http://www.asyura2.com/17/hasan125/msg/617.html
Tweet |
トヨタの次世代EVがドイツ勢への強烈カウンターパンチと言える理由
http://diamond.jp/articles/-/157027
2018.1.25 鈴木ケンイチ:モータージャーナリスト ダイヤモンド・オンライン
Photo by Kenichi Suzuki
トヨタ自動車の豊田章男社長がアメリカ・ラスベガスで開催された家電展示会、CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、次世代のモビリティサービス専用EV「e-Palette コンセプト」を自ら発表した。実際に内容を見ると、ドイツの積極的なEVシフトの動きに対するトヨタの“カウンターパンチ”といえるほど画期的なものだ。その理由を解説する。(モータージャーナリスト 鈴木ケンイチ)
トヨタの豊田章男社長がCESで自ら発表
次世代のモビリティサービス専用EV
2018年1月8日より11日にかけて、アメリカのラスベガスにおいて家電展示会であるCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)が開催された。家電とはいえ、自動車関連の展示も多く、トヨタをはじめ多くの自動車メーカーやメガサプライヤーが参加。電動化技術やコネクテッド、自動運転技術など、最先端のエレクトロニクス技術を紹介している。
ところが今年は、ドイツ勢の元気がなかった。EVや自動運転を強気で推すフォルクスワーゲンやアウディが不参加。メルセデスベンツは次世代インフォテイメント「MBUX」の発表がメイン。EVシフトを喧伝するドイツ勢としては、いささか寂しい内容であった。
一方、トヨタは豊田章男社長が次世代のモビリティサービス専用EV「e-Palette コンセプト」を発表した。東京モーターショーでは登壇なしの章男社長が、CESには颯爽と登場する。それだけでも力の入れようがわかる。
また、実際に数多くのプレスカンファレンスが行われるCESであるが、章男社長のスピーチは饒舌でユーモアがあり、人目を強く引き付ける。そして、なによりも内容が強烈であった。
幅広い用途の自動運転のEV
アマゾン、ピザハットなど強力なパートナーを揃える
「e-Palette コンセプト」は自動運転のEVで、デリバリーやライドシェア、移動店舗、移動宿泊所など、幅広い用途に利用可能となっている。
ポイントは強力なパートナーを揃えたこと。アマゾンにピザハット、Uberに滴滴出行(Didi Chuxing)、それにマツダだ。
アマゾンとピザハットはデリバリーを必要とする企業であるし、Uberはライドシェア。滴滴出行も中国のライドシェアの会社だ。つまり、夢物語ではなく、実際に「e-Palette」を利用するパートナーも決まっているのだ。
ちなみにマツダは、トヨタとEV開発の提携を行っている。また、マツダにはロータリーエンジンを使ってEVの航続距離を伸ばすレンジエクステンダー技術もある。さらに言えば、マツダのロータリーエンジンは水素を燃焼させて回すこともできる。ピュアEVに、水素を燃料とするロータリーのレンジエクステンダーなら、さらに「エコ度」を高めることも可能なのだ。
エンジン車の代替品としてのEVは
一般ユーザーに販売するのは難しい
個人的な考えになるが、EVをエンジン搭載自動車の代替品として一般ユーザーに販売するのは相当に難しい。
なぜなら、現状のEVは、エンジン自動車よりも高額で不便だ。“普通の人”は、地球環境のためにわざわざ我慢して、高くて不便なものを買い求めない。あくまでも便利で安いから買うのだ。EVがそういう製品に進化するには、もう少し時間が必要だ。ドイツ勢がターゲットに謳う2025年に間に合うのかは、はなはだ疑問だ。
では、EVに芽がないかといえば、それも違う。
つまり、代替品ではなく、今までとは違うものとして、新たな魅力をアピールすればいい。また、個人向けではなくビジネス向けなら可能性が高い。「儲かる仕組み」さえあれば、ビジネス視線でいえばエンジンだろうとモーターだろうと、正直どっちでもいいからだ。
そうやって考えると、トヨタの「e-Palette」は、相当に筋がいいのではないだろうか。アマゾンやUberなど利用者も決まっているし、ハードウェアを作るパートナーもいる。荒唐無稽な夢ではなく、ほんのちょっと先のニュービジネスと言えるだろう。
また、CESという会場での発表もいいと思う。
なぜなら、今回のCESでは、自動運転に関する提案や新技術の展示が、あちこちのブースで見受けられたし、実際に自動運転を開発する車両が身近で走り回っていた。CESにいると、自動運転は「はるか先の未来の技術」ではなく、「もう少しでできあがる。完成して当然のもの」と思えてくる。そうなると当然、次なるテーマは、「自動運転で何ができるのか?」だ。
そこの部分で、ドイツ勢は、まだ「夢を語る」段階だ。もちろん、日系ブランドも、これまでは似たり寄ったりであった。しかし、今回、トヨタが一歩踏み出した。しかも、いま話題のEVで…だ。
トヨタのEVビジネスは現実味が高い!?
「ドイツが種をまいて、トヨタが刈り取る」
自動車を「エンジン車からEVにシフトする」という構想をぶちあげたドイツ自動車メーカーだが、実際にドイツ勢の自家用EVが普及するには、高いハードルが待ち構えている。
一方、トヨタの新しいEVビジネスは現実味が高い。しかも、トヨタはラッキーなことに、ドイツ勢が世界中に流布したEVシフトというトレンドにも乗っている。
ドイツが作った流れの中で、一番の得をするのがトヨタになる可能性さえある。そうなれば、まさに「ドイツが種をまいて、トヨタが刈り取る」という構図だ。ドイツの積極的なEVシフトの動きに対する、トヨタのカウンターパンチ。
それが「e-Palette」ではないだろうか。
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民125掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民125掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。