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30歳で冬ボーナス100万円 製薬会社が若手に大盤振る舞いする理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171214-00000066-sasahi-bus_all
AERA dot. 12/15(金) 7:00配信
冬のボーナス、多くのサラリーマンには寒い冬になりそう…(※イメージ写真)
今年の日本列島は晩秋から寒波に見舞われ、寒さが一段と身にしみる年の瀬だ。そうした中、若手社員に手厚い冬のボーナスを支給する企業ランキングをみると、大手製薬会社が上位を占めている。支給額は平均的なサラリーマンの水準を大きく上回っている。
このほど日本経済新聞がまとめた冬のボーナス調査によると、平均年齢30歳以下の企業の支給額で首位のエーザイではモデル年齢30歳で107万6000円と100万円の大台を超えた。
2位はアステラス製薬の同95万8000円、5位が中外製薬の同85万9884円となっており、大手製薬会社が軒並み上位だ。製薬会社が高いボーナスを支給することについて、東京商工リサーチ情報部の原田三寛部長は「中長期的な人材のつなぎ止め」があるとみている。製薬業界の研究開発費は全産業の中で突出して高く、中長期的な観点で研究開発を進めていく必要があるという。
高齢化が進む日本では75歳以上の後期老人医療費が急増しており、なかでも薬価関連の伸びが顕著になっている。厚生労働省が公表している概算医療費の推移をみると、2015年度には41.5兆円と13年連続で過去最高を更新し、初めて40兆円を超えた。16年度は前年度比0.4%の微減で41.3兆だったが、後期老人医療費は増大するなど高水準を続けている。
日本経済の現状をみると、内閣府の景気ウォッチャー調査で11月の現状判断が3カ月連続で改善し、「緩やかに回復している」として「着実に持ち直しが続いている」から上方修正。
大手上場企業が発表した9月期の中間決算では過去最高益が相次ぎ、日経平均株価もほぼ四半世紀ぶりの高値を更新するなど堅調だ。政府は企業に賃上げで利益を還元するよう求め、個人消費を喚起して景気拡大を目指している。
一方、日本労働組合総連合会(連合)がまとめた冬のボーナス回答集計(4日現在)によると、組合員1人当たり平均が67万7698円と昨年実績比4.0%減だった。商工リサーチの原田氏は、長い目で見て3%の賃上げができるほど中小企業の生産性は向上していないと指摘する。好調な企業業績の中で政府の思惑とは裏腹に、多くのサラリーマンには寒い冬となりそうだ。(浅井秀樹)
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