氏が自分の気に入らない報道を「虚偽ニュース」呼ばわりすることについて、人々の間に「ジャーナリストを軽視する危険な感情を誘発しかねない」として警鐘を鳴らす。
■予想されるメディア対応の転換
バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は18日に行った任期最後の会見で、自由で闘う姿勢をもったメディアへの支持を表明し、集まった報道陣にこう述べた。「ジャーナリストとは、へつらうものではなく疑うものだ。あなたがたがこの建物(ホワイトハウス)にいたおかげで、ここはより良い職場となった。それゆえ我々(オバマ政権)は公正さを保ち、いっそう仕事に励むことができた」
だが、トランプ氏の政権移行チームはすでに歴代政権とは異なるメディア対応を行っていくことを示唆している。報道陣を遠ざけるためにホワイトハウス西棟内にある記者会見場の移設を検討したり、報道官による毎日の定例会見をやめる可能性にまで触れている。
米メリーランド大学(University of Maryland)ジャーナリズム学部のルーシー・ダルグリッシュ(Lucy Dalglish)学部長は、トランプ氏がCNNなどをこき下ろした11日の記者会見に驚きはしなかったという。同氏は「あれが彼のスタイルであり、私たちはあのような会見をこれからもっと見ることになるだろう」と警告。そうした「劇場型」の会見によって、メディアと国民の目がもっと重要な政策論議からそらされてしまう危険性を指摘する。
■トランプ政権のワシントンは「戦場」
一方、トランプ政権のメディアに対する敵意が、プラスの副作用をもたらすかもしれないという考えもある。権力の監視役というメディアの使命感が強まるという見方だ。
「真の意味で、足で稼ぐジャーナリズムが求められるようになるだろう」と、米シラキュース大学(Syracuse University)ジャーナリズム学部のジョエル・カプラン(Joel Kaplan)副学部長はいう。
政治ニュースサイト「ポリティコ(Politico)」に執筆するジャーナリスト、ジャック・シェーファー(Jack Shafer)氏は「メディアはトランプ政権のワシントンを戦場だと思って取材すべきだ」という。「そこは紛争が次の紛争を呼び、霧に覆われて当事者から信頼できる情報を直接仕入れることができなくなり、任務が命がけとなる場所だ」
トランプ氏が「メディアを侮辱すればするほど、多くの有権者の価値観における記者の地位は高まるだろう」とシェーファー氏はいう。「トランプ氏は彼なりのやり方で、私たちを解き放ってくれたのだ」(c)AFP/Rob Lever
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