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黒い波 〜津波の新たな脅威とは
人々が証言する「黒い波」「黒い、恐ろしいものが押し寄せてきた」「想像できないほど黒い水だった」
2011年3月11日。東日本大震災の経験者は、「黒い波」という言葉で、あの日の津波を表現する人が目立ちました。
なぜ、あれほど黒かったのか。
そして、黒くなることで、どのような影響があったのか。震災発生からまもなく8年。
私たちは取材チームを立ち上げ、検証を始めました。
最新シミュレーションで「黒い波」に迫る
津波の深刻な被害を受けた宮城県気仙沼市は、住宅の半数近くが被災し、1400人以上が犠牲になりました。
なぜここまで被害が拡大したのか。
東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授たちのグループは、スーパーコンピューターを使った最新のシミュレーション技術で検証しました。
すると、湾の狭くなった部分に津波の猛烈な流れが集中し、海底の土砂を掘り下げていたことが分かりました。
シミュレーションでは、その深さはおよそ6メートル。
湾の入り口が掘り下げられたことで、津波の巨大な通り道ができていたのです。
この結果、津波は海底の土砂を巻き込みながら陸地の奥まで押し寄せ、被害を拡大させていました。
「これまでは津波は海から来る水だと考えられていたが、実際は黒い水だった。その結果、被害は拡大していた」(今村文彦教授)
「黒い波」は燃料タンク流出にも影響か
勢いを増した気仙沼市の「黒い波」は、沿岸に設置されていた燃料タンクの流出にも影響を及ぼしたと見られています。気仙沼市では23基あるタンクのうち22基が流出。海底の土砂が掘り下げられたことで、湾の狭くなった部分に流れが一気に集中。
それに引っ張られるように津波は速度をあげ、タンクを引き倒していったと見られます。
タンクから漏れ出した油は1万キロリットルあまり。引火したことにより、気仙沼の街は火に包まれてしまいました。
人体への影響も深刻な「黒い波」
海底の土砂や、油などの化学物質が混ざった「黒い波」がひとたび人体に入り込むと、命を脅かす深刻な状況をもたらすことも分かってきました。
石巻赤十字病院には、津波に含まれた砂や泥などを吸い込んでしまった患者が相次ぎました。
これらの物質は肺の奥まで入り込み、「津波肺」と呼ばれる重い肺炎を引き起こしていたのです。せっかく津波から助かったにも関わらず、命を落とす人も出たのです。
これ以外にも空気中に舞った土ぼこりで健康に影響が出たり、漂流物にぶつかった後遺症が残ったりしたことへの影響を指摘する人もいます。
「黒い波」の情報を募集します
「黒い波」となることで威力はどれくらい増していたのか。
どのような健康被害をもたらしたのか。
NHKは皆さんからの情報をもとに、津波や医療の専門家と協力しながら、「黒い波」についてさらに掘り下げて取材していきます。
東日本大震災の時に撮影した「黒い波」の動画や写真。「黒い波」に巻き込まれた人の体験談。
「黒い波」により健康被害を受けた人の証言。
そのほか「黒い波」に関してお気づきの点など何でも結構です。
皆さんと一緒に、次の巨大災害に備える番組を作っていきたいと考えています。
情報をお待ちしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/shinsai8portal/kuroinami/
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