http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/265.html
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indeep に載っていた記事です。
元のニューズウィークの記事自体がかなり世論誘導的な面が強いと思います。
ともかく、
>「私たちは、イエローストーンの噴火の前には、何千年もの間にわたるプロセスが起こっていたと予想していたのです。ところが、調査の結果わかったことはそうではなく、温度は明らかに急激に上昇したことが、結晶の分析からわかったのです」
の「何千年もの間にわたるプロセス」を想定していた根拠が全く出てきていません。現代の科学なら、過去数千年の変化をある程度際限が出来るわけで、何千年もの間にわたるプロセスを想定したのであれば、それなりにその根拠があったはずですが、それが開かされず、単に、
>科学者たちのチームが、ラバ・クリーク・タッフ(Lava Creek Tuff / イエローストーンの最後の大噴火で化石化された灰鉱床)に数週間滞在してサンプルを集め、火山噴火の後に残っている物質を分析した。
>この解析により科学者たちは、イエローストーンの最後の噴火前の溶岩流の変化を把握することに成功した。
>岩石の結晶構造は、樹木の年輪のように火山下の地質の温度、圧力、水分の変化を記録していた。
としているだけです。「火山噴火の後に残っている物質を分析」することで、基本的には数万年前の火山活動の推移も調べられるわけで、その情報が欠けています。
一種の情報の非対称性があると思います。
ただ、数千年後にカルデラ噴火が起こると分かっても、この数十年、または数百年安全ならまあいいやと考えてしまうことが普通で、あまり意味はなく、更に、数千年間の間にその他の要素が大きく影響することもあり得るわけで、本当に、「イエローストーンの噴火の前には、何千年もの間にわたるプロセスが起こっていたと予想していた」のかどうか、かなり疑問です。
なお、桜島の大正噴火には明確な前兆現象があったことが指摘されています。
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1914_sakurajima_funka/pdf/05_chap02.pdf#page=19
以下、indeepの記事です。
http://indeep.jp/eruption-of-yellowstone-volcano-is-greater-than-previously-thought/
イエローストーンの「噴火へのプロセス」は今まで考えられていた数千年単位ではなく、「たった数十年単位で噴火に至る」ことが調査により初めて示される。そしてそのイエローストーンでの地震の記録は過去最長に
2017/10/12
2017年10月10日の米国ニューヨークタイムズより
・A Surprise From the Supervolcano Under Yellowstone
2017年10月4日の米国ニューズウィークより
・Earthquake Swarm at Yellowstone Supervolcano Now One of the Longest Ever Recorded
イエローストーンの兆候から噴火への時間的スケールが明らかに
今回は、アメリカのイエローストーン国立公園の下に眠る超巨大火山イエローストーンについての報道をご紹介しようと思います。
これまで地質学者たちは、イエローストーンの噴火のサイクルを数十万年単位の長いものとして考えていて、その噴火プロセス、つまり「噴火の予徴が始まってから実際に噴火するまで」の時間は数千年単位で移行するものだろうと推測していました。
ところが、最近の科学者たちの調査で、
「イエローストーンの噴火プロセスの時間的推移は《数十年以内》」
だということがわかったのです。
つまり、何らかの兆候があった後に、これまでは「あと数千年のうちに噴火するかもしれない」というような考え方だったのですが、この発見により、
「兆候が始まってから、わりとすぐに噴火までに至るかもしれない」
ということを科学者たちが認め始めているというものです。
今年は、過去記事、
・地球リセットの時期? : イエローストーンで過去40年で最大規模の地震と群発地震が。そして昨年以来、世界各地で活動の兆しが伝えられる超巨大火山たち
2017/06/18
・米国イエローストーンの群発地震の発生が2567回を超え、回数と継続期間が「観測史上最大」の規模に
地球の記録 2017/09/03
などで取りあげましたが、イエローストーンでの群発地震が記録的なものとなっていて、冒頭のニューズウィークの記事のように、過去最も長い期間の群発地震ということになっているのです。
それに加えて、最近のイエローストーンは、「マグマが火山の主要な部分に溜まり始めた」ことが、最近のニューヨークタイムズなどの記事で示されていました。
これらが噴火の兆候かどうかはわからないのですが、仮にそういうものだとすれば、イエローストーンが私たちの時代に噴火する可能性が「唐突に出て来た」ということになるのかもしれません。
ちょうど今、世界中で大きな噴火が続いている時で、日本でも新燃岳の噴火や、その他の環太平洋火山帯の噴火の数も非常に多く、規模も大きくなっています。
2017年10月12日 噴火する新燃岳(日本)
・fobosplanet
2017年10月11日 噴火するシナブン火山(インドネシア)
世界の天変や地異が急速に進むのかどうかは何ともいえないにしても、今の自然の状態はそういう激しさを感じさせる部分があります。
米国メディアの最近のイエローストーンの内容をまとめたゼロヘッジの記事をご紹介したいと思います。
ここからです。
Threat Of Devastating ‘Supervolcano’ Eruption At Yellowstone Is Greater Than Previously Thought
zerohedge.com 2017/10/11
「スーパーボルケーノ」イエローストーンの大噴火による脅威の実現性はこれまで考えられていたよりも大きい
アメリカ地質調査所(USGS)の科学者たちは、これまでイエローストーンのカルデラに関連して「何も心配することはない」と述べ続けてきた。しかし、最近の新しい情報を見て、彼らは自分たちの発言を見直している可能性がある。
超巨大火山イエローストーンは、仮に大噴火を起こした場合、アメリカで数百万人単位の死者を発生させる可能性がある。
今年 7月中旬以来、イエローストーン国立公園の下にある火山の地殻は、マグマがカルデラ内の主要なマグマ溜りに突入している可能性がある兆候を見せている。その 7月からのイエローストーンで記録された小さな地震の数は 2,500回を超えている。
これまで、科学者たちの推定ではイエローストーンの噴火につながるプロセスには千年紀単位での時間軸を想定していた。
最近のニューヨークタイムズが報道したように、イエローストーンのカルデラは平均的な火山よりはるかに強力だ。それは 1980年に 57人の死者を出したセント・ヘレンズ火山の噴火より 2,500倍多くの物質を噴出すると見積もられている。
仮にイエローストーンが噴火した場合、アメリカの大部分を灰の厚い層が包み込み、さらに地球全体を噴火の影響による「火山の冬」に突き落とす可能性があると言われる。
科学者たちは、イエローストーンの噴火は 10万年に1度だと想定しており、そのたびに地球にダメージを与えてきたと考えてきた。その推定を結論に導くために、科学者たちのチームが、ラバ・クリーク・タッフ(Lava Creek Tuff / イエローストーンの最後の大噴火で化石化された灰鉱床)に数週間滞在してサンプルを集め、火山噴火の後に残っている物質を分析した。
この解析により科学者たちは、イエローストーンの最後の噴火前の溶岩流の変化を把握することに成功した。
岩石の結晶構造は、樹木の年輪のように火山下の地質の温度、圧力、水分の変化を記録していた。
論文を書いたアリゾナ州の地質学者クリスティ・ティル(Christy Till)氏らは、下のように述べている。
「私たちは、イエローストーンの噴火の前には、何千年もの間にわたるプロセスが起こっていたと予想していたのです。ところが、調査の結果わかったことはそうではなく、温度は明らかに急激に上昇したことが、結晶の分析からわかったのです」
「それらは急速な時間スケールで組成の変化が生じていたことを示していました。これはイエローストーン火山の下に新しいマグマが注入されてから、数千年単位ではなく、数十年後に大噴火が起きたことを意味します」
この研究は、科学者たちにイエローストーンの噴火についての再考をうながしている。
人類文明の存続につながる火山の噴火の条件が、私たちの文明の期間中に発生する可能性があることを科学者たちが認識し始めたのだ。
アメリカ地質調査所の科学者たちは、イエローストーンの噴火の脅威はないと言い続けてきたが、現在、NASA の科学者たちは少なくともアメリカ人に対する噴火の脅威を認め初めている。
研究が続くにつれて、科学者たちは今後の噴火の兆候を見い出すことができる可能性に期待し、そして、その「対処法」の検討も進めているとみられる。
しかし、イエローストーンが噴火した時の爆発や降灰、そして、その影響による気候がどのようになるのかを経験したことがあるものは誰もおらず、噴火した場合にどうなるかということについては、実際のところは何もわかりようがない。
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