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マネーの膨張は何を招くのか --- 久保田 博幸 
http://www.asyura2.com/17/hasan124/msg/603.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 11 月 21 日 20:25:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

マネーの膨張は何を招くのか --- 久保田 博幸
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171121-00010008-agora-bus_all
11/21(火) 17:43配信 アゴラ


日経新聞が11月14日から連載をはじめた「モネータ 女神の警告」という特集が面白い。14日の「第一部 異次元緩和の領域」ではいくつか興味深い指摘があった。

そのひとつが、カンボジアでの通貨の流通のうち85%がドルであるとの指摘である。カンボジアの自国通貨のリエルは15%であるが、これは主に少額貨幣のセントが使えない分の代用になっているようである。カンボジアの地価は急騰し、バブルの様相を呈しており、FRBの出口戦略次第ではカンボジア経済に大きな影響を与えかねない状況になっている。

もうひとつの興味深い指摘が、アップルの保有する1500億ドルもの社債である。保有社債そのものではなく、1500億ドルの余資を抱えている点に注意したい。余資は積み上がる一方となっている。これはもちろんアップルの業績好調による面が大きいものの、重厚長大産業のように巨額の設備投資が必要ないデジタル産業であることも大きい。米国経済を支えているのが、いわゆるハイテク産業であり、このような余資が積み上がりやすい環境となっている。

さらに世界銀行の統計を基に2016年の通貨供給量が87.9調ドルと日本円で約1京円に膨らんでいる点も指摘している。2000年代半ばまでは、この世界全体のマネーの増加と世界全体のGDPがほぼ同じ規模で膨らんできた。ところが、リーマン危機後の日米欧の中銀による金融緩和策によって、マネーだけが膨らみ続けGDPを大きく上回る状況となってきた。

特集のタイトルにあった「モネータ」とは英語のマネーの語源となったラテン語だそうだが、そのマネーには3つの機能がある。価値の保存機能、交換機能(決済機能)、価値の尺度機能である。

日本など先進国では長寿社会となり老後に不安を抱えた個人とともに、企業なども余資を蓄えている。これはマネーの保存機能を重視していると言えよう。金利は極めて低い状態となっているが、積極的な投資というよりも価値の保存が優先されているように思われる。

カンボジアなどではマネーの交換機能を重視するあまり、他国通貨への依存度を深め、それは自国内で調整が利かないリスクを孕むことになる。

マネーの価値尺度という機能面では、これだけのマネーの流通量がありながら、その価値を維持し続けている。つまりインフレが抑制されている。

日本の物価の低迷の要因を含めて、1990年あたりからマネーを巡る外部環境が大きく変化した。このあたりを認識しておかないと、いまの置かれた状況が読めなくなる。さらに今後、マネーの膨張にブレーキが掛かかることが予想され、その際に何が起きるのかも想定しておく必要がありそうである。


編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2017年11月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちら(http://bullbear.exblog.jp/)をご覧ください。

久保田 博幸


 

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コメント
 
1. 佐助[5107] jbKPlQ 2017年11月21日 21:07:58 : Ed8QsK1xcY : kNlje1ZcM5Y[2]

そもそも紙幣そのものが信用膨張の根源であった。ところが、個人や企業も、紙幣を土台にして、大量の信用通貨を発行しバブルに貢献している。

最も信用膨張係数の高い金融商品は,株価はじめ国債,債券・手形・保険・投信・社債・リース・クーポン・電子マネー・クレジット・他

この空間は、プライバシー保護に守られ、そのベニスの商人的犯罪は一切追及されない。自分も神様も信じないウソを、ぬけぬけと言い張ることを許す不思議な空間である。

こうして、株式バブルの膨張係数は、一時的に足踏みしても「上昇するから買う」の繰り返しさえ妨害されなければ、宇宙よりも大きく膨らませることができる。

インフレ待望論者は、インフレを起こせば、国家や企業の赤字は、手品のように消えてなくなる。と同時に、利益のない低価格に悩む企業を助けられるという妄想を抑えることができない。

金融商品と原材料の値上がりを放置しながら、消費者の所得は増やさないまま、生産工場を海外に移転すれば、どうなるか? その答えは、国内市場が縮小するため、消費者物価のインフレは発生することができない。

紙幣を土台に、個人と企業も信用通貨を発行し、無意識にバブルに加担する。それは、人間の概念の中では、ネズミ講と同じく、無限に拡大できる。

信頼感などが永遠につづいたためしはない。バブルは、信頼感を崩壊させる事件を連続させる。そのため、世界で膨張する巨大なドルのマグマは、地震や火山の爆発のように、出口を求めて徘徊したのです。

日本が経験した90年代バブルの発生は、今回の世界信用危機の前兆でした。そして、その危機脱出のために、日銀は公定歩合のゼロ金利政策を採用しました。このゼロ金利政策こそ、今回の第二次世界信用収縮恐慌の炸裂威力と範囲を拡大した根因なのです。その破壊力の全貌は、いまだに明らかになっていません。

ニクソンはドルの世界タイトルを防衛したが
ニクソンに、ドルとの交換を拒絶されたキンは急上昇し、世界の75%のキンを温存したドルはキンとみなされ、かえって「ドル本位制」は強化された。かくて、世界に浮遊するドルを、キンと均衡させるため、値上がりが放置された。キンが通貨の尺度となると、再び十倍になる日が近い。

まもなくニクソンのキン離れによる為替フロート制は終わる。そして、世界の為替システムは、まず、ドルとユーロ通貨に各国がリンクする固定レート時代へ移行する。次に、国家がキン買いの主役となるキン獲得競争の勝者が三極目&四極目の世界通貨となる。


2. 2017年11月22日 20:10:39 : K5k2YPoJjw : 1WY87R4JP9w[253]
膨らませ 破裂するまで 焦らす日々

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