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ビットコインバブルが「危険」とは言い切れない3つの根拠
http://diamond.jp/articles/-/152241
2017.12.8 鈴木貴博:百年コンサルティング代表 ダイヤモンド・オンライン
今やバブルの様相を呈したビットコインに対して、「バブルが崩壊するのでは」というリスクが語られている。しかしよく考えると、今のビットコインバブルはむしろ「まとも」とも言える
1年で価格が10倍に!
ビットコインはやはり危険か
ビットコインの価格がこの1年で10倍になったというニュースが、新聞の経済欄を賑わせている。2017年の年初には11万円前後で取引されていたビットコインだが、11月末に価格は110万円を超えた。
この原稿を書いている時点では、1ビットコインの価格は瞬間風速で140万円に手が届くところまできている。株価が10倍になる投資銘柄のことを俗に「テンバガー」というが、今年はビットコインがまさにテンバガーになったわけだ。
ちなみに、3年前からのビットコイン価格を調べてみると、2015年1月には最安値で1ビットコインは2万円だった。この年の年末には5万円前後になっていたから、2015年は1年でビットコイン価格が2.5倍になった年だった。さらに2016年末には11万円になっていたころから、2016年は2.2倍のペースだった。
当然のことながら、1年で倍以上になる投資商品は、それ自体市場で抜きん出た優良銘柄である。去年も1昨年もビットコインは優良投資商品だった。それが今年はさらに過熱したペースとなり、1年で10倍になったのである。
今年のペースを具体的に見ると、3月に15万円になった価格が2ヵ月後の5月には倍の30万円になった。そして5ヵ月後の10月にさらに倍の60万円に到達、そこからまた2ヵ月で倍の120万円に到達した。ペースが上がり、ビットコイン価格は明らかに「バブル」の様相を示している。
ここまで来ると「なぜ今年の初めにドンと投資しておかなかったのだろう」と悔やむ気持ちになってしまうのだが、「じゃあ今から100万円、ビットコインに投資しますか?」と聞かれると、どうしても尻込みしてしまうのが一般的な心情だろう。
そもそも、中心となる発行主体も存在しない仮想通貨の価値がそこまで上がれば、いつ価格が崩壊してもおかしくはないと誰もが思うだろう。相場がここまで過熱すれば、天井も近いという見方の方が理性的だと私も思う。
しかし、あえてここで「意外と今のビットコイン価格はまともかもしれない」という説を、その根拠と共に提示してみよう。
ただし、念のために予防線を張らせていただきたい。ここから先の議論は、経済分析的な観点から行なうものであって、ビットコインへの投資を推奨しているわけではない。そもそもここまでの高値をつけているビットコインなので、ここから先の投資判断は読者諸氏の自己責任でお願いしたい。
ビットコインバブルが
「まとも」である3つの根拠
なぜ、今のビットコイン価格は「まとも」と言えるのか?
まず第一の根拠は、ビットコインには実需があるということだ。ここでいう実需とは、ビットコインで支払いができるという意味ではない。日本でも飲食店や家電販売店を中心にビットコインで精算ができるお店は増えているが、ビットコインをたくさん持っている人が「決済に便利だからビットコインで支払う」ということは主流の用途ではない。使わずに持っていたほうが儲かる通貨なのだから、それは当然だろう。
そうではなく、ここでいう実需とは資産の貯蓄需要である。日本人の大半は資産を銀行預金の形で貯蓄している。我々がそうしている理由は、銀行が倒産するかもしれない、日本銀行券が紙くずになってしまうかもしれないといった、特別に大きな不安を抱いているからではない。
でも世界には、「銀行はいつか倒産するかもしれない」「政府が発行する紙幣は信用できない」と考える人の方が人口的には多い。
そういった人たちの従来の知恵は、米ドルの高額紙幣をスーツケースいっぱいに詰めて隠しておくことだった。だが、それもリスクはある。米ドルの高額紙幣は偽札も少なくないし、そもそも米国経済が崩壊すれば米ドルはインフレに陥り安全資産とは言えなくなるかもしれない。さらに、タンス預金は強盗に入られたらおしまいだ。
またそれとは違った観点で、発展途上国の高官などには、巨額の資産を誰にも知られずに保有したいというニーズがある。従来はスイスの銀行に匿名口座で隠すこともできたのだが、現在はマネーロンダリングへの警戒からいつ口座が凍結されるかもわからない。
そこに登場したのがビットコインで、資産を匿名で保管するには米ドルよりも安全というわけだ。実際、ビットコインの需要は中国やロシアといった新興国で多い。スマホが普及している国であれば、世界中どこの国でも安全にビットコインを保有することができるから、これから先、さらに中東やアフリカにビットコイン実需が波及する素地は十分ある。
イーサリアムやリップルって?
やはり仮想通貨では圧倒的な信用
第二の根拠として、そのような需要の向かう先として数多ある仮想通貨の中ではやはりビットコインが圧倒的に信用があるという点だ。
仮想通貨は直近で1000種類以上あるといわれている。「もうビットコインはダメだ」「これから投資するならイーサリアムだ」「いや、リップルだろう」などと、新しい仮想通貨を推奨する人は多い。
投資という観点でいえば、まだ価格が上がっていない銘柄の方が、もう上がってしまった銘柄よりも魅力的だという考えはわかる。実際、新しくつくられた仮想通貨の価格が上がりやすいというケースも散見される。
しかし、それでも世界の資金が集中するのは、今でも圧倒的にビットコインなのだ。
インターネットサイトで、世界の仮装通貨の上位100位の時価総額ランキングが発表されている。仮にその下の101位から1000位までの仮想通貨の時価総額が(実際は平均すればもっと小さいはずだが)全部100位の半分だと仮定して、本日時点における仮想通貨市場の上位集中度を計算すると、ビットコインの時価総額が市場全体の53%を占めることになる。
ビットコインは、これまでビットコインキャッシュとビットコインゴールドに分裂しているが、この3つを合計すれば60%がビットコイングループで占められている。仮想通貨で2番目に規模が大きいイーサリアムが市場全体の11%、5位のリップルが2%で、そこから下の仮装通貨はかなり規模が小さくなっている。
中国政府は仮想通貨を敵視しているようで、国内の取引所を停止することで、9月中旬にはビットコイン価格が暴落することもあった。しかし、暴落相場はわずか2日で元の水準を上回るところまで回復した。中国以外の国でもビットコインの人気は高いということだ。
その中国が11月に入って再びビットコイン取引を再開させたことで、足もとの相場加熱が起きている。一番人気の座は揺るぎそうにない。
つまり新しい仮想通貨がいくら出てきても、世界の大半の人はその新しい通貨を「あまり信用できない」と思っているということだ。「結局は仮想通貨の中でビットコインが一番信用できる」と考えるから、ビットコインの実需としての人気は不動なのである。
そして第三の根拠は、ビットコインが数多ある仮想通貨の中で、将来現実世界の基軸通貨として君臨するところまで成長すると仮定した場合、現状では国際通貨と比較してまだ時価総額(つまり通貨供給量)が1ケタ小さいという現実がある。
日本円の供給量、つまりマネーストックは、日銀の異次元緩和の中、M2という現金と銀行預金を合計した指標で980兆円、M3(M2にゆうちょ銀行への預金を足したもの)という指標だと1300兆円くらいの規模が市中に流通している。それと比べて、ビットコインの時価総額はまだ20兆円前後なので「まだまだ世界的な基軸通貨と並ぶほどの通貨量までには増えていない」という考え方だ。
とはいえ投資は
あくまで「自己責任」で
これらの根拠をまとめると、世界には仮想通貨を必要とする一定数の人口がある、その人たちの中では圧倒的にビットコインが他の仮想通貨よりも支持されている、しかしその供給量は通貨として見るとまだまだ規模が小さい、ということになる。
今後、シカゴの商品取引所などで、ビットコインの先物商品の上場が検討されている。ビットコインの投資環境は、むしろこれからようやく整うところなのである。そうなることで、これから先、機関投資家が本格参入すれば、ビットコイン価格はむしろ高値で安定し、ソフトランディングする可能性もないとは言えないだろう。
そう考えると「ビットコインバブル」と呼ばれる状況は、確かに数字上はバブルではあるものの、必ずしも「まともとは言えないとも言えない」という不思議な構造の上に成り立ちながら、現在に至っているのである。
とはいえ、繰り返しになるが、ビットコインへの投資はあくまで自己責任で――。
(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
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