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本白根山が想定外の噴火 これが“要警戒”8つの活火山だ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/221820
2018年1月25日 日刊ゲンダイ ※タイトルは紙面による
本白根山の噴煙(スキー客が撮影)と山頂から救助されたスキー客/(C)共同通信社
すべての活火山に注意が必要だ。23日午前10時ごろ、群馬県と長野県の県境にある草津白根山の本白根山(2171メートル)が噴火。近くのスキー場で訓練中だった自衛隊員1人が噴石に当たり死亡したほか、隊員やスキー客11人が負傷した。約80人が山頂付近に取り残されたものの、昨夜、全員救出された。スキー場に設置されたカメラには、黒煙とともに、黒い噴石が次々と落下し、雪が舞い上がる中、逃げ惑うスキー客らの姿が写っていた。
気象庁は噴火発生から約2時間後、草津白根山の噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き上げたが、事前の注意喚起や噴火速報もできなかった。今回の噴火は全くの想定外だったという。
2014年に火山性地震が増加するなどしたため、気象庁は草津白根山の警戒レベルを最も低い1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げた。ところが、その後、火山活動がおさまったため、昨年6月にレベル1に戻していた。
そんな中でなぜ、今回の噴火は起きたのか。
「『草津白根山』といっても、14年にレベル2に上げるなど警戒していたのは、白根山の湯釜です。今回噴火が起きたのは2キロ離れた本白根山の鏡池。鏡池付近での活動は確認されていなかったので、警戒していませんでした。監視カメラも置いていません」(気象庁・火山課)
つまり、今回の噴火は全く「ノーマーク」だったのだ。地震・火山研究に詳しい武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏(地球物理学)はこう言う。「今回はまったく想定していないところで噴火が起こりました。火山学の限界と言っていいでしょう。噴火はどこから、いつ起きてもおかしくないと考えるべきです」
■微動、膨張の兆候あり
“意外な噴火”はこれまでにも起きている。1707年の富士山の噴火は火口ではなく、山腹から噴火した。2014年9月に58人の死者が出た御嶽山噴火でも、1週間前に兆候があったものの、いったん落ち着きを見せた後、突然噴火している。
現在、気象庁は警戒レベル2以上に、霧島山(新燃岳)や桜島など10の火山を指定しているが、今後は日本国内で確認されている111の活火山すべてに警戒が必要になるかもしれない。とりわけ要注意の火山はどこか。
「2011年の東日本大震災以降、太平洋プレートと北米プレートの摩擦が強まり、このためプレートが溶けてマグマが生産され、関東から北海道にかけての火山が活発になっている。火山性の微動が起きていたり、マグマの熱から生じるガスや水蒸気で山全体が膨らんでいる火山は要注意です」(立命館大・環太平洋文明研究センターの高橋学教授=災害リスクマネジメント)
高橋教授が挙げた要注意の火山が別表だ。気象庁の警戒レベル1も少なくない。いつ噴火が起きてもおかしくないという前提で行動した方がいいだろう。
【暮らし】23日に噴火した本白根山は警戒レベルは最も低い1でした。「噴火はどこから、いつ起きてもおかしくないと考えるべき」と専門家も話します。 https://t.co/FBaGtXaAp4 #日刊ゲンダイDIGITAL
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2018年1月24日
【気象庁もビックリ想定外の本白根山噴火】これが要警戒8つの活火山だ 微動。膨張の兆候あり 現在、気象庁は警戒レベル2以上に、霧島山(新燃岳)や桜島など10の火山を指定しているが、今後は日本国内で確認されている111の活火山すべてに警戒が必要になるかもしれない(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/Gu36S2uClv
— KK (@Trapelus) 2018年1月24日
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