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日本の宅配業者を救う旧くて新しい宅配ボックス
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171119-00010001-dime-bus_all
@DIME 11/19(日) 7:30配信
扉を閉めて伝票を差し込めば押印され、業者の配達作業は完了する。
Amazonをはじめ多くの通販サービスを毎日のように利用させてもらっている今、再配達は受け取る側も配達する側、送る側もできる限り減らしたいもの。
今回、京都市が中心となり始まった「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」は宅配ボックスを使った実証実験だ。もしかしたらこのトライアルが、社会問題にもなっている再配達を減らすきっかけになるかもしれない。
■京都市がアプローチして学生向けのプロジェクトがスタート!
京都議定書締結から20年の節目を迎えた古都・京都市は、39の大学、短期大学が市内に点在する学生の街でもある。人口の1割にあたる15万人が学生で、単身住まいも多いという。また、京都は細い道が多く、渋滞の緩和が必要であり、「もし再配達が減り、物流車両の秩序化を実現できるのなら、CO2の削減にもつながる」(門川大作 京都市長)算定だ。
2015年の国土交通省の統計によると、宅配便の再配達は全国で約23.5%にのぼる。もし仮に再配達がゼロになったとすれば、京都市の人口で割り戻すと4800トンものCO2の削減が可能という試算も出ている。
もちろん、京都市ではさまざまな活動をしてきたが、行政だけでは限界がある。そこでパナソニックと京都産業大学に協力を要請し、「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」が立ち上がった。
パナソニックは1992年から宅配ポストの販売を行ってきた。当初は100V電源を必要としていたが、1994年からは乾電池を電源とするタイプも併売。そして2007年から宅配ボックス「COMBO」が登場。こちらは電源が不要となり、サイズ展開も行ったため、使い勝手が向上した。
そして、近年の通販ブームにより宅配ボックスへ注目が集まった。2016年度は前年度比2倍、そして2017年度は前年度比5倍の売上を見込むというから驚きだ。
宅配ボックスの設置はマンションで31%が採用しているものの、アパートでは3%、戸建てでは2%しか利用されていない(パナソニック調べ)。まだまだ認知が低いというのが現状だ。そこで、同社は福井県あわら市で再配達をなくす実証実験を2016年に行った。同市は共働き率が日本一という、再配達発生の可能性が高い街のひとつ。106世帯で宅配ボックスをモニター設置し、4か月利用してもらった結果、再配達率は49%から8%へと大幅に減少した。
このような実証実験を踏まえて京都市がパナソニックへとアプローチし、さらには京都産業大学が賛同して、京都での宅配ボックス実証実験が可能となったわけだ。
京都産業大学が参加したのは、同校の立地が大きく関係している。京都市北区上賀茂本山に位置する郊外型の大学では1万3000人が学び、“ワンキャンパス“(ひとつの敷地に全学業施設を揃える)を目指している。そして、3割強の生徒が下宿をしており、多くが北区のアパートやマンションなどに住むという。
北区、そしてお隣の左京区はひとり暮らし向けのアパートやマンションが点在し、再配達の効率が悪いという。同校の学生の協力で検証することは理想的だったのだ。
また、学生のライフスタイルも変化しており、たとえば教科書もWeb上で注文、通販で手に入れることも検討されているという。そこで、「ひとり暮らしをするひとりひとりにエコの意識、省エネの意識を高めてもらうことが大切」(京都産業大学 大城光正氏)と考え、宅配ボックスの検証へ積極的に取り組むこととなったのだ。
■アパートでの実験
今回の検証は、宅配大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)も協力し、2017年11月8日から2018年1月末までの約3か月間、京都市内のアパート5カ所と、京都産業大学キャンパス内の1カ所で行われる。まずはアパートの検証を見てみよう。
取材にお邪魔したのは京都市北区にあるアパートだ。
3階建ての玄関脇に、集合住宅向けの「COMBO-Maison」を6基設置した。
パナソニックが販売するアパート向け宅配ボックスは1基あたり6万9500円(税抜)から11万1500円(税抜)。もちろん、全て電源無しで利用できる。集合住宅でアパートタイプということもあり、薄型のタイプが設置された。
ここでは佐川急便の協力で作業の実際を確認する。宅配業者が荷物を届けた際に届け先の不在が確認されると、宅配ボックスを利用することになる。ボタンを押して扉を開け、荷物を入れる。その後、扉の裏にある赤いレバーを指定の部屋番号にセットする。
そして扉を閉めて伝票を差し込めば押印され、業者の配達作業は完了する。
佐川急便のスタッフさんに話を聞いたところ、「日中は不在がちな学生さんのアパートに宅配ボックスができれば、正直助かります。配達が一度で終われば作業が減り、効率があがります」という。
一方、受け取る学生さんはというと、宅配ボックスの部屋番号が赤くなっているので、暗証番号を押してレバーを右にスライド、ボタンを押せば扉が開く。操作は簡単。しかも不在にしていても荷物が届くのだからなお、嬉しい。
彼女は京都産業大学の経営学部二回生。フリマアプリなどを使い服を買ったりすることもあり、宅配は月に2回程度利用する。ボックスができるまでは不在通知を3枚くらいためてしまったこともあり「申し訳ないって気持ち」になっていたそう。それが解消されて安心して通販できるようになったという。
■京都産業大学に宅配ボックスを設置
続いて大学キャンパスに設置した、オープン型宅配ボックスも見てみよう。
京都産業大学は京都市北区上賀茂本山にある。北区は住宅地が多い平野部と、北部の山間で成り立ち、京都産業大学(本山)は地名にあるように上賀茂神社の北部の山間部に位置する、緑濃く美しいキャンパスだ。
シャトルバスがキャンバス入口まで運行するが、スクーターなどで通学する学生も多い。
サイズは高さが1830〜1850mm。幅は2050mmで奥行きは650mmのたっぷりスペース。全19ボックスが利用できて、Lサイズが3個、Mサイズが7個、Sサイズが9個となっている。
アパートに設置した宅配ボックスが電力を使わず設置しやすくしたのに対して、こちらは雨水処理を施した屋外設置タイプ。さらに、防犯へ配慮したセキュリティ重視の設計とし、セキュリティカメラを搭載し、電気錠による自動オープンを採用した。操作はタッチパネルで行う。
荷物を運んできた宅配業者は、まず学生のID番号を入れ、ボックスのサイズを選択。荷物を入れてログアウトすれば配達完了となる。
こちらの説明をしてくれたのは日本郵便のスタッフさん。「再配達率は15%くらいですが、学生さんの方が再配達が多いと感じています。また、夜間の再配達が増えていることもあり、宅配ボックスが大学にできるのは正直助かります」という。
操作はマンションの宅配ボックスに似ているので、戸惑うことは少なく、このサイズのボックスであれば大体の荷物を収めることができて便利だとも話してくれた。
利用する学生は、自宅ではなく京都産業大学の宅配ボックスへ直送することもできるし、不在票を確認して再配達先をコチラに指定することもできる。
学生に話を聞いたところ「不在にしているのは大学に来ている場合が多いので、大学で受け取れるのはありがたいです。また、サークルや部活のみんなのために大荷物を配送してもらう場合だと、大学まで運ぶのがひと苦労だけれど、直送してくれるとラクですね」と感想を伝えてくれた。
京都市で始まった、再配達を減らす取り組み「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」は、ひとり暮らし家庭の再配達を少なくする実験だ。こちらが成功すれば、荷物の配達作業が減るだけではなく、CO2排出量も減らすことができるかもしれない。
働き方改革が叫ばれ、仕事の効率化が重視される時代。昔からありながらあまり注目されずにいた宅配ボックスの存在価値が今、急速に高まっているようだ。
取材・文/中馬幹弘
@DIME編集部
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