24です。 >ご返事を書いていたのですが、大変に長くなってしまいそうなので、別の記事にして投稿をさせていただきます。 と書いたのですが、なかなか完成しないので、今書けている分だけ、こちらにコメントとして投稿します。 *********** >>23 >つまり、 >千島海溝付近での地震活発化や伊豆・小笠原海溝付近でのM7クラスの地震 >がなければ、関東地方で海溝型の大地震はやってこないということですね? そうです。 そして、重要な点は、既に「千島海溝付近での地震活発化や伊豆・小笠原海溝付近でのM7クラスの地震」は発生しているし、現在も起こり続けているということです。 ごく簡単な実例は2015年5月30日の小笠原諸島西方沖M8地震です。 https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20150530202422.html 発生時刻 2015年5月30日 20時23分ごろ 震源地 小笠原諸島西方沖 緯度 北緯27.9度 経度 東経140.8度 深さ 590km マグニチュード 8.5 情報 この地震による津波の心配はありません。 震度5強 東京都 小笠原村 神奈川県 二宮町 太平洋プレートは大きなプレートです。大まかに一辺が10000キロ程度ある四角形と考えて、日本付近では日本海溝(東日本のハワイ側沖合にある800キロ程度の海溝)からほぼ西向きに沈み込んでいます。かなり固い岩盤ですから、一か所が動いたり止まったりすると、その周辺もその動きに影響を受けて沈み込み速度が変化します。 よって、どこで日本海溝からの沈み込みが変動しているかを見れば、おおよその見込みがたつのです。 東日本の震央分布図(過去100日間) http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/?area_type=japan_east&recent_type=100days を見ると、東日本の太平洋側で地震が起こっている箇所は主に3か所です。北から、宮城県の牡鹿半島沖、福島県と茨城県の県境付近、そして、千葉県の銚子(犬吠埼)沖です。銚子(犬吠埼)沖を除いて、北側の二地域は黄色のドット、つまり、60キロから90キロ程度の震源深さの地震であり、太平洋プレートと陸のプレートとの間や太平洋プレート内の地震です。 こういった沈み込み帯で起こる地震は二つの原因で地震が起こるとされています。 一つは、より浅い所にある海のプレートからの押す力。もう一つは、より沈み込んでいる部分がより一層沈み込もうとすることからの引く力です。 ここで、311大地震前は600年程度以上、日本海溝から東日本の陸域の地下への沈み込みが無かったという指摘がされていることを考慮すると、引く力がほとんど働いていないと推定できるのです。つまり、311大地震前に、東日本の陸域の地下にあった太平洋プレートのかなりの部分はより深い所へ沈み込んでしまい、東日本の地下にはごく薄くやせ細った太平洋プレートしか残っていないからです。沈み込もうとする力はその沈み込む質量に比例して大きくなりますから、質量が減少しているため、沈み込みの力が小さいわけです。 このことが直接分かるデータがあります。 EMSC(ヨーロッパ地中海地震学センター) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91%E5%9C%B0%E4%B8%AD%E6%B5%B7%E5%9C%B0%E9%9C%87%E5%AD%A6%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC の震源マップをご覧ください。EMSCでは、ヨーロッパだけでなく、地球全体の原則としてM4以上地震をモニターしています。 宮城県の牡鹿半島沖は311大地震で50mも太平洋プレートと陸のプレートの境界面が滑ったところです。 EMSCというサイトに1960年または1964年から対象の地震発生までのその地域一帯の過去の震源マップが載っています。それを見ると、311大地震以前、宮城県の牡鹿半島付近からの太平洋プレートの沈み込みが相当長期間抑制されてきたことが分かります。 https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20171111013830.html 発生時刻 2017年11月11日 1時38分ごろ 震源地 宮城県沖 緯度 北緯38.4度 経度 東経141.9度 深さ 60km マグニチュード 4.9 震度4 宮城県 塩竈市 上の地震のEMSCでのデータが次のものです。発生日時(local time)で同一地震であることが分かります。 https://www.emsc-csem.org/Earthquake/earthquake.php?id=629309#summary Magnitude mb 5.0 Region NEAR EAST COAST OF HONSHU, JAPAN Date time 2017-11-10 16:38:20.4 UTC Location 38.41 N ; 141.90 E Depth 60 km Distances 91 km E of Sendai-shi, Japan / pop: 1,038,000 / local time: 01:38:20.4 2017-11-11 52 km E of Ishinomaki, Japan / pop: 118,000 / local time: 01:38:20.4 2017-11-11 この地震の震源周囲の1960年以降の震源マップが次のものです。 https://static3.emsc.eu/Images/EVID/62/629/629309/629309.wide.seismicity.jpg このマップは1960年から2017年11月10日までのM3以上の地震データで描かれています。 これを311大地震前のものと比較することが出来ます。 https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20110309114500.html 発生時刻 2011年3月9日 11時45分ごろ 震源地 三陸沖(青森県三八上北の東160km) 緯度 北緯38.3度 経度 東経143.3度 深さ 10km マグニチュード 7.2 震度5弱 宮城県 登米市 栗原市 宮城美里町 上の地震のEMSCのデータが次のものです。 https://www.emsc-csem.org/Earthquake/earthquake.php?id=211185#summary Magnitude Mw 7.2 Region NEAR EAST COAST OF HONSHU, JAPAN Date time 2011-03-09 02:45:17.0 UTC Location 38.52 N ; 142.81 E Depth 9 km Distances 172 km E of Sendai-shi, Japan / pop: 1,038,000 / local time: 11:45:17.0 2011-03-09 113 km SE of ?funato, Japan / pop: 35,500 / local time: 11:45:17.0 2011-03-09 この2011年3月9日の地震の震源マップが次のものです。 https://static1.emsc.eu/Images/EVID/21/211/211185/211185.wide.seismicity.jpg こちらは1964年以降から2011年3月9日までのM3以上の地震データでドットが描かれています。宮城県牡鹿半島の位置がマップからは見えませんが、中央の星形がM7地震の震源ですから、この緯度が牡鹿半島の緯度とほぼ同じです。 二つのマップで縮尺が異なるため、比較に注意が必要です。 二つのマップを比較して、2011年3月9日のマップでは、紫や青のドットが新潟県や青森県の日本海側にあまり分布していず、311大地震前は、日本海溝全体からの沈み込みがあまり無かったことが分かると思います。また、宮城県の牡鹿半島あたりの緯度(北緯39度付近)で見ると、2011年3月9日のマップでも2017年11月10日のマップでも、日本海に最も深い地震を表す紫色のドットも、その次に深い地震を表す青いドットも、その南北の両隣の地域に比べて数がずっと少ないことが分かります。このことは、牡鹿半島の緯度付近で、太平洋プレートの沈み込みが数百年以上の期間抑制されてきたことの直接的な証拠です。そして、だからこそ、311大地震で牡鹿半島の緯度付近が50mあまりも大きく滑ったわけです。(地震空白域で大地震が起こることと似ています。沈み込みが長期間抑制されてきたからこそ、その部分に大きな歪みが発生し、それが大地震を起こして大きく滑ったというわけです。) プレートの動きは年に数センチというものですから、50mも動くためには数百年とか千年とかいった期間が本来必要です。そのため、311大地震の前後の状況を考えるためには、1000年以上の期間でどのような動きをしたかを想像してみる必要があります。 仮に、311大地震前600年程度日本海溝から東日本の陸域の地下への太平洋プレートの沈み込みが止まっていたとしたら、その間、東日本の陸域の地下ではどんなことが起こっていたでしょうか。 日本海溝からの太平洋プレートの沈み込みはごく浅い角度、つまり、陸のプレートとほぼ平行と言ってもいいほどの角度で沈み込んでいます。だからこそ、日本海溝から300キロ以上も離れた位置に富士山が出来ているわけです。海のプレートが100キロから150キロ程度まで沈み込んだ地域に火山が出来るということで、太平洋プレートは富士山の位置で100キロから150キロ程度まで沈み込んでいるのです。45度の角度で沈み込んだ場合、300キロ離れた地点では300キロの深さに到達しますから、その半分以下の角度でしか沈み込んでいないことが分かります。 東日本の地下にあった太平洋プレートは、より西側、つまり、日本海の地下にある太平洋プレートにより、どんどんと西へより沈み込む引く力を受けて順次沈み込んで行った、そして、現在でも沈み込みつつあるわけです。311大地震以前の600年以上の期間、これはそのまま続いていたわけで、結果的に、東日本の陸域の地下にあった太平洋プレートは本来の量から見ると、600年間分の沈み込み量分減少してしまっていたわけです。いわば、日本海溝からの沈み込み分が無くなり、しかし、日本海方面へのより深い所への沈み込みは続いていたため、入りが無くて出だけがあった状態になり、どんどんと減少して行ったということです。このため、現在、日本海溝から東日本の陸域にかけての太平洋プレートは、東日本の陸域の地下にある太平洋プレートの量が少ないため、引く力をあまり大きく受けていないのです。ただし、後ほどより詳しく述べますが、あくまで宮城県の牡鹿半島の緯度付近でのことであり、この緯度から南北へ遠ざかるにつれて、この傾向は弱まります。 その他、二つのマップを比べて分かることとして、次の二つがあります。 1.日本海溝(東日本のハワイ側沖合にある海溝。2011年3月9日のマップでは黄色のライン、2017年11月10日のマップでは赤のライン)のハワイ側で、2011年3月9日のマップではほとんどドットが表示されていないが、2017年11月10日のマップでは日本海溝のハワイ側で多くのドットが表示されていること。特に2017年11月10日のマップでは宮城県牡鹿半島の緯度(北緯39度付近)で最も多くの黄色や赤のドットがあること。 2.日本海溝の本土側(西側)で、2011年3月9日のマップに比べて2017年11月10日のマップは、紫や青のドットが数倍に増加していること。2017年11月10日のマップで、特に、宮城県牡鹿半島の緯度(北緯39度付近)から南北により離れた地域ほど紫や青のドットの増加の程度が大きいこと。 ある地域で地震が起こることは、その地域での地震エネルギー(地殻の歪み)が解消されたことを意味します。 1.から分かることは、宮城県牡鹿半島の緯度付近では、日本海溝のハワイ側で多くの地震が発生することで太平洋プレートの西進圧力が解消され、結果的に日本海溝から本土側へ太平洋プレートの西向き圧力が伝達されていないことです。繰り返しますが、宮城県牡鹿半島の緯度付近で、日本海溝から本土側へ太平洋プレートの西向き圧力が伝わっていません。 2.から分かることは、牡鹿半島の緯度から南北に離れた地域ほど、紫や青のドットが数多くあり、311大地震以降、それ以前の約50年間分の2倍程度以上の地震がこの6年間程度で発生していることです。つまり、それだけ、311大地震の震源域(宮城県の牡鹿半島の緯度付近)の南北の地域では、311大地震以降、以前に比べて数倍、太平洋プレートの西側への沈み込みが活発化しているのです。 以上のことから言えることは、311大地震の震源域の南北の両隣では非常に大きな西向き圧力が太平洋プレートにより陸のプレートにかかりつつあるということです。関東及び東北北部での大地震に警戒するべきです。 なお、日本海溝から太平洋プレートの東日本の陸域地下への沈み込みが311大地震以前は停止していて、311大地震以降再開したことは、プレートテクトニクスの専門家の方により指摘されています。その資料が 「特報1)太平洋プレートは東日本大震災前に沈み込んでいなかった」 http://www.niitsuma-geolab.net/article07/article01 として、ネット公開されていますから、そちらで読んでいただければと思います。 ともかく、以上のことから、日本海溝の中央部、宮城県の牡鹿半島付近の緯度での引く力がほとんど働いていないことが、分かると思います。そして、これこそが、311以降、東北で大きな被害を出す地震がまだ起こっていない原因です。このことが、311大地震の誘発地震がもう起きないと言った誤った世論を作ってきていると思います。 しかし、押す力は、一貫して、日本海溝付近で、311大地震前も以降も働いているのです。 結果的に、宮城県の牡鹿半島の緯度から南北に離れるに従って、深い地震が非常に多く起こっていることが、2017年11月11日のマップ https://static3.emsc.eu/Images/EVID/62/629/629309/629309.wide.seismicity.jpg で分かります。日本海の北海道の西側とか、または能登半島の西側あたりの紫や青のドット、そして、三重県から静岡県の沖合から南東方向に伸びる紫や青のドットの塊が2011年3月9日のマップ https://static1.emsc.eu/Images/EVID/21/211/211185/211185.wide.seismicity.jpg に比べて、格段に多くなっていることが直接的な証拠です。 現在、このように押す力が日本海溝の宮城県牡鹿半島付近、福島県と茨城県の県境付近、そして、千葉県の銚子(犬吠埼)付近に大きくかかっています。 更に引く力は、主に千葉県の銚子(犬吠埼)付近で大きくかかっているわけで、これが自分が延宝房総沖地震 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%B6%E5%AE%9D%E6%88%BF%E7%B7%8F%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87 M8の再来が近いと考える根拠です。 なお、日本海溝のより北側によった地域である青森県の東方沖から北海道の襟裳岬の南方沖では、主に千島海溝からの沈み込み活発化の影響を大きく受けます。こちらの地域は、主に十勝沖地震 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%8B%9D%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87 とされています。 最近では1968年や2003年に起こっています。2003年の地震はM8とされ、これの影響が311大地震にあったと思います。 Hi-net自動処理震源マップの「日本全国広域」「最新30日間」 http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/mapout.php?_area=EXPJPW&_period=30days&rn=66007 とか、 北海道の静内付近で、05:48:00.6 2017-12-02に起こった地震のマップ https://static1.emsc.eu/Images/EVID/63/633/633553/633553.wide.seismicity.jpg を見ることで、日本海溝のより北側によった地域である青森県の東方沖から北海道の襟裳岬の南方沖でも盛んに太平洋プレートの沈み込みが発生していることが分かります。紫のドットの分布に注目してください。 そして、海溝型の大地震が切迫していることは、その前提として、大きな固着域を通じて横向きの力が海のプレートから陸のプレートへ伝えられていることを意味していますから、内陸の直下型地震も起こり易くなっているのです。実際、長野県南部とか長野県北部、長野県中部などのM5程度の地震が最近発生しています。鹿児島湾で今年起こったM5地震も鹿児島湾が陸域へ入り込んだ地震であるため、実質的には内陸直下型の地震であるのです。 311大地震の前回版である869年貞観地震の前後では約100年余り全国でM7程度の地震が集中的に発生しました。それと同じことが今後100年程度日本で繰り返されるはずです。 貞観地震以前は、太平洋プレートの日本海溝から東日本の陸域の地下への沈み込みが活発に起こっていたはずで、それが、日本列島のほぼ全域での地震頻発を起こしていたのです。 ****************** 以降、まだ出来ていません。完成したら、別記事で投稿させていただきます。
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