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独国の政局不安定と、市場
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53025632.html
2017年11月21日 在野のアナリスト
米国でトランプ政権が北朝鮮をテロ支援国家に指定しました。ただ、これは米国内の位置づけが変わっただけで、特に何かが変わるわけでも、圧力が強化されるものでもありません。北朝鮮はメンツが…と報じるところもありますが、メンツに拘るぐらいなら、まだ相当の余裕がある、という裏返しでもあり、圧力が利いていないという話になる。
そんなことより問題は、中国特使が北朝鮮と何を話し合い、北朝鮮がどう返答したか? です。タイミングからみても、中国から報告をうけてトランプ政権が動いたとみられ、それは悪い情報だった可能性が高い。今はテロ支援どころか、核で戦争できる国になりつつある北朝鮮。中国の仲介を蹴った先にどんな戦略をもつのか? それが重要です。
独国でメルケル政権が連立に失敗し、少数与党による単独政権になるか、再選挙の公算が高まりました。移民政策の不一致…などと語られますが、どちらかと言えばメルケル疲れが顕著ということなのでしょう、これまでの12年に及ぶメルケル政権で、ドイツ社会民主党、自由民主党、緑の党、どこも一度はメルケル連立政権に参加し、離れてきました。離れるにも理由がある、ということです。一方で、ドイツのための選択肢や左派党は政策がまったく違うので、連立は組めない。まさに選択肢を失った格好となりました。
しかし欧米の株式市場は落ち着いています。これには理由もあって、経済のステージが低迷から回復に向かう過程では、政策出動のような政治による手立てを必要とします。なので政治の安定が求められますが、今は回復からバブルへ、という過程にあり、すでに自立して成長できる経済です。なので重視されるのは金融政策や、市場調整能力の喪失といった問題です。トランプ政権が無策でも、安倍政権が無能でも関係ありません。政治が不安定でも、むしろ市場に余計なことをしない、という意味では好感される材料といえます。
ここに来て経済が絶好調な欧州ですが、理由は英国のEU離脱に伴い、資金シフトが欧州に起こっていること。本来、そうなると英経済は弱含みますが、ポンド安により輸出が堅調、という効果により相殺され、見かけ上ウィンウィンになっている。ただし英国はインフレが止まらず3%に達し、今月には10年ぶりの利上げを実施するなど、混沌としてきました。将来的に英国はかなり危険なのですが、今は台風の目に入ったような穏やかさを、英国と欧州は享受できている、といえ、一時的な陽だまりのような状態です。
英国のように、インフレ昂進で利上げせざるを得ない、という金融政策の歪みが、今の市場ではもっとも不安視されるところでしょう。さらに日本でも、景気はまったく良くなっていないのに、緩和状態を止めて引き締めに転じれば、景気への悪影響は計り知れないものとなるでしょうし、緩和の限界によって自動的に止まった場合は、その比でないほどの下押し圧力がかかることになります。市場には政治の安定が…などという論を語る人もいますが、独国の事情がそれが必要条件でないことを示します。今の市場、北朝鮮問題も同じかもしれませんが、ナポレオンに負けたプロイセンのシル中佐の言葉がもっともふさわしいかもしれません。「終わりのない恐怖より、恐怖のある終わりがよい」 生き永らえて恥をさらすより、潔く死ぬ方がマシ、という意味ですが、この金融肥大化市場の行きつく先、恐怖のある終わりでなかったとき、もっと悲惨な状態がその後で待つことにもなるのでしょうね。
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