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日経平均が26年ぶりの高値
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53011848.html
2017年11月07日 在野のアナリスト
9月の毎月勤労統計、実質賃金が前年比0.1%減と、4ヶ月連続の減少です。しかもパートタイム労働者は0.1%増ですが、一般労働者は0.5%減と大幅な下落です。常用雇用は2.7%増となりますが、労働時間は横ばい。本当に労働力が足りないわけではなく、囲い込みたいがためだけに若者を集めたい、として人手不足を嘆く、といった印象もうけます。
安倍政権になってから実質賃金が上昇したのは28年度だけ。しかもその年は0.2%のデフレであり、それが寄与した形です。今年はここまで0.6%のインフレのため、例に漏れず実質賃金はマイナス、という状況。インフレで経済が良くなる、などとして脱デフレを目指していましたが、脱デフレで生活が苦しくなっていることが指標からも明らかです。
しかもここに来て、サラリーマン増税が政府税調で語られる。サラリーマンに必要経費として認められ、控除されてきた分を大幅に減らし、税負担を重くする、というもの。年収500万円のモデルケースでは年間30万円の負担増と、労働者は塗炭の苦しみを味わうことになります。さらに年金生活者には年金増税が、診療報酬の改定による医療、介護の負担が来年度は行われる見通しで、介護保険料も20歳以上で全員徴収、との計画もあります。
しかも、大学授業料を出世払いで、などという案も自民の教育再生実行本部で検討されている。親世代の負担は減りますが、年金に介護と、20歳から徴収されることになれば、払えない学生が親に頼ることもあるでしょう。さらに就職もできず、返済が困難となれば自己破産する若者が増えることも予想される。上記したように、労働時間が増えていない現状は、決して労働力不足で困っている、といったことではなく、今の好環境でさえ横ばい、これで景気が悪化すれば、また雇用が蒸発する可能性もにじませるのでしょう。
企業は未曽有の好業績、とされながら、それと反比例するように労働分配率が下がる。その原因は、今はBtoBによるビジネスモデルが多く、キャッシュリッチな企業が有利になる環境であり、労働分配率を上げてまで個人消費を促す必要性を、多くの企業が感じていない。これがインフレにならない主因、つまりBtoBのビジネスモデルが増えるに従い、最終消費という形の物価、が固定される傾向が強まっているのです。
それに胡坐をかいて低金利を維持するから、企業は益々享受し、BtoBのビジネスで収益を上げ、最終的なBtoCの業態だけが苦境、という現在が生まれています。例えばサウジで後継問題により戒厳令に近い状態になっています。巨大な投資家まで逮捕、勾留されていますが、反応は原油相場で大きくでました。後継王子が減産に前向き、とされるためですが、原油相場では減産が主要課題です。これだけ好景気を謳われるのに、一向に原油の需要は増えてこない。技術革新で化石燃料をつかわなくなった、という面があるにしても、BtoCを意識しがちな原油相場が未だにもどっていないことが、現状をよく映すのです。
ビジネスモデルがBtoCからBtoBに移っているのに、金融政策はBtoCの部分をみて決定される。その誤謬に気づかないうちに、株価はバブル後の高値を越えてきました。しかし今日の市場は、先物で買い方に見せ玉が多くでたことで、日系の証券会社が釣られた印象しかなく、要するに買いを飛ばすぞ、という昔でいえば「青い鳥」に踊った。こういう取引が出てくるのも、バブルの所為といえるのでしょう。
しかも最近、売買代金は3兆円越えですが、売買高は20億株にも満たない日がつづく。要するに先物で飛ばし、大型株しか扱っていないからこういう事態になるのであり、相場の広がりは感じられません。上がるから買い、買うから上がる。そのくり返しで大型株優位の展開となり、そうさせますが、健全な相場とはいえない状況です。
バブルの定義は様々ですが、中央銀行の不作為をもって、実体より押し上げられた経済状態をそう指すのなら、間違いなく今はバブルです。広辞苑の改定でも入った『ゴチ』ですが、日銀ならぬ『ゴチ銀』により市場は浮かれ、26年ぶりの高値となりました。日銀がこのまま『ムチ銀』でありつづける限り、この肌感覚とはまったく合わない市場がつづいてしまうのかもしれませんね。
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