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コンビニで売られているカップ麺や缶コーヒー――等々。もし、ドラッグストアで買うなら商品によっては半値近くで買えることも!(写真はイメージです)
ドラッグストアがカップ麺や缶コーヒーを激安販売できる理由
http://diamond.jp/articles/-/147655
2017.11.1 松崎のり子:消費経済ジャーナリスト ダイヤモンド・オンライン
ビジネスパーソンの中で「小遣いが足りないなあ」と嘆いている人は、日頃こんな行動をしていないだろうか。やりかけのデスクワークを片づけるため、昼は軽く済まそうとコンビニに行き、カップ麺とペットボトルのお茶を買う。ついでに食後のおやつにとチョコも手にしてレジに向かう。これは惜しい。もし、その近くにドラッグストアがあるなら、先に覗いたほうがいい。なぜなら、カップ麺もペットボトルもおやつ類も、ドラッグストアの方が安く買えるからだ。
日用品と医薬品を買う店というドラッグストアのイメージは、もう過去のものになった。経済産業省「商業動態統計年報」(平成28年版)によると、ドラッグストアの年間販売額は5兆7258億円(前年比6.8%増)と2年連続で増加している。この売り上げに大きく寄与したとされているのが食品だ。
商品別ではOTC医薬品(薬局やドラッグストア等で販売されている医薬品)やビューティーケア品、家庭用品・日用消耗品等を抑え、食品の販売額が約1兆5000億円(前年比11.4%増)で最も多くなっている。
中でも大規模な駐車場を備えた地方の大型ドラッグストアは、もはや総合スーパーの様相だ。加工品や冷凍食品だけでなく、卵や肉・野菜などの生鮮食品も扱っている。アルコール類の品揃えも豊富だし、カジュアル衣料品を扱う店舗まで見かける。そして、おしなべて安い。
食品に関しての筆者の印象は、安さ順にドラッグストア>スーパー>コンビニという図式だ。
その差がどの程度あるのか、500mLペットボトルのお茶、ミニサイズの缶コーヒーとカップ麺をサンプルにして、地元のコンビニとドラッグストアで比較してみた(注1)。ただし、ドラッグストアは店舗やセールにより価格(注2)が異なることをお断りしておく。
(注1)コンビニはセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの各フランチャイズの場合の金額。ドラッグストアは、ツルハドラッグ、ココカラファイン、クリエイトSD(以下、クリエイト)の金額。
(注2)文中の価格は税抜き表示。食品を扱っていない店舗もある。
まず、ペットボトルのお茶はコンビニではメーカー品が119〜129円(注3)、各コンビニのプライベートブランド(PB)商品がメーカー品よりも安くなっており93円。対してドラッグストアはメーカー品であっても、68〜78円とさらに安い。メーカー品はコンビニの半値前後の値段だ。
缶コーヒーはコンビニで93〜114円の幅だが、ドラッグストアでは売れ筋ではないらしく品数が少なめで、ツルハ、クリエイトで見つけたものが68〜75円。ただし、特価品で38円という驚異の数字に遭遇した。コンビニのほぼ3分の1の値段だ。
次にカップ麺。様々な種類があるので、日清食品の「カップヌードル」に絞って価格調査をしたところ、コンビニはおおむね170〜171円。ドラッグストアは最安店が98円で、後は138円、148円だった。しかし、各社PB(セブンプレミアム、ファミリーマートコレクション、ローソンセレクト)のカップ麺もあるので、その値段でいえば111〜128円となる。なお、ドラッグストアにもPB商品があり、そのカップ麺の価格は58円、78円と100円を切っている。
カップ麺を買うのもドラッグストアに優位があるといえそうだ。なお、女性に人気のスープ春雨もドラッグストアに並んでおり、PBなら88円だった。スーパーでもめったに100円は切らないので、かなりありがたい金額だろう。
これだけではない。ついでに缶ビールの価格も比較してみた。アサヒの一番メジャーな銘柄(350mL)を見たところ、ドラッグストアでは1本188〜198円に対してコンビニは205〜208円。帰宅途中にコンビニでビールを買っているという人にとっては、ちょっと残念な結果になった。
ちなみに、筆者の地元ではおにぎりを置いているドラッグストアもあり、一個が88〜98円。おにぎり1個とペットボトルのお茶1本を購入するなら、最も安いものを選べば156円程度で済む。
これらは明らかにコンビニを意識している数字だろう。1品100円を切る値付けは消費者の心をくすぐりやすい。コンビニも値引きキャンペーンを行い、中食需要を刺激しているが、コンビニの優位点は値段よりも24時間(注4)いつでも開いている利便性だ。そこを尻目に、ドラッグストアはコンビニと同じカテゴリーの商品を20〜30円安くする。なぜそんなことができるかというと、ドラッグストアは食品で儲けなくてもいいからだ。
(注3)通常販売している金額。
(注4)店舗、立地によっては24時間営業でないところもある。
毎日買い物に来てくれる
お客がほしい
なぜドラッグストアの食品は安いのか。本来薬局であるドラッグストアは、これまでティッシュやトイレットペーパー、洗剤など生活日用品の安売りで客を集めてきた。しかし、いくら安さをアピールしても、日用品は毎日買うものではない。一回買えばしばらくは事足りる。
ところが食品は別だ。コンビニで昼食を買う層を意識した値付けにすれば、毎日買い物に来る見込み客を確保できる。筆者の見ているドラッグストアは、昼時になるとカップ麺や飲み物、パン類やお菓子を手にレジを待っている男性客をよく見かける。向かいにあるコンビニに並ぶ客が手にするものとほとんど同じ内容だ。
とはいえ、ドラッグストアにとっては食品で儲けることが最終ゴールではない。これまでこっちに来なかった客層にも、足を運んでもらう行動習慣を植え付けることが肝心なのだ。飲み過ぎた翌日に、ペットボトルのお茶を買うついでに、胃薬やドリンク剤を手にしてくれればいい。来店機会が増えれば、ついでに利幅の大きい医薬品を購入してもらえるきっかけになるからだ。
ドラッグストアの戦略はコンビニフードだけではない。納豆や豆腐、ハム、ソーセージ、ヨーグルトなどの日配品、ケチャップやマヨネーズ、カレールーなど食卓に上る食品も、スーパーに対抗しているかのように売価は安い。スーパーマーケットと同じ商品が買えて、しかももっと安いとなれば、奥様方も頻繁に訪れる。安い物を買うためには手間を惜しまない賢い主婦なら、ドラッグストアとスーパーをはしごするだろう。ドラッグストアにとっての食品戦略は人を幅広く呼び寄せる撒き餌というわけだ。
そんなドラッグストア食品の安さの一角を担うのが、PB商品だ。ウエルシアホールディングス、ツルハホールディングスはイオンのグループ企業であり、イオンのPB食品を系列のドラッグストアで扱っている。イオンのPB「トップバリュ」ブランドは、さらに4ラインに色分けされている。
最も一般的なトップバリュ、価格の安さより商品にこだわった「トップバリュ セレクト」、最も低価格を目指す「トップバリュ ベストプライス」、ナチュラルやオーガニックを意識する「トップバリュ グリーンアイ」なのだが、このうち「トップバリュ」と「トップバリュ ベストプライス」の安価ラインの商品が主に買える。
さらに、独自のPBにも力を入れている。ツルハホールディングスのPB「M’s one(エムズワン)」は、MANZOKU's(たくさんの満足)+one(ひとつの、とっておきの)を組み合わせたネーミングで、「ベストクオリティ」と「ベストプライス」をコンセプトに開発しているという。
クリエイトは、全国各地のチェーンストア16社と生活協同組合3協が参加するニチリウグループの一員として、グループ共通のPB商品「くらしモア」を取り扱う。PB食品と言えばコンビニ、スーパーの牙城だったイメージはすでに過去のものとなり、業態の住み分けはさらにクロスオーバーし、苛酷になっている。消費者は、これまでの常識にとらわれていると、安い物を買い逃す時代に入ったのだ。
熾烈な値引きと
ポイント争いも進行中
ドラッグストア各社は、独自の会員制度を使って値引きやポイントアップデーを実施している。会員向けに、ツルハドラッグは毎月1、10、20日が5%引き、サンドラッグも月曜が5%引きになる(店舗により異なる)。対象外の商品もあるが、まとめ買いするなら該当の日を狙いたい。
しかし、残念なことにドラッグストアの独自ポイントは若干魅力に欠ける。というのも、コンビニはTポイント、Ponta、楽天スーパーポイント、dポイントなどの共通ポイントが1ポイント=1円として使え、スーパー各社も同様に現金ポイントを使って買い物ができるからだ。これに対して、ドラッグストアのポイントを買い物で利用するためには、500ポイントなど一定ポイント数まで貯める必要がある場合が多かった。ところが、主要各社が共通ポイントの加盟店を広げることで、その弱点は克服されつつある。
例えば、ウエルシアではTポイントが、ツルハドラッグでは楽天スーパーポイントが使える。Yahoo!や楽天のネットショッピング等で貯まった共通ポイントを、ドラッグストアで使うことができるわけだ。ウエルシアでは毎週月曜日がTポイント2倍、65歳以上の人は毎月15、16日が3倍のシニアズデーとなる。さらに、毎月20日は200ポイント以上を使って買い物すると1.5倍分の買い物ができる(対象外の商品あり)。Tカードを持っていれば改めてウエルシアの会員になる必要はないし、スマホ用アプリでも十分だ。
また、ツルハドラッグは、一回の買い物でツルハ、楽天それぞれのポイントカードをレジに出せば、ツルハポイントと楽天スーパーポイントの両方がつく「ダブル貯め」ができる。何とも大盤振る舞いだ。ちなみにドラッグ各社の独自ポイントもポイント倍増デーを設定しており、5の倍数の当たる日が多いようだ。買い物に行くなら5の倍数に当たる日を意識するといい。
多くの人が当たり前のように貯めている共通ポイントだが、その大きな課題は共通ポイントを使用できるスーパーマーケットがまだまだ少なく、食品の購入には弱い点だった。ところがこの数年の間にコンビニ業界であれ、ドラッグストア業界であれ、飲食業界であれ、主なところが異業界と手を組み、ポイントを共通で利用できる環境が大きく変化した。
その結果、ドラッグストアで食品を買うことができれば、その弱みは簡単に克服できる。ネットショッピングや他の店で貯めたポイントでスーパーよりも格安に食品が買えるとなれば、少々ネットショッピング等で浪費しても、節約意識の高い家族にも許してもらえるかもしれない。
(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)
『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』
松崎のり子、講談社、160ページ、1200円(税別)
雑誌編集者として、多くの節約家庭に空いた「穴」を見てきた著者が、お金の漏れを塞ぎ、貯まる家計に変わる思考法を紹介
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