http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/178.html
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延宝房総沖地震再来の可能性
この地震は、
延宝房総沖地震
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%B6%E5%AE%9D%E6%88%BF%E7%B7%8F%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87
延宝房総沖地震(えんぽうぼうそうおきじしん)は、延宝5年10月9日(1677年11月4日)に房総半島東方沖付近で発生したと推定される地震。規模はM8-8.34とされている。房総沖地震の一つと考えられているが、震央位置については諸説ある[1]、詳しい地震像については解明されていない。
地震動による被害が確認されないのに対し、津波被害が顕著な津波地震との見方がある。約半年前には1968年十勝沖地震に類似し、三陸沖北部が震源と推定されている延宝八戸沖地震があった。
とされているもので、
「延宝房総沖地震津波の千葉県沿岸〜福島県沿岸での痕跡高調査」
http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/rzisin/kaishi_22/P053-059.pdf#search=%27%E5%BB%B6%E5%AE%9D%E6%88%BF%E7%B7%8F%E5%8D%8A%E5%B3%B6%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87%27
の6ページ目に「図 2 延宝房総沖地震の断層モデルに基づく地盤変動量分布」が載っていて、震源域が図示されています。
2011年3月11日の震度1以上を観測した地震の震央マップ
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/detail?date=20110311
を見ると、房総半島の銚子あたり(犬吠埼あたり)が破壊域の南限であり、ちょうど延宝房総沖地震の震源域が割れ残っていることが分かります。
国や千葉県は、陸域の揺れが少ない津波地震を想定しているようですが、311大地震以来、太平洋プレートの日本海溝からの東日本の陸域の地下への沈み込みはどんどんと進んでいるようです。その証拠の一つが昨年11月22日の福島県沖(いわき沖)M7ですし、同12月28日の茨城県北部M6です。
Hi-net自動処理震源マップの「日本全国広域」・「最新30日間」で深発地震の青いドットを見ると、311大地震の震源域に対応した青いドットがあまり見えません。三重県から静岡県の沖合には数多くの青いドットがあり、そこから南東方向へ青いドットが分布していて、伊豆・小笠原海溝からの沈み込みがどんどんと進んでいるのが分かります。
しかし、このことは、311大地震の震源域に対応する日本海溝からの太平洋プレートの沈み込みが起こっていないことの証しにはなっていないと思います。つまり、869年貞観地震あたりから、日本海溝の三陸沖あたりからの太平洋プレートの沈み込みはどんどんと抑制傾向にあり、それが1000年程度続いていたと推測できるからです。沈み込んだプレート先端部はドンドンとより深くへ沈み込もうとしますから、東日本の陸域の地下では、太平洋プレートはどんどんとやせ細っていったはずなのです。より浅い所からの供給は止まり、より深い所へはどんどんと引っ張られていったため、東日本の陸域の地下では太平洋プレートの厚さがどんどんと薄くなってきたはずです。そして、311大地震で新たに供給が始まったため、現在は、以前薄くなった部分に厚みが戻るという過程に入っているはずです。だからこそ、青いドットで示されるような数百キロの深さで地震を起こすことがまだないのです。
問題は、太平洋プレートが東日本の陸域の下へ沈み込みつつあるため、延宝房総沖地震の再来があった場合、陸域の地下で太平洋プレートが大きく動く可能性が高いことです。結果的に、陸域の地下で多くの固着域が破壊され、その地震波が地表面にまで到達するはずです。この被害はかなりのものになるのではないでしょうか。
この8月、関東地方の陸域の地下では震度1以上を観測する地震がかなり発生しています。その多くが震源深さのやや深い、または90キロを超す深さの地震です。このことも、太平洋プレートが関東平野の地下で大きく動く可能性が高まっていることを示していると思います。このことは、8月の震度を記録した地震の震央マップ
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/entries_by_month?year=2017&month=8&area_type=japan_east
を見ることで、視覚的にも確認できます。
また、千葉県東方沖地震は、2004年春以来のデータベース
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=473
によると、この9月1日までに870件発生しています。
2016年1月以降の月別集計をすると、次のようになります。
2016年千葉県東方沖:
01月:03件
02月:02件
03月:04件*3か月計:09件
04月:05件
05月:02件
06月:07件*3か月計:14件
07月:07件
08月:07件
09月:04件*3か月計:18件
10月:05件
11月:01件
12月:05件*3か月計:11件
2017年千葉県東方沖:
01月:02件
02月:05件
03月:08件*3か月計:15件
04月:04件
05月:03件
06月:10件*3か月計:17件
07月:01件
08月:01件
今年2017年は6月に10件発生があり、2016年熊本地震以降の期間で最も多く発生があったのですが、それ以降は一ヶ月に一回のペースに急減しています。3か月毎の集計でも、ほぼ10件から20件の発生があったものが、この2か月間で2件となり、一種の静穏化が起こっているのです。(なお、6月の10件は6月15日以前に発生しています。長野県南部の群発は6月24日からでした。)
千葉県東方沖地震のこの7月・8月の急減は、311大地震以前の2009年12月からの岩手県沖地震
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=286&sort=0&key=1&b=101
でも観察されています。
2009年岩手県沖:
12月:03件
2010年岩手県沖:
01月:01件
02月:00件*3か月計:04件
03月:03件
04月:01件
05月:02件*3か月計:06件
06月:03件
07月:05件
08月:03件*3か月計:11件
09月:00件
10月:01件
11月:05件*3か月計:06件
12月:00件
2010年岩手県沖:
01月:00件
02月:03件*3か月計:03件
岩手県沖についても、2010年7月と11月にそれぞれ5件の多発があり、その後、2010年12月から2011年1月の二か月間は発生がありませんでした。この状況は、千葉県東方沖のこの7月・8月と似ていると思えます。
また、太平洋プレートが東日本の陸域の地下へ沈み込んでいることから、延宝房総沖地震の再来があると、その後は、太平洋プレートから陸のプレートへかかる西進圧力が急激に強まり、その結果、関東平野から関西方面での陸域の浅い地震が急増するはずです。
なお、国は、30年での発生確率を次のように分類しています。
http://www.jishin.go.jp/main/seisaku/hokoku16j/sg60-5.pdf
Sランク(高い)
30 年以内の地震発生確率が3%以上
Aランク(やや高い)
30 年以内の地震発生確率が 0.1〜3%
Zランク(−) 30 年以内の地震発生確率が 0.1%未満
Xランク(−) 地震発生確率が不明(すぐに地震が起こることが否定
できない)
延宝房総沖地震の長期評価は7%ですから、最も発生可能性が高いAランクに含まれます。
2017年09月02日22時35分 武田信弘
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