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日本の中国向け輸出が過去最高に 背景にスマホ需要の拡大
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171122-00000002-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 11/22(水) 16:00配信
中国はスマートフォンの世界最大の市場(写真:アフロ)
日本の輸出が好調だ。11月20日に財務省が発表した貿易統計によれば、10月の輸出は前年比14.0%増(円ベース、速報値)で、4か月連続で二桁の伸びとなった。国別にみると、トップは中国で全体の20.2%を占め、前年比26.0%増加した。第2位はアメリカで19.1%を占め、7.1%増加。以下、第3位はASEAN諸国で15.3%を占め19.5%増加、第4位はEUで11.3%を占め15.8%増加した。輸出割合、伸び率をみる限り、中国向け輸出増が日本の輸出増に大きな影響を与えたといえそうだ。ちなみに、中国向け輸出は過去最高を記録している。
寄与度の高い品目を挙げると、半導体等製造装置、有機化合物、プラスチックで、伸び率は順に123.0%、42.2%、28.9%であった。スマホ、PC、家電などの電気製品、機械製品の世界シェア(生産地ベース)は、中国のウエートが高い。中国国内の需要動向というよりも、世界全体の需要動向に影響を受けているといえよう。しかし、この伸び率の高さを考えると、需要の好不調といった話ではなく、もっと大きな社会的な変化が起きていて、それに起因して大きく伸びているのではなかろうか。それを代表するのがスマホであろう。
中国でのスマホ生産に関しては、アップルのiPhoneばかりに注目が集まっているが、華為、OPPO、VIVO、小米、ZTEなど中国メーカーの存在が日増しに大きくなっている。中国系メーカーの輸出量が増えているということよりも、中国市場が世界最大の市場であり、かつ需要が現在でも高成長を続けていることが大きい。スマホは単に移動する電話ではなく、移動するパソコンであり、ゲームであり、財布であり、デジカメなどである。スマホが多彩な用途で使われ、次々と新しい需要を生み出しているからスマホの需要が伸び続けている。
iPhone X登場のインパクトは大きい。有機EL、顔認識、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、無線充電については今後、各社が競って導入することになろう。iPhone Xの生産がひと段落すれば、日本からの関連部品の輸出が鈍化するのではないかといった懸念もあるが、それは杞憂だろう。
中国では、政策により、電気自動車への移行を急速に進めようとしている。太陽光発電、風力発電といった新エネルギーへの転換も同様である。自動運転、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)の分野でも、政府主導により、急速に需要が拡大する可能性がある。かつてもそうであったが、中国の変化のスピードは大多数の日本人の常識を超えている。中国で、新しい産業が生まれ、需要の拡大が続く限り、技術力の高い日本にはビジネスチャンスがありそうだ。
対中貿易収支は2657億円の赤字に
輸入についても、足元の状況を確認しておくと、10月の輸入は18.9%増(円ベース、速報値)で、9月と比べ6.8ポイント高く、8か月連続で二桁の伸びとなっている。円安の影響(価格調整よりも数量調整が遅れることによる影響)もあるだろうが、やはり、足元では内需が強くなっているのだろう。国別にみると、トップは中国で全体の25.3%を占め、前年比14.3%増加した。第2位はASEAN諸国で15.7%を占め、21.8%増加した。以下、第3位はEUで12.5%を占め18.1%増加、第4位は中東で10.7%を占め42.0%増加した。
ちなみにアメリカは第5位で9.9%を占めるが、3.1%増加に留まっている。貿易不均衡は更に拡大している。トランプ政権が日米の貿易不均衡に大きな不満を抱いているが、経済構造上アメリカから輸入は増えそうにない。残念ながら、北朝鮮の脅威を材料にアメリカから言い値で武器を購入することぐらいしか解決の道がないのも事実である。
中国に関しては圧倒的に輸入シェアが高くなっている。輸出も多いがそれ以上に輸入が多いことから貿易収支は2657億円の赤字となっている。寄与度の高い品目を挙げると、衣類・同付属品、通信機、電算機類(含む周辺機器)などである。衣類は当然としても、スマホ、パソコン、テレビ、家電、電子機器を中国から大量に輸入しなければならなくなっている点は問題かもしれない。
日本はマクロでみれば、スマホ、パソコン、電子機器製品の部品を売って、完成品を買っていることになるが、全体のバランスからすれば、赤字である。今後電子部品が中国に売れなくなった場合、対中貿易赤字は更に拡大する。中国への投資(金融投資を含む)で儲けることができればよいのだが、そこも現状では欧米ほどにはうまく行っていない。10月は、日本から中国への輸出は伸びているが、さらにもっと伸ばす努力が必要だろう。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサル ティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。
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