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コンビニで安心な食品を選ぶ超簡単な方法 見た目は似てても、添加物は違う
http://president.jp/articles/-/24182
2018.1.18 渡辺 雄二 科学ジャーナリスト PERSIDENT Online
同じコンビニの似たような商品でも、「食品添加物」の種類が大きく異なることをご存じでしょうか。コンビニ各社は添加物の削減を進めていますが、食材によってはなかなか減らせないものもあります。コンビニの加工食品のなかで、より安全でより安心な選択肢はなにか。科学ジャーナリストの渡辺雄二氏は「サンドイッチなら、ミックスサンドよりたまごサンドがいい」といいます――。
※本稿は、渡辺雄二『40代から食べるなら、どっち!?』(サンクチュアリ出版)を再編集したものです。
どんな添加物が使われているかで商品を選ぶ
食品を加工したり、保存したりするときに使う着色料、保存料、甘味料、香料などを、まとめて「食品添加物」と呼びます。
基本的に厚生労働省が安全と認めたものだけが使用されていますが、実際には安全性の疑わしい食品添加物もあります。続けて摂取すると現代の三大疾病といわれる「がん」「心臓病」「脳卒中」のリスクが高まる恐れがあるといわれており、そのリスクは40代を過ぎるとぐんと高まります。
一見似たような商品でも、使用される添加物はメーカーによってさまざまです。本当に安全なものは何か、逆に控えたほうがいいものは何か。みなさんがスーパーやコンビニでよく手にする商品をもとに、比較してみましょう。
サンドイッチ編:ミックスサンド vs. たまごサンド(ファミリーマート)
コンビニで何気なく手に取るサンドイッチ。ミックスサンド(左)とたまごサンド(右)、どちらが安心?
食べるなら、「たまごサンド」です。
ミックスサンドはサラダ、ツナ、卵と3種類の味が楽しめる人気商品ですが、サラダの中のハムに含まれる食品添加物「亜硝酸ナトリウム」に注意が必要です。
亜硝酸ナトリウムは製品が黒ずむのを防ぐ発色剤で、主にハムやウインナーソーセージ、ベーコンなどの加工肉に使われています。
この亜硝酸ナトリウムは、ハムやソーセージの原料の肉に多く含まれる「アミン」という物質と化学反応を起こして、「ニトロソアミン類」という物質に変化します。このニトロソアミン類に、発がん性があるのです。ニトロソアミン類は、酸性状態の胃の中で発生しやすいことが分かっています。また、ハムの中ですでに発生してしまっているケースもあります。
2015年10月に世界保健機構(WHO)の国際がん研究機構(IARC)が、「ハムやベーコンなどの加工肉を毎日50g食べると結腸がんや直腸がんになるリスクが18%高まる」とする報告書を発表しました。これは世界の研究論文約800本を分析して得られた結果だそうです。つまり、ハムを毎日たくさん食べていると、ニトロソアミン類の影響によってがんが発生しやすくなると考えられます。
なのでこの2択であれば、たまごサンドを選びましょう。実はたまごサンドは炭水化物のほか、たんぱく質、脂肪、ビタミンなどを一度に摂ることができる優秀な食品なんですよ。
ご自分でハムを買うときは、「無塩せきハム」と呼ばれる商品には亜硝酸ナトリウムが含まれていないのでオススメです(例:信州ハムの「グリーンマーク」シリーズ)。
サラダ編:マカロニサラダ vs. ポテトサラダ(ローソンセレクト)
マカロニサラダ(左)、ポテトサラダ(右)
食べるなら、「ポテトサラダ」です。マカロニサラダにはミックスサンド同様、「ハム」が入っているからです。
一方、ポテトサラダには増粘材の「キサンタンガム」という添加物が入っていますが、こちらは人間に投与したところ、血液、尿、免疫、善玉コレステロールなどに影響は見られず、総コレステロールは10%減っていたので問題はないと判断しました。ただサラダの中ではカロリーが高めなので、そういった意味では食べ過ぎに注意です。
ハムが入っていないマカロニサラダもあるので、表記を見るクセをつけると良いでしょう。
おにぎり編:明太子マヨネーズ vs. 炙り焼きたらこ(ファミリーマート)
明太子マヨネーズ(左)、炙り焼きたらこ(右)
食べるなら、「炙(あぶ)り焼きたらこ」です。実は明太子にもハム同様、黒ずみを防ぐ目的で発色剤の亜硝酸ナトリウムが添加されています。魚卵にはアミンが特に多く含まれていますが、これが亜鉛酸ナトリウムと化学反応を起こして、発がん性のあるニトロソアミン類に変化します。
「炙り焼きたらこ」の場合、亜硝酸ナトリウムが添加されていないたらこを使っているので、セーフです。
アスパルテームだけじゃない?知っておきたい人工甘味料
アスパルテームという言葉を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
低カロリーをうたったダイエット系のジュースやお菓子に使用されている食品添加物で、砂糖の200倍の甘味があるため、カロリーをおさえることができるとして非常に人気があります。
アスパルテームのほかに、スクラロースやアセスルファムKといった人工甘味料もありますが、こちらもアスパルテーム同様の力を発揮し、あめ、プリン、アイスクリームなどのほかに、ガムやビールなどいろいろな食品に入っています。
しかし、2012年10月に雑誌「The American Journal of Clinical Nutrition」で、ハーバード大学関連病院の研究チームが、“ダイエットソーダが血液がん(リンパ腫や白血病)のリスクを増大させる可能性がある”という論文を掲載しました。
また、2014年9月に英科学雑誌「Nature」に、イスラエル・ワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)のエラン・エリナフ(Eran Elinav)氏とエラン・セガル(Eran Segal)氏が率いる研究チームが、健康的とされる人工甘味料が、実際には糖尿病のリスクを高めている可能性があるとする研究論文が発表されています。
ガム編:キシリトールガム vs. ノータイムガム(ロッテ)
キシリトールガム(左)、ノータイムガム(右)
食べていいのは「ノータイムガム」です。
虫歯予防やエチケットとして人気のガムですが、実はガムには人工甘味料が使われています。「ガムは虫歯になる」といったイメージから、アスパルテームやアセスルファムKといった食品添加物が使われるようになりました。
「ノータイムガム」は、ガムにしては珍しくそのどちらも使用せず、「キシリトール」だけを使用しています。キシリトールは虫歯を防ぐ甘味料とされており、もともとはイチゴやプラムに含まれる甘味成分なので、安全性には問題ありません。
発泡酒編:淡麗グリーンラベル vs. 淡麗プラチナダブル(キリンビール)
淡麗グリーンラベル(左)、淡麗プラチナダブル(右)
飲んでいいのは「淡麗グリーンラベル」です。同じメーカーの製品ですが、「淡麗プラチナダブル」の方には人工甘味料のアセスルファムKが使われています。
最近アルコール飲料では「糖質オフ」や「糖質ゼロ」などがうたい文句になることが多いですが、糖質とは、食物繊維を除いた炭水化物のことで、体内で消化・吸収されてエネルギーとなるため人間には必要不可欠なものです。ただ、過剰に摂取しすぎると高血糖の原因となり、脂肪として蓄積されて肥満を引き起こすので、忌み嫌われるようになりました。「淡麗グリーンラベル」は糖質を減らしている上に、人工甘味料を使用していないので、選ぶならこちらです。
このように、ある程度ポイントを絞るだけで、選択の仕方が変わってきます。これからもこの先も健康でいるために、単に「おいしいから」「人気商品だから」だけではなく、きちんと自分の身体と相談し選ぶ習慣を身につけ、快適なミドルライフをお過ごしください。
渡辺雄二(わたなべ・ゆうじ)
科学ジャーナリスト。1954年生まれ。栃木県出身。千葉大学工学部合成化学科卒業。消費生活問題紙の記者を経て、1982年にフリーの科学ジャーナリストとなる。食品・環境・医療・バイオテクノロジーなどの諸問題を消費者の視点で提起し続け、雑誌や新聞に精力的に執筆し、現在にいたる。著者の『食べるなら、どっち!?』『使うなら、どっち!?』『40代から食べるなら、どっち!?』は、シリーズ累計27万部のベストセラー。
40代から食べるなら、どっち!?』渡辺雄二著・サンクチュアリ出版
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