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アベノミクスには今、「原点回帰」が必要だ 点数にするなら60点といったところ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53411
2017.11.06 真壁 昭夫 信州大学経済学部教授 現代ビジネス
■海外経済の回復に支えられたアベノミクス
11月1日、第4次安倍内閣が発足した。全閣僚が再任され、政策を運営に当たっては経済の再生が最優先される方針が示された。
具体的には、”生産性・人づくり”を進めることで経済成長を実現していくことが強調された。この内容は、これまでの安倍政権が重視してきた政策の内容と大きく変わらない。
今後、政府が最重点で取り組むべきは規制を緩和し、企業がイノベーションを発揮しやすい環境を整備していくことだろう。
政治的なしがらみを解消しながら、民間の活力を高めなければならない。それが生産性の向上や人材の育成につながる。それは容易なことではないが、構造改革を進めることができるか否かが安倍政権の課題だ。
2012年12月の総選挙にて自民党が政権与党の座に返り咲いて以来、わが国の経済は緩やかな回復を維持している。
当時の状況を振り返ると、米国の景気は緩やかに回復していた。それに加えて、中国政府が財政出動を進めてインフラ投資などを進め、需要が回復してきたことも見逃せない。米中の景気回復が国内経済を支えたことは重要なポイントだ。
この見方に基づくと、2013年4月以降に日本銀行が進めた「異次元の金融緩和」は、米国主導で進んできたドル高・円安の流れをより強くしたといえる。
事実、2011年10月末にドル/円は史上最高値の1ドル=75円32銭をつけ、それ以降は円が徐々に減価した。
つまり、日銀の異次元緩和は円安のマグニチュードを増幅し、2015年半ばまで一時的なドル高・円安トレンドを支えた。こうして企業業績がかさ上げされ、株価も上昇した。
その一方、労働市場を中心に多くの経済の専門家が注目してきた成長戦略=構造改革は十分に進まず、ある意味では御座なりになったともいえる。
その証拠として、景気の回復にもかかわらず、実質ベースで賃金は増加していない。直近のデータを見ても、8月の実質賃金は前年同月比で0.1%の増加だった。これは、8ヵ月ぶりの増加だ。
11月1日、第4次安倍内閣が発足した。全閣僚が再任され、政策を運営に当たっては経済の再生が最優先される方針が示された。
具体的には、”生産性・人づくり”を進めることで経済成長を実現していくことが強調された。この内容は、これまでの安倍政権が重視してきた政策の内容と大きく変わらない。
今後、政府が最重点で取り組むべきは規制を緩和し、企業がイノベーションを発揮しやすい環境を整備していくことだろう。
政治的なしがらみを解消しながら、民間の活力を高めなければならない。それが生産性の向上や人材の育成につながる。それは容易なことではないが、構造改革を進めることができるか否かが安倍政権の課題だ。
2012年12月の総選挙にて自民党が政権与党の座に返り咲いて以来、わが国の経済は緩やかな回復を維持している。
当時の状況を振り返ると、米国の景気は緩やかに回復していた。それに加えて、中国政府が財政出動を進めてインフラ投資などを進め、需要が回復してきたことも見逃せない。米中の景気回復が国内経済を支えたことは重要なポイントだ。
この見方に基づくと、2013年4月以降に日本銀行が進めた「異次元の金融緩和」は、米国主導で進んできたドル高・円安の流れをより強くしたといえる。
事実、2011年10月末にドル/円は史上最高値の1ドル=75円32銭をつけ、それ以降は円が徐々に減価した。
つまり、日銀の異次元緩和は円安のマグニチュードを増幅し、2015年半ばまで一時的なドル高・円安トレンドを支えた。こうして企業業績がかさ上げされ、株価も上昇した。
その一方、労働市場を中心に多くの経済の専門家が注目してきた成長戦略=構造改革は十分に進まず、ある意味では御座なりになったともいえる。
その証拠として、景気の回復にもかかわらず、実質ベースで賃金は増加していない。直近のデータを見ても、8月の実質賃金は前年同月比で0.1%の増加だった。これは、8ヵ月ぶりの増加だ。
その意味で、アベノミクスが国内経済を本格的に回復させたとは言いづらい。
政治基盤の安定により長期の視点で経済の動向を考える環境を整備したこと、金融緩和で一時的な期待を高めたことを考えれば、100点満点中60点が妥当な評価だろう。
ただ、いつまでも米中の回復が続くわけではない。米中の景気が悪化すると、国内経済は厳しい状況に直面する恐れがある。
■求められる成長戦略の原点回帰
経済政策に焦点を絞ると、異次元の金融緩和以外にアベノミクスがそれなりの成果を示すことのできた政策はないと考えられる。
通貨膨張を意味する「リフレ理論」に基づき、年間80兆円に達するペースで国債を買い入れ、企業や家計の借り入れ意欲を刺激しようとしてきた日銀の政策も限界に達した。更なる金融緩和は、金融機関の収益性悪化など経済にマイナスの影響を与えかねない。
財政政策の側面では、高齢化の進展によって膨張する社会保障費の削減が必要だ。追加的な財政出動の余地は限られている。
このように金融・財政政策の手詰まり感が高まる中、政府は構造改革を進め、民間企業の「新しい取り組み」を支える必要がある。それが、当初のアベノミクスが目指した「成長戦略」の本義であったはずだ。
第4次安倍内閣は生産性の向上と人づくりを重視している。いずれの論点においても、”需要”がなければ実現は難しいはずだ。
そのために政府ができることを考えると、規制緩和などを進めて、従来にはなかった取り組みを促進していくしかないだろう。
民間企業が”イノベーション”をめざし、これまでにはない新しいモノやサービスを創出しようとする環境を作り出すことが求められる。
このように考えると、安倍政権は成長戦略の原点に立ち返るべきだ。
政府は、規制の緩和を進め、既存の企業と新規参入企業の両方が切磋琢磨して付加価値の増大を追求する状況を整備することに注力すればよい。
それこそが、少子高齢化が進む中での潜在成長率の引き上げと、生産性の向上や人材の育成などに寄与するだろう。
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