http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/173.html
Tweet |
南海トラフ巨大地震 予知前提の対策見直しを検討会が指摘
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170825/k10011112151000.html
8月25日 15時13分 NHK
南海トラフ巨大地震について、国の検討会は新たな防災対策を示した報告書の案を25日、まとめました。南海トラフで起きる巨大地震の一つで、予知を前提として進められてきた「東海地震」の今の防災対策については改め、新たな制度の構築などを検討すべきだと指摘しています。
南海トラフ巨大地震をめぐって、国は、6年前の東日本大震災をきっかけに想定を見直し、南海トラフ全域を震源域とする対策に切り替えたことなどから、去年、有識者による検討会を設置し、議論を進めてきました。
25日まとまった報告書の案では南海トラフで起きる巨大地震の一つで、「大規模地震対策特別措置法」、いわゆる「大震法」に基づき予知を前提として対策が進められてきた「東海地震」について、鉄道の運行規制や会社や学校を休みにするなど社会活動や経済活動を大幅に規制する「警戒宣言」の発表につながるような確度の高い予測は、「できないのが実情だ」としています。
そのうえで「大震法」に基づく今の防災対策は改めることが必要で、新たな制度の構築などを検討すべきだと指摘しています。
一方、25日の案では、たとえば南海トラフの一部がずれ動いて大きな地震が発生し、その後、それとほぼ同じかさらに規模の大きな巨大地震が発生する懸念がある場合など、正確な予測まではできないものの次の巨大地震が発生する可能性がある4つのケースを提示したうえで、このうち特に切迫している2つのケースについては、例えば短時間で津波が到達すると予想される地域では、早めに安全な場所に避難することなど、新たな対策を示しています。
さらに、こうした対策を混乱なく行うためには自治体や企業などによる協議会を設置し、あらかじめ防災計画を策定しておくことが重要だとしています。
検討会は、今後、報告書を正式に取りまとめ、来月以降、国に提出することにしていて、国は、これを基に新たな対策の内容について具体的な検討を進める方針です。
防災相「地震への備えを進める」
25日の報告書の案でいわゆる大震法に基づく今の防災対策を改める必要があると指摘されたことについて、小此木防災担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、「地震の予知を前提とする現在の制度には課題があると認識している。国としては今、見直しをするということではなく、検討会からの報告を受けて、いつ来るかわからない地震への備えを進めていきたい」と述べ、国としては、大震法に基づく対応を今すぐ見直すわけではないとしたうえで、来月以降、検討会からの正式な報告を受けてから具体的な対策を検討する考えを示しました。
静岡県「県民の防災意識高める契機に」
25日の会合に出席した静岡県の外岡達朗危機管理監は、「静岡県では、地震予知は外れることがありこれまでも地震は突発的に起きるものとして訓練を行い備えもしてきた。予知を前提とした今の対策を改める必要があるという指摘を前向きに捉えて、県民が防災への意識を高めるとともに、これまでの対策を再点検し、今後、何ができるかを考えるきっかけになればと思う」と話しました。
発生懸念の4つのケース
今回の報告書の案で示された、巨大地震の発生が懸念される4つのケースは、次のとおりです。
(ケース1)
1つ目のケースは、駿河湾から日向灘にかけての南海トラフの一部がずれ動いて大きな地震が発生し、その後、それとほぼ同じかさらに規模の大きな巨大地震の発生が懸念される場合です。
南海トラフでは、過去にも一部がずれ動いて大きな地震が起き、その後しばらくして隣接する領域で巨大地震が起きたケースがあり、このうち、昭和19年の「昭和東南海地震」が発生した2年後にはその西側で「昭和南海地震」が、1854年には、「安政東海地震」が発生した32時間後にその西側で「安政南海地震」がそれぞれ発生しています。
(ケース2)
2つ目のケースは、南海トラフの震源域で想定より一回り小さいマグニチュード7クラスの地震が発生した場合です。
南海トラフでは、巨大地震の発生前にマグニチュード7クラスの地震が起きた記録はありませんが6年前に起きた東北沖の巨大地震では、2日前にマグニチュード7.3の大地震が発生しています。
世界では1900年以降、マグニチュード7クラスの地震が起きたあと、3年以内に同規模以上の地震が発生したケースは56例あり、このうち、およそ4割に当たる24例は7日以内に発生しています。
この2つのケースについて、報告書の案では、巨大地震が切迫し避難など何らかの対策を取る必要があるとして、例えば短時間で津波が到達すると予想される地域では、地震発生後ではなく、早めに安全な場所に避難することなど新たな対策の例を示しています。
(ケース3)
一方、3つ目のケースは、南海トラフ巨大地震の想定震源域で、地下水の水位の変化やプレート境界が長期間にわたってゆっくりとずれ動くなど、6年前の東北沖の巨大地震の前に見られたような異常な現象が複数、観測された場合です。
(ケース4)
4つ目のケースは、東海地震の発生前に起きると考えられている、プレート境界がずれ動く「前兆すべり」のような現象が観測された場合です。
この「3つ目」と「4つ目」のケースについては、地震発生の可能性を具体的に評価しにくく住民に避難を促すなどの防災対応を取ることが難しいと考えられるなどとして、今回の報告書の案に具体的な対策の例は示されていません。
大震法を制定し強化地域を指定
東海地震は、静岡県の内陸部から遠州灘にかけてを震源に発生すると想定されているマグニチュード8クラスの巨大地震です。
発生が迫っているという専門家の指摘を受けて、国は、39年前の昭和53年に「大規模地震対策特別措置法」、いわゆる「大震法」を制定し、直前に予知できる可能性があると位置づけました。
そのうえで、震度6弱以上の激しい揺れや、3メートル以上の高い津波などで被害が予想される地域を「地震防災対策強化地域」に指定しています。
現在、「強化地域」には、8都県の合わせて157市町村が指定されていて、避難路や緊急輸送路の整備、公立の小・中学校の耐震化などにかかる費用の国の補助率がかさ上げされる措置がとられ、対策が進められてきました。
気象庁は、24時間体制で東海地震の震源域での観測を続けていて、地殻変動などに異常が確認され、前兆現象の可能性が高まった場合には、気象庁長官からの報告を受けて、内閣総理大臣が「警戒宣言」を発表し、気象庁も東海地震の「予知情報」を合わせて発表するとしています。
警戒宣言が発表されると、「強化地域」では被害を軽減するために鉄道や高速道路の通行が規制されるほか、会社や学校が休みになるなど、社会活動や経済活動が大幅に規制されます。
- 南海トラフ 揺れる定説(朝日新聞 科学の扉) 研 2017/9/03 13:17:52
(0)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。