http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/299.html
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「少なくとも『震度6〜7』では新耐震のマンションは倒壊も大破もせず人的被害を最小限に抑えられる」という誤解
次の投稿が2017年11月20日の24時間ランクで14位になっていました。
少なくとも「震度6〜7」では新耐震のマンションは倒壊も大破もせず人的被害を最小限に抑えられるということが改めて証明された
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/246.html
投稿者 TORA 日時 2011 年 4 月 24 日 13:13:58: CP1Vgnax47n1s
気になったので読んでみましたが、誤かいに基づく投稿だと思います。
まず、震度7は青天井です。青少年というとき、18歳までとか、明確な上限があるのに対し、大人とか成人というとき、30歳でも60歳でも100歳でも大人であるのと似ています。
上の記事は311大地震の震度7地域で無事だったからということで震度7が挙げられているようですが、311大地震は沖合はるかが震源域であり、陸域に震源域はありませんでした。それでも、以前の海域での大きな地震に比べて短周期の揺れが多かったと言われていますが、どちらにしても、直下型の地震ではなく、震度7の正体は比較的長周期の横揺れです。
震度7と言っても、実際の揺れはいろいろあり、地震計で記録できるものはその一部でしかありません。
三陸から福島県のあたりは、どちらかというと平地は少なく、岩盤が地表近くに存在する地域でした。このことからも、震度7の揺れであっても、被害が少なくなった可能性があります。
特に、「新耐震のマンションは倒壊も大破もせず人的被害を最小限に抑えられる」の部分は大きな問題であると思います。
新耐震と言っても、
耐震基準
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%80%90%E9%9C%87%E5%9F%BA%E6%BA%96
に
>用語[編集]
>水平震度
>地震時に構造物にかかる水平加速度の重力加速度に対する比(例:水平震度0.1=0.1g)。
気象庁が発表する揺れの大きさを表す震度と名称が似ているがまったく別の概念である。
>保有水平耐力
>「許容応力度等計算」という構造計算法においての二次設計に用いられる耐力。非常に大きな力を受けた場合、各部材は「弾性域」と呼ばれる復元可能な領域から「塑性域」と呼ばれる歪みを残留する領域に順次移行するが、それらが蓄積して、ある階を崩壊に至らしめるような水平力が存在する。これを以ってその階の保有水平耐力とする。どのような崩壊形を以って崩壊とするか、またその解析法についてはいくつか用意されており、同一の構造でも設計者の方針によって異なる数値となることがある。実務上では構造解析プログラムを用いて算定されるのが殆どである。
とある様に、横揺れのみを考慮しているのです。これは、日本の陸域の揺れが、数百年以上の期間、その9割以上が大きな横揺れを伴うだけで、縦揺れが主な揺れになる直下型地震が少なかったからです。
以下、「現在の新耐震基準が導入されるまでの経緯」
https://www.homepro.jp/taishin/taishin-basic/839/
から引用開始:
そもそも建物というのは、自分が所有する敷地内であれば好き勝手に建てていいわけではなく、守らなければならない一定の基準があります。それを定めた法律が建築基準法で、1950年に制定されました。
建築基準法の中には耐震性に関する基準があります。これは建築基準法が1948年の福井地震の被害を受けて法制化されているからです。
その後、大地震が発生する度に、建築基準法は改正されています。例えば、1968年の十勝沖地震を受けた1971年の改正では、マンション内の鉄筋コンクリートの柱部をより強固なものにするよう義務付けられました。また同年の改正では、1964年の新潟地震で起きた液状化現象を受けて、木造建築でも基礎部分をコンクリートにすることが義務付けられています。
なかでもターニングポイントとも言うべき大幅な改正が行われたのが、1981年6月1日です。これは1978年の宮城県沖地震を受けて改正されたもので、この改正以前を旧耐震基準、以降を新耐震基準と呼んでいます。
(*以上引用終わり)
鍵は、直下型地震が、1948年の福井地震と1964年の新潟地震であったことです。どちらも、戦後のアメリカの影響が非常に強かった時代の改正であり、縦揺れ被害が無視されていたのです。
建築関係、土木関係の規制で恣意的に被害が無視されてきた例の典型が液状化です。1964年の新潟地震で液状化被害が注目され、対策として杭基礎などが提案されたのですが、現実には大昔から液状化被害は当然ながらあったのです。寺社建築などでは木製の杭を地盤一面に打ち込んで液状化対策を施していた例がかなり昔、つまり江戸時代以前にもあったという記事を読んだことがあります。
なお、2007年の中越沖地震では柏崎刈羽原発が地盤の液状化で大きな被害を受けました。原子炉などの基礎を地下深くに造ったときに、掘り返した土砂をそのまま埋め戻したため、液状化が苛酷化したということなのですが、明らかに対策を怠っていたわけです。
311大地震以前は、600年以上の期間で日本海溝から太平洋プレートの沈み込みがほどんどなく、311大地震以降は沈み込みが再開されていることを考えると、これからは陸域直下型地震が以前とは比べ物にならないほど増加するはずであり、実質的に規制が行われていない縦揺れによる被害が顕在化するので、大規模マンションが安全であるとは必ずしも言えないと考えます。
2017年11月20日06時30分 武田信弘
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