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老後の経済的な不安を解消するもっとも簡単な方法
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180109-00000001-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 1/9(火) 7:00配信
老後の経済的な不安を解消する方法は?
日本人の平均寿命はどんどん延びていて、男性は79.59歳、女性は86.36歳(2015年)となっている。さらに50歳まで生きた人のその後の平均余命は男性が31.39歳、女性が37.32歳となり、日本はすでに「超高齢社会」に突入している。「老後」が長くなる一方、その生活を支えるはずの年金制度は制度疲労を起こしており、不安は募る一方だ。そんな老後の経済的な不安を解消する方法について、新刊『専業主婦は2億円損をする』が話題の作家・橘玲氏に聞いた。
橘:「老後」を経済学的に定義するなら、働いてお金を稼ぐちからである「人的資本」をすべて失った状態、となります。だとすれば、定年で会社を辞めたからといって仕事までやめるのではなく、たとえば80歳まで働き続ければ、その分、老後は短くなる。「老後問題」というのは老後が長すぎることなのですから、生涯現役によって老後を短くすれば問題そのものがなくなります。
──「人生100年時代」では、60歳で仕事をやめれば老後は40年間だし、80歳まで働き続ければ老後は20年間に短縮できる、と橘氏はいう。さらに、結婚している世帯なら、夫婦の働き方によっても大きな差が出てくる。
橘:専業主婦世帯と共働き世帯では人生設計が大きく違ってきます。夫が20代前半から40年会社に勤めて、老後を夫の年金だけで暮らす専業主婦モデルを1馬力としましょう。それに対して夫婦が共働きなら、2馬力にはならないとしても1.5馬力くらいにはなるはずです。この世帯収入の差は複利で拡大していきますから、30年、40年たつうちに大きな資産格差が生じます。たとえ1.2馬力にしかならないとしても、この複利の効果は同じです。
さらに、夫婦ともに専門的な仕事に就いていて、60歳以降も2人で年500万円の収入があるとしましょう。80歳まで働けば20年間で1億円です。仮に2人で年200万円しか稼げなくても、20年で4000万円です。
夫1人が40年働いて積み立てたお金で、夫婦2人で60歳から100歳までの計80年間(40年×2)を暮らしていく家庭と、「生涯共働き」の家庭では、80歳時点でとてつもない差がつきます。専業主婦の方は「女が働いたってたいして稼げない」といいますが、複利の効果と、長く働くことの効果を計算に入れてないんですね。
生涯共働きを超える最強の人生設計はない
──まして年金の受給開始年齢の引き上げ議論が高まっており、当初の老後プランどおりにもらえるかどうかはわからない。年金制度がいつまでも盤石だという保証もどこにもないのだ。
橘:私は、「生涯共働きを超える最強の人生設計はない」といっています。経済環境が激変してどちらかの仕事がなくなっても、世帯の稼ぎ手が2人ならリスクヘッジがきいています。日本国の財政が破綻して年金が受け取れなくなったとしても、人的資本が生み出す富で生活を支えることができます。日本や欧米のようなゆたかな社会では人的資本こそが最大の富の源泉なのですから、人生100年時代の人生設計は、いかに長く人的資本を維持するかにかかっています。
長く働くことを「苦役」にしないためには、「好きを仕事にする」以外にありません。もちろん、好きなことだけして生きていけるなどといううまい話はそうそうありませんから、キャリアを積み上げていくなかで、それぞれが「好き」をマネタイズする方法を見つけるしかありません。
いまのキャリアモデルでは、20歳で社会に出て、10年か15年かけて「好き」を仕事にする方法を見つけていきます。ところが専業主婦は20代や30代前半でキャリアを切ってしまうので、子育てが終わってから働きはじめようとすると、50歳からキャリアをスタートしなければならない。その結果、パートや契約のような非正規の仕事しかなくなるのですが、これがどれほど不利な条件かいちど真剣に考えたほうがいいでしょう。
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