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MRJ、初キャンセルの次は300機受注にも暗雲
http://diamond.jp/articles/-/158548
2018.2.6 週刊ダイヤモンド編集部
大口顧客がキャンセルすれば、他の航空会社も追随する恐れが否めない。ライバルのエンブラエルはボーイングとの提携交渉にも入っており、MRJを取り巻く状況は甘くない Photo by Yuriko Nakao/gettyimages
三菱重工業傘下の三菱航空機で開発が進む国産初のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」に、初のキャンセルが発生した。
キャンセルとなったのは、米イースタン航空と契約を結んでいた40機(確定受注20機、予備受注20機)だ。これは、MRJの全受注数の約1割に当たる数である。
MRJは、開発の遅れにより初号機の納入を5度も延期。その間に性能の優位性が薄れつつあるが、今回のキャンセルはこうした三菱航空機側の“不手際”が原因ではない。イースタン航空が、経営悪化により米スウィフト航空に事業を譲渡してしまったのだ。この際、MRJの契約がスウィフト航空に引き継がれることはなかった。スウィフト航空は、MRJよりも大きい米ボーイングなどの機種で保有機材を固めているため、MRJは不要だったとみられている。
昨年12月、宮永俊一・三菱重工社長はキャンセルの可能性について言及していたが、イースタン航空は結局、航空運送の事業許可を米連邦航空局に返上。正式キャンセルとなってしまった。
先手を打つ競合機
もっとも、三菱航空機側にとってイースタン航空のキャンセルはさほどサプライズではなかったようだ。「2012年に発足したイースタン航空は、設立時の資本金が少なく、実はどこまで安定操業できるか契約締結時から心配していた」(三菱航空機関係者)からだ。
むしろ、頭痛の種はもっと別のところにある。米航空会社のスカイウェストとトランス・ステーツ・ホールディングスから受注している300機の行方だ。このうち半数は予備受注で、「ブラジル・エンブラエルと両てんびんにかけられている」(三菱重工幹部)のが実情だ。
また、米国における大手航空会社とパイロット組合の労使協定に盛り込まれた条項「スコープクローズ」も不安要素となっている。
リージョナルジェット航空会社は大手航空会社の委託運航を行うことも多いため、リージョナルジェットには大手航空会社のパイロットの職を奪わぬよう、座席数や重量に制限が設けられているのだ。
これが思った以上に緩和されていない。このままでは、「MRJ90」は米国での運航が難しくなる。
MRJ90の最大のライバル機「E175-E2」を開発中のエンブラエルも同様の悩みを抱えるが、同社はここにきて、「座席数を縮小して折り合いをつける方向で、パイロット組合と交渉を始めている」(前出の三菱重工幹部)。
三菱航空機はいざとなれば座席数が少なく、重量も軽い「MRJ70」への切り替えが可能だが、それもこれも、遅れに遅れている開発にめどが付いてからの話だ。
三菱航空機は開発力のみならず、状況を好転させる政治力も求められている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)
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