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会議室も飲み会も社内メールも捨てた! ベンチャーで進む「仕事の断捨離」最前線〈AERA〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171106-00000064-sasahi-life
AERA 2017年11月13日号
UZUZの断捨離MTG。「これは必要だから残すべき」など率直にみんなが意見を出し合う(編集部/高橋有紀)
始業時間も就業時間もなく働きづめで、オフィスの床に寝袋でゴロ寝。ベンチャー企業には、こんなイメージが付きまとう。それも今は昔。「働き方改革」をボトムアップで実現していた。
大企業ではなかなか進まない働き方改革。制度をつくるのではなく不要なものは捨てていくのが、フットワークの軽いベンチャー企業の得意なやり方だ。彼らは何を捨て、何を得たのか。
【UZUZ】
2012年設立/社員35人/若手人材に特化した人材紹介事業
無礼講で断捨離 有休消化率が倍に
第二新卒・既卒・フリーターに特化した人材紹介サービスのUZUZ(ウズウズ)は、四半期に一度、「断捨離MTG(ミーティング)」なるものを開催している。
その名の通り、業務や会社のムダを「断捨離」するためのミーティング。取材した日は、営業からバックオフィスまで、各部署から8人が参加していた。
事前に全社員35人が「嫌なこと」「無駄なこと」を申告。それらを書き込んだ付箋が貼られたホワイトボードを囲み、集まった8人で「何をやめるか」「どうしたら効率化できるか」を話し合う。この日挙がった「嫌なこと」の一例は、「電話ヒアリング中の大きな話し声」。
「確かにこれはカスタマーサポート(CS)の業務に支障をきたすよね」
「遠くの人に話しかけるとき、島を挟んで話すのもうるさい。近くまで歩いていって話そう」
「あ、それ俺だわ」
「盛り上がっている人たちは気づかないから、気づいた周りの人がトーンダウンするように言ってあげるのがいいよね」
「気づきやすいのはCSの隣の席? じゃあ、水野さんがCSに気を使う大臣ってことで」
貼り出したすべてに改善策を用意する。必要なら、「担当大臣」も決める。この日は27の「嫌なこと」「無駄なこと」を断捨離した。
過去には、「有休取るのが申し訳ないという気遣い」をやめて、有休消化率が43%から82%に向上した。「朝礼で一からすべてを共有すること」をやめ、事前にチャットワークで情報を共有することにした結果、疑問の解消だけが朝礼の議題になって、所要時間が40分から15分に。
「求職者との20時以降や土日の面談」も思い切ってやめた。その時間帯にしか面談できない人は、結局は「平日昼」の企業の面接も受けられないことが多い。長時間勤務で疲弊する社員が減って、売り上げは増えた。専務取締役の川畑翔太郎さん(31)は、
「断捨離で大事なのは、何でも言っていい空気をつくること」
と話す。
「仕事なのにムダだなんて言ったらいけないんじゃないか」と遠慮する社員もいるが、ムダを申告しない社員には「残業時間がずいぶん多いけど、本当にムダはないの?」と繰り返し確認する。断捨離MTGは、業務が効率的でない人の働き方をチェックし合い、アドバイスする機会にもなっている。
【CaSy】2014年設立/社員19人/家事代行サービス
社員の遅刻は不問 働く誇りが持てた
「ママ、お仕事行かないで」
「今日もお迎え遅くなる?」
離れたくないとぐずる子どもをなだめながら、遅刻しないよう何度も時計を確認する。
後ろ髪を引かれる思いで出社した日は、仕事をしながら一日じゅう、モヤモヤが消えない。育休明けに、こんな経験をしたことのある人は多いだろう。
家事代行サービスのCaSy(カジー)では、子育て中の従業員の「遅刻扱い」をやめた。数分、ときには数十分遅れることがあっても、報告は必要ない。この制度を導入したマーケティングチームは6人中4人が子育て中の女性だ。「保育園に子どもを送ったときに……」と冒頭のような体験を語り合う雑談をきっかけに、生まれた制度だ。
顧客との約束があって時間厳守の家事代行の現場とは違い、マーケティングの仕事は、アポイントがない日なら数分から数十分遅れたとしても、業務に影響を及ぼすことはない。発案者の一人でPR担当の里田恵梨子さん(35)はいう。
「5歳の娘はわりと繊細なタイプ。前の職場で忙しくてお迎えに遅れてしまう日が続いたとき、『怖くて保育園に行きたくない』と不安定になって、母であることよりも会社の一員としてルールを守ることのほうが大事なのか、と悩んでいました」
子どもと相対するだけで大変なのに、遅刻したり休んだりすることへの申し訳なさや焦りが、ストレスを倍増させる。遅刻にならない。たったそれだけのことなのだが、目の前の子どもに、
「なんでぐずるの」
「なんで熱出すの」
などという気持ちを抱かずに済むようになったという。
遅れた分のリカバリーは、個人の裁量に任せている。
4歳と6歳の2児を育てている伊東佳奈さん(41)がいう。
「業務全体を通じて結果が出ていればOKという社風ですが、翌日に早く来るとか、少し残って仕事をするとか、必ずどこかで相殺するようにしています」
自身の仕事に誇りを持てるかどうかは、働く者にとって大きな意味を持つ。
「子どもを預けて働くからには、ママはこんな仕事をしてるんだよって誇れる仕事をしたいと思うんです」(里田さん)
数字に表れる、会社の成果に直結するものだけが改革ではない。家族みんなが幸せになる。それも大事な「改革」なのだ。
【シックス・アパート】
2003年設立/社員35人/サイト構築・管理の技術開発など
全員がテレワーク仕事も介護もできる
「毎日会社に出社すること」すらやめてしまったのは、企業のウェブサイトを構築するためのプラットフォーム「Movable Type」を開発するシックス・アパートだ。
従業員は40人だが、オフィスにはフリーアドレスの座席が10しかない。全社員が毎日テレワークで働いており、地方在住の社員も2人いる。
テレワークを始めたきっかけは東日本大震災。政府が企業に15%の電力使用量削減を呼びかけたことだ。「週5日の出社を1日減らせば20%減になる」と考えてシステムを整えた。本格的に「全社員テレワーク」を導入したのは2016年8月。親会社からの独立に伴い、120坪のオフィスから30坪のオフィスに引っ越し。「会社のほうが働きやすい」という人は毎日出社しても構わないが、大半は月1〜4回ほどの出社だという。
賃料、光熱費、社員の定期代、通勤にかかる時間。テレワークの成果は、そうしたコストの削減だけにとどまらない。
顔を合わせて会話しない分、業務に関することは各自が明確にテキストや資料で伝える必要がある。情報共有と透明化が進み、社内のコミュニケーションは以前より濃密になった。
いつ、どこで働いてもいいから、さまざまな事情を持つ社員が、継続的に快適に働ける。家族のケアのために月の半分は関西の実家で、半分は東京で過ごす、というスタイルの社員もいる。遠隔地に住む優秀な人を社員として迎えることもできるようになった。
成功の秘訣(ひけつ)を、社長の古賀早(はじめ)さん(52)は「最小限のルールにしているから」と分析する。
「対象者や回数を限定したり、事前の申請・承認が必要だったり、使うのを妨げるルールを設けると失敗する。全員一律でシンプルなルールにしています」
勤務時間は自己申告で、働いているかどうか監視したり、管理したりすることはない。
そもそも「朝早く出社して夜遅くまでがんばってるね」ではなく、業務の過程や成果で評価する。「いかに働くか」を自由に決められる分、責任とセルフマネジメントが求められる。
「疑いだしたらきりがないし、性悪説を立てても仕方ない。そういう意味では、疑うことをやめた、とも言えるかもしれません」(古賀さん)
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