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せっかく貯めた頭金を運用に回し、全額ローンで住宅購入した男性の悲劇
http://diamond.jp/articles/-/150110
2017.11.20 横山光昭:家計再生コンサルタント ダイヤモンド・オンライン
写真はイメージです
頭金として1100万円貯めたのに
教育費が減ってしまって…
「小学生の子どもが2人いるのですが、貯めていた教育費が減ってしまって…」と家計相談に訪れた会社員のEさん(39歳)。その理由を尋ねてみると、「住宅ローン控除が受けられるから、頭金を入れずに全額ローンで家を買った方がいいと言われて、その通りにしたんですが…」と落ち込んでいました。
Eさんは、マイホームの頭金として1100万円貯まったので、住宅の購入を決意しました。そのタイミングで、同僚から「全額ローンにして、『住宅ローン控除』を受けた方が得だよ。貯めた頭金は、別のもので運用して増やせばいいし、繰上げ返済は控除期間が終わってからでいいんじゃないか」と言われたそうです。
ですが、いざ全額ローンで家を購入したら、なぜか頭金として貯めていた貯蓄が徐々に減ってきていることに気がつきました。「貯蓄の一部を小学5年生と3年生、二人の子どもの教育費に当てたいと思っていましたし、控除期間が終了したら頑張って繰り上げ返済して、住宅ローンの早期完済を目指すつもりだったのに…」と、Eさんは落胆していました。
どうして、このようなことになったのでしょうか。
実は、全額ローンにしたことで、毎月の返済負担が大きくなってしまい、その結果、家計が毎月赤字になってしまったというわけです。そもそもEさん一家は、生活費が収入の範囲内に収まっておらず、足りないときには貯蓄に頼っている状況でしたので、そうなるのも必然と言えました。
確かにEさんは、頭金をコツコツ頑張って貯めました。しかし、お金に関する知識がなく、積極的に学ぼうという姿勢もない人でした。そのため、住宅ローン控除が具体的にどのように「得」なのか、よく分かっていませんでした。
税金が還付される仕組みであることくらいは知っていたものの、具体的な手続きに関しては、住宅を購入した年に確定申告することさえ忘れなければ、翌年からは年末調整で税金が還付されるということだけ。お金の計算は専門の人がしてくれ、自動的に還付されるのを待っていればいいんだろうなぁくらいに思っていたそうです。
そんなEさんは、さらに事態をこじらせてしまいます。
減っていく貯蓄を何とか増やさなければと考え、貯蓄性のある生命保険であれば安心だし保障もされるだろうと、一括で700万円支払ってしまうのです。
結局、その後、生活費が足りなくなったため、銀行口座に残していた400万円の教育費に手を着けざるを得なくなったというわけです。
「無利息で借りられ10年還付」に
飛び付いてしまった揚げ句に
そもそも住宅ローン控除とは、どのような制度なのでしょうか。
簡単に言えば、年末のローン残高の1%分の金額を、年40万円を上限として10年間、所得税から控除してくれるというもの。住宅ローン金利が1%であれば無金利で借りられることになりますし、金利0.7%などで借りることができれば、0.3%分の金額をもうけることができます。
同僚は、そうした仕組みを知っていて、利息がかからない状態で借りられるのだから、まとまった頭金を1%でも2%でも利息が付くような形で運用した方がいいし、還付額が多くなるように「全額ローンで買った方がいい」と勧めたようです。
しかしEさんは、そんな同僚の考えなど一顧だにせず、「無利息で借りることができて、10年間税金の還付を受けられる。しかもお金を借りるために必要だった資金を運用してさらに増やすことができる」と安易に考え、飛び付いてしまったのです。
外貨建ての終身保険は不確実な商品
金の預け場所としては不適切
さらに悪かったのは、金融知識に乏しいEさんが運用先として選んだ保険が、外貨建ての終身保険だったことでした。外貨建てのため為替リスクも生じますし、10年後にどうなっているのか全く分からない商品です。そんな不確実な商品のため、使う予定のあるお金を預ける場所として適切だとは言えません。
もちろん、うまく運用できれば問題ないのですが、実際はそんなに甘くはありません。せっかく貯めた資金を毀損してしまうことだって十分あり得る話です。そうであれば、保険に回したお金を頭金として入れ、早く返済を終えてしまった方がまだマシだったと思います。
このような状況に陥ってしまったEさんが今後できる対策は、控除による還付額を減らすことを覚悟した上で、繰り上げ返済をして毎月の返済額を軽減させるか、住宅ローン返済はそのままにして生活費を圧縮するしかありません。
住宅ローンを早期に返済したいEさんは、妻に状況を話して生活費を圧縮することにしました。もちろん、子どもたちにも事情を話し、協力をしてもらうようお願いしました。貯蓄は今以上に減らさない、可能であれば少しずつ増やしていくことを目標に努力しているようです。
このように、他人がよいと言ったものをきちんと理解せず、簡単に信用してしまうのは失敗の元です。実際に行動に移すなら、メリットだけでなく、リスクもしっかり見据えて取り組まなければ、大失敗に繋がりかねません。
しかも、購入資金がなくて全額ローンを利用するケースと違い、頑張って貯めた大事なお金の使い道なのです。しっかりと勉強して知識を身につけ、無駄にしないよう気を付けましょう。
(家計コンサルタント 横山光昭)
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