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住環境を選ぶ際に「学区」が重要視されているという
小学校の学区で引っ越し先を選ぶ「公立小移民」が増加中
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171103-00000001-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 11/3(金) 13:00配信
住まい選びの立地は様々な視点から検討されるが、最近では教育環境や資産価値の面から、公立小学校の「学区」が注目されているという。
その背景について、不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティングを行うスタイルアクト株式会社代表取締役の沖有人氏が解説する。
「小学生のお子さんがいらっしゃるご家庭だと、放課後は友人と遊ぶのが当たり前になるかと思います。そのとき、屋外で運動するならまだしも、家でゲームばかりやっているようでは、なんだか先行きが不安になるのが親心ですよね。
学校の友人だけでなく、住人同士で挨拶ができる、ゴミ置き場のマナーが浸透している、近隣住民も教育熱心な家庭が多い環境のほうが安心でしょう。親にとって価値観の近い住民の多い地域であれば、おのずと子供やその友人も価値観を共有していくものです」(沖氏)
そうした環境を選ぶ際に重要視されるのが、「学区」なのだという。
「誤解を恐れずにいえば、両親の学歴・年収が高いエリアということです。一般的に学歴によって年収には差があり、年齢が上がるにつれてその差は大きくなっていきます。また、大学卒業者率が高いエリアほど、平均年収は高くなります。親の学歴・平均年収が高いほど教育熱心なご家庭が多く、子供の中学受験率も高い傾向があります。そして、このように親の学歴・平均年収が高いエリアは、人気公立小学校の学区とも一致するのです」(同前)
つまり、人気公立小学校があるエリアは両親の学歴・平均年収が高く、教育や家庭内のしつけがしっかり行き届いている価値観の近い住民が多く住んでいる“いい環境”の街だというのだ。
実際、子供によりよい教育環境を与えたいと考え引っ越しを選択する、“孟母三遷”の教えを地で行く親も少なくないという。
「子供によりよい教育環境を与えたいと、お目当ての人気公立小学校の学区に引っ越す世帯は『公立小移民』と呼ばれています。弊社が運営する不動産情報サイト『住まいサーフィン』の会員499人にアンケートを実施したところ、『小学校の学区を意識して物件を選んでいる』という人が購入者の1割いることが判明しました。30代に限定すると、実に16%、6世帯に1世帯が公立小学校を意識しているという結果になったのです。つまり、人気の公立小学校では、定員の2割近くがこうした入学目的の引っ越し族なのです」(同前)
■人気学区の立地は資産性も高い
実際のケースを見てみよう。3歳の子供を持ち、都内のIT系企業で事務職として働く東野由美さん(仮名・31歳)は、最近、公立小学校を意識して引っ越しをしたという。
「神奈川県川崎市にある宮前平小学校に通える学区内に引っ越しをしたのですが、もともと国家公務員宿舎や大手企業の社宅が多いエリアで教育熱心な方が多く、環境もいい。それに、私の実家が近いということもあり、この公立学校に通える学区に引っ越しをしました。
ここで小学校時代を過ごし、私立中学を受験してもいいですし、地元の公立中学にそのまま入ってもいいと思っています。夫は都内の会社に勤務していて、通勤は少し不便になりましたが、子供の教育のためにということで夫婦で答えを出して、この地域を選びました」(東野さん)
宮前平小学校は川崎市宮前区にある公立小学校のなかでも、平均世帯年収は1044万円でトップ。しかも、横浜なども含め、神奈川県全体でもトップだという(「住まいサーフィン」調べ)。
人気学区の立地の多くは需要が供給を上回るため、資産性も高い。人口減少、少子化の時代だからこそ、「教育環境がよく、資産性も高くなる人気公立小学校の学区」という視点で住宅の購入を考えている人が増えているようだ。
【プロフィール】沖有人(おき・ゆうじん):スタイルアクト株式会社代表取締役。国土交通省「住宅エネルギー性能表示検討委員会」の委員なども務める。新刊『マンションは学区で選びなさい』のほか、『マンションは10年で買い替えなさい』など著書多数。分譲マンションの無料会員制情報サイト「住まいサーフィン」を運営。
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