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夫の生命保険6000万円の使い方を間違え困窮した一家の悲劇
http://diamond.jp/articles/-/153259
2017.12.18 横山光昭:家計再生コンサルタント ダイヤモンド・オンライン
30代後半で夫を亡くし
保険金を6000万円を手にした妻
「自分に万が一のことがあったとき、妻や子どもたちのためにお金を残したい」。そのように考えて生命保険に入っている人も多いと思います。もちろん、死亡保険金を手にするような事態になったときには、生活費などとして、当然大切に使うべきです。
ところが、いざ大金を目の前にすると、「宝くじに当たった人の末路」のように人生を狂わせることもあるようです。
都内在住のAさん(50)は、30代後半でご主人を亡くしました。子ども3人を抱え、悲しみよりも不安が勝るような状況で、母子での生活が始まりました。毎日を必死に、そして慌ただしく過ごしているうちに、夫の死亡保険金が合計6000万円ほど入り、少しだけ明るい兆しが見えてきたといいます。
同時期に、遺族年金や労災保険金が、月に合計30万円程度支給されることが分かりました。また、夫名義で購入した自宅のローンも、団体信用生命保険のおかげで、返済不要となりました。
「これで、無理して働かなくても、子どもたちを育てていくことができる」。Aさんは、ホッとしたそうです。
Aさんはそのとき思いました。「子どもたちに、父親がいないからといって引け目を感じるようにはさせたくない」と。そこで、塾に通わせたり、習い事をさせたり、希望する学校に進学させたりと、周りの子どもたちと同様の生活をさせたといいます。
一方で、保険金はしばらく使わないと思っていたこと、そして少しでも増やしておきたいという思いもあり、2000万円ほど、投資に回していました。とはいえ、自分ではよく分からなかったため、証券会社のセールスマンに相談、言われるがままに日本株式で運用していました。
こうした生活をしているうちに支出は増え、1ヵ月で50万円以上かかる月もありました。その結果、次第に赤字に陥ってしまう月が増えてしまい、夫が残してくれた保険金を切り崩して穴埋めしていました。
子どもが18歳になった段階で
減額される遺族基礎年金
ところがです。一番上の子どもが18歳になったとき、状況が一変します。遺族年金の受給額が減ってきてしまったのです。
会社員の遺族年金は、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」からなります。このうち、遺族厚生年金は故人の収入で生計を維持していた遺族が受給できるものですが、遺族基礎年金を受給するには条件があり、「子どもがいる配偶者」または「子」です。
基礎年金は、基本的な受給額のほかに、子ども一人当たりの加算額があります。今でいえば、基本が年額77万9300円、これに第一子、第二子は22万4300円、第三子が7万4800円です。当時の金額ははっきりしませんが、今の基準に置き換えると年金額は130万円程になります。
しかし、子どもが18歳を過ぎると支給額は減ってしまいます。22万4300円ずつ支給額が減り、子どもが全員18歳を超えてしまうと、基礎年金自体の受給ができなくなる仕組みです。
加えて、同じようなタイミングで労災からもらっていた保険金も終了していきます。つまり、今までの収入源の大部分が、近いうちにすべてなくなってしまうのです。
そのとき、Aさんの手元には現金が1100万円ほど、そして投資に回していた2000万円がありましたが、生活は相変わらず赤字ですし、今年から5年間、子ども3人が大学に進学する予定です。現金で残っている1100万円のうち、1人300万円を大学費用として確保しようと考えると、Aさんの生活費として残るのは200万円だけ。明らかに資金が足りません。
Aさんはそうした事態に気がつき焦りました。本来であれば、収入が激減する現状をしっかり受け止め、パートでも何でもして収入を得なければなりません。しかし、保険金を頼りにして生活してきたため働いたことがなく、働くことに対して不安を感じているそうです。
一方、運用に回していた資金は、個別株をメインにして運用していたためにあまりうまくいっておらず、評価額は1500万円程度まで減少してしまいました。
生活費の圧縮を図り
奨学金の活用も検討すべき
Aさんは現在、50歳。もしかすると、今後、50年の人生が待っているかもしれません。そう考えると、明らかに生活費不足に陥ります。働ける体力があるうちに家計の収支を改善しておかないと、今後の生活は非常に暗いものになるでしょう。
Aさんが今できることは、生活費に圧縮に加え、子どもの学費をどう支払っていくか、子どもと相談することです。今は2人に1人以上が奨学金を利用している時代。子どもにとっては借金になるので、積極的に利用しなさいとは言えませんが、子どもの将来に響かない範囲で利用してもよいのではないでしょうか。
こうしたAさんのような例は、実は結構多くいらっしゃいます。一家の大黒柱を失った時、保険金は非常にありがたいものです。しかし、一度に多額のお金が手元に入るため、生活設計や将来のことなどを考えず、無計画に使ってしまう人が意外に多いのです。
万が一のことが起きて保険金が手に入った場合、いったん冷静になって、暮らし方や将来的な見通しを考え、それに基づいてお金の使い方についても検討しましょう。
家族のために懸命に働いて、多額の保険料を毎月払ってきたのに、こういった結末を迎えてしまうのはあまりに残念な話です。死んでも死に切れません。みんなが元気な生活を送れているうちに、保険金の使い方についても話し合っていた方がよさそうです。
(家計再生コンサルタント 横山光昭)
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