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住宅ローンの完済を早める「繰上げ返済の3大鉄則」をご存じか いまから買う人にぜひ知ってほしい
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53768
2017.12.15 山下 和之 現代ビジネス
超低金利だから利息も大してかからないので、ジックリ返済すればいい。むしろ借金は多い方が得で、繰上げ返済などする必要はない――
そう考えている人がいないだろうか。
結論から言えば、それは大きな間違い。いくら超低金利といっても、利息がかかるのは変わらない。むしろ超低金利で返済額が少なくなる分、貯蓄を増やしてそれを繰上げ返済に回してできるだけ早く返済を終えるのが得策になるはずだ。
なぜ繰上げ返済でトクできるのか
住宅ローンには、約定通りに決まった額を返済するだけではなく、余分に返済することも可能で、これを繰上げ返済と呼ぶ。繰り上げ返済をすることで、借入額が減るため、本来支払うべき利息を大幅にカットできることが最大のメリットだが、利点はそれだけではない。今回はこうした意外に知られていない繰り上げ返済のメリットを紹介する。
そもそも繰り上げ返済の方法には二通りある。一つ目は毎回の返済額を変えずに、残りの返済期間を短縮する「期間短縮型」。二番目は、残りの返済期間を変えずに返済額を減らす「返済軽減型」だ。
圧縮できる利息の金額を比較すると「期間短縮型」のメリットが格段に大きく、かつ返済期間を短縮できる効果もあるため、多くの人がこの「期間短縮型」を利用している。
その仕組みは<図表1>にある通り。
この「期間短縮型」では、一部繰上げ返済する資金はすべて元金の返済に充当される。仮に100万円繰上げ返済するとして、その100万円が繰上げ返済する時点から20回分の元金に相当すれば、20回、1年と8か月分残りの返済期間が短くなる。
<図表1>の左側のピンクの部分が20回分の元金100万円になり、この元金に対応する20回分の利息を「支払わずにすむ利息」としてカットできる仕組みだ。
<図表1>「期間短縮型」の繰上げ返済でトクする仕組み
リタイアまでに完済してしまえる可能性も
毎月の返済額が8万円であれば、20回分の元利合計の返済額は8万円×20回で160万円になる。繰上げ返済しなければ160万円支払う必要があるのが、繰上げ返済によって100万円の元金支払いだけですむのだから、差し引きすると60万円の利息支払いをカットできる計算だ。
つまり、100万円の繰上げ返済することで、支払い利息60万円をカットできる上、残りの返済期間を1年と8か月分短縮できることになる。
これを何度か繰り返していけば、トクする金額が積み重なっていくだけではなく、返済期間を5年、10年と短くすることも決して不可能ではない。
例えば40歳で30年返済の住宅ローンを組んで、完済時には70歳になってしまうと不安に思っている人も、この繰上げ返済によってリタイア前に返済を終えられるようになる。
繰上げ返済は、支払い利息をカットできるメリット以上に、実はこの期間短縮という精神的な負担を軽く出来ることも大きなメリットなのだ。
繰り上げ返済「3つの鉄則」
超低金利だと、実際のところ繰上げ返済の効果は金利が高い時期に比べると小さくなってしまう。
<図表2>にあるように借入額3000万円、35年元利均等・ボーナス返済なしで、1年後に100万円繰上げ返済すると、金利3%の住宅ローンなら支払い利息を169万円カットできるのに対し、2%になると94万円に減少、1%だと39万円になる。金利が高いほどメリットが大きく、金利が低いいまは、さほどではないことになる。
それに対して、短縮できる期間は金利3%が23か月に対して、金利2%は19か月で、金利1%は16か月。たしかに、金利が低いほど短縮できる期間も短くなるが、それでも、カットできる利息が169万円から39万円に、4分の1以下になるのに比べて、短縮できる期間は23か月から16か月に減る程度ですむ。
期間短縮効果は金利にかかわらず、一定の効果を期待できるのだから、金利が低く、返済額が少なくすむ分、貯蓄を増やしてサッサと返済を終えるようにしたいところだ。
<図表2>期間短縮型で100万円繰上げ返済したときのトクする金額
@設定条件:借入額3000万円、35年元利均等・ボーナス返済なし
この一部繰上げ返済で、できるだけトクするためには三つの鉄則がある。
1.繰上げ時期が早いほどメリットは大きい
2.金利が高いほどメリットは大きい
3.残高が大きいほどメリットは大きい
というもので、これを知っていると知らないでは大きな違いが出てくる。鉄則をシッカリと頭に入れて、できるだけたくさんトクできるようにしたいものだ。
第一番の鉄則として、繰上げ返済は借り入れからの時間が早いタイミングで実行すればするほど、そのメリットが大きくなる。住宅ローン返済が始まった当初は、家計にあまり余裕はないかもしれないが、それでも可能な範囲で貯蓄を進めて、できるだけ早く実行するのが得策だ。
先の<図表2>をみると、金利2%で3000万円を借り入れた場合、1年後に100万円繰上げ返済すれば、支払い利息を94万円カットできるが、それが3年後になると86万円、10年後では62万円に減少する。借り入れ金利にもよるが効果は1年後に比べて7割以下に減少する計算だ。
当然、短縮できる期間も異なる。1年目であれば19か月短縮できるのが、10年目だと12か月に減少する。
それでも、まだまだメリットは大きいので、手元に眠らせている資金があるのなら、どんどん繰上げ返済に回すべきだろう。
繰上げ返済の鉄則の二番目は、金利が高いほどメリットが大きいということ。だから、事情があって1本のローンでは足りずに複数のローンを利用しているといった場合などは、金利の高いものから優先的に繰上げ返済していくのが鉄則ということになる。
再び<図表2>をご覧いただきたい。借入額3000万円でみれば、1年後に100万円繰上げ返済する場合、金利3%だと利息を169万円もカットできるのに対して、金利2%では94万円に、そして金利1%では39万円に減ってしまう。金利2%のローンと1%のローンがあれば、文句なしに2%のローンから優先的に繰上げ返済していくのがいいことがわかるだろう。
残高が多いほどいい
逆にいえば、金利が低いとメリットは小さいのだが、それでも、まったくメリットがないわけではない。むしろ相対的にメリットが高まるとも言える。なぜなら、超低金利ということは、住宅ローンだけではなく、各種の金融商品の利回りも低いからだ。銀行預金などはいまだに0%台が当たり前であり、そんなところに預けているよりは、繰上げ返済に回したほうがはるかに有利になる。
たとえば、100万円を金利1%で複利運用しても10年で108万円にしかならないし、30年でも128万円だ。といってハイリスク・ハイリターン商品で運用すれば、最悪元本割れという事態もありえる。
それに比べれば、金利1%の住宅ローンでも、100万円の繰上げ返済で39万円の利息をカットできる。金利1%の定期預金でも30年で28万円しか増えないのに比べれば、十分過ぎるメリットだろう。しかも、繰り上げ返済のメリットは投資と違って、確実に享受できる。
さらに言えば、先にも触れたように繰上げ返済には期間短縮効果がある。金利1%でも16か月分短縮できる精神的な効果は計り知れない。超低金利だからといって、繰上げ返済を馬鹿にしてはいけない。
繰上げ返済の鉄則の三番目は、残高が多いほど効果が大きいという点。逆にいえば、残高が少ないとメリットは小さくなる。
だから、住宅ローンの返済を行っている人のなかには、残高がもう1000万円を切ったから、繰上げ返済の効果はないだろうと思い込んでいる人もいる。たしかに、期間が経過し、残高が減少すれば、効果は小さくなるが、それでもゼロになるわけではない。
<図表3>は、借入額1000万円の場合の100万円当たりの繰上げ返済の効果を一覧表にしたもの。図表2の3000万円に比べるとトクする金額はやや少なくなるから、複数のローンがある場合には、残高の多いほうから繰上げ返済するのが得策になるのはいうまでもない。
だが、残高が少なくても、十分にメリットはある。図表2の借入額3000万円、金利2%の1年後のトクする金額は94万円に対して、図表3の借入額1000万円だと88万円に減少する。しかし、別の見方をすれば借入額には3倍の違いがあるのに、トクする金額には数%の差しかないという見方もできる。残高が少なくても、十分にメリットはあるのだ。
<図表3>期間短縮型で100万円繰上げ返済したときのトクする金額
A設定条件A:借入額1000万円、35年元利均等・ボーナス返済なし
家計管理につとめてトクする方法を考える
この繰上げ返済、少し前までは1回当たり数万円の手数料が必要で、繰上げ返済できる金額も100万円以上などの制約を設けていた金融機関が多かった。このため、手数料ばかりかかって、さほどトクできない。しかも、手続きがたいへんでその手間ヒマを考えるとメリットは小さい――と繰上げ返済を敬遠する人が少なくなかった。
ところが最近は、インターネットで手軽に手続きできるようになり、手数料なしのところが増えてきた。繰上げ返済の最低単位も引き下げられ、1円からOKという金融機関も増加している。たとえば、ネット銀行ではソニー銀行、楽天銀行などが手数料無料で、新生銀行、住信SBIネット銀行では手数料無料で1円単位からOKだ。
それでも一部には、条件の厳しいところがあるので、住宅ローンを借りる際は、事前に繰り上げ返済のルールなどについても確認しておくのが安心だ。
実際に、住宅ローンを利用した人たちに、そのローンを選んだ理由を聞くと、図表4にあるように断然のトップは「金利の低さ」だが、4番目に「繰り上返済手数料が安かったこと」が挙がっている。借入れの段階から、どうすれば少しでもトクできるか、どうすれば早く返済を終えることができるのか、先の先まで見越している人たちが少なくないのは実に頼もしい限りだ。
見てきたように超低金利のいまでも繰上げ返済のメリットは大きいので、超低金利で返済負担が軽くなっているメリットを活かして住宅ローン返済のかたわら貯蓄を進めて、できるだけ早く繰上げ返済するようにしたいものだ。
<図表4>利用した住宅金融支援機構を選んだ理由(複数回答)
(資料:住宅金融支援機構『2016年度民間住宅ローン利用者の実態調査〔民間住宅ローン利用者編〕(第2回)』)
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