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史上初の株15連騰、アベノミクスの「強運」はいつまで続く?
http://diamond.jp/articles/-/146818
2017.10.24 週刊ダイヤモンド編集部
日本株の上昇が止まらない。日経平均株価は10月23日の取引で、ついに歴代最長となる15連騰を記録した。これまで幾度も「強運」を発揮してきた安倍政権が、今回は野党の自滅という追い風を受け、総選挙が与党大勝の結果に終わったことが主因だ。もっとも、海外の動向に相場が揺さぶられやすい環境は変わらず、このまま強気一辺倒を保てるかは予断を許さない。(『週刊ダイヤモンド』編集部 竹田幸平)
衆院選から一夜明けた23日。10月に入り負けなしの日経平均株価は、与党大勝で “市場友好的” なアベノミクス継続が見込まれるとの見方から堅調な値動きとなり、この日は前週末比239円1銭高の2万1696円65銭で取引を終了。連続記録としてはバブル期や高度成長期さえも上回り、史上初の「15連騰」を果たすに至った。
今回の連騰をもたらす直接のきっかけをつくったのは、安倍晋三首相による衆院解散の決断だ。9月下旬にその方針を表明後、民進党が希望の党に合流するなど首相自身も想定外の野党再編の動きがあったとはいえ、 “与党優勢”の勢力図が固まる中で株式市場では海外投資家の買いが継続した。
国内企業の業績は過去最高水準にあり、名目GDP(国内総生産)も拡大傾向にある中で、日本経済のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の足場は一定の強さを保っている。
長きにわたり上昇を続ける背景としては、こうした国内事情だけではなく、海外発の要因も大きい。
世界経済が緩やかな回復を続ける中、日本市場の投資家心理を左右しやすい米国株については、トランプ米政権による税制改革への期待感などから、ダウ工業株30種平均が20日まで5日連続で過去最高値を更新。このところ世界的な株高の流れにあり、英独の株価指数も最高値を付けたばかりだ。
「株価連動政権」とも称されてきた安倍政権にとっては、株高に向けて国内外から追い風が重なり、願ってもない相場環境が構築された結果、今回の新記録がもたらされることになった。
旧民主党政権時代の終盤から
日本経済は上向き始めていた
振り返ってみると、2012年12月の第2次安倍政権の発足時から、アベノミクスの「強運ぶり」を指摘する声は少なくない。
野田佳彦前首相が12年11月、安倍晋三・自民党総裁(当時)との党首討論で解散を表明したが、当時はちょうど景気が底をつけつつある局面にあった。現在も続く景気の拡大局面は、第2次安倍政権が発足した12年12月に端を発する。
これはもちろん、アベノミクスの効果がいきなり同月に現れたのではなく、旧民主党政権時代の終盤に日本経済が上向き始めていたことを示している。
アベノミクス「第一の矢」として投入した、日本銀行の大規模な金融緩和にしても、決定当時の13年は米国が量的緩和からの出口を探り始めた時期と重なった。それによって結果的に円安が加速し、大企業の業績改善につながった。
さらに、13年9月には20年の東京五輪の開催が決定。14年秋口から進んだ原油安は、物価目標2%達成への観点からは逆風となったものの、輸入コスト減の恩恵を受け、株式市場にとっては金融緩和長期化の思惑がむしろ株高材料とも捉えられた。
そうした経緯を踏まえて迎えたのが、今回の衆院選だ。森友・加計学園問題を覆い隠す「大義なき選挙」として、当初は安倍首相への批判が少なくなかった。
さらに、民進党と希望の党が合流するなど野党も攻勢をかけたが、小池百合子氏の「排除」発言を皮切りに支持を失っていくと、選挙後は同氏こそが「与党大勝の立役者」とまで言われる始末。安倍首相も一時は肝を冷やしたと言われるが、結果的にはまたもや「強運」を見せつける結果となった。
財政再建、社会保障改革など
課題の解決が先送りされる懸念
とはいえ、今後もアベノミクスが運を味方につけ、株価が強気一辺倒を保てるかは予断を許さない。
例えば、日本株の行方を大きく左右する米国では、景気拡大局面が今年の7月で9年目に入った。戦後の拡大局面の平均期間は約5年。それゆえ、景気循環が終局を迎えているとの見方が絶えない。FRB(米連邦準備理事会)の次期議長の人選次第では、量的緩和からの出口戦略にも不透明感が残る。中国企業の債務問題などもくすぶっており、この先は海外市場が援軍となってきた強運の “賞味期限” が切れ、いつ歯車が逆回転してもおかしくない。
一方で、政権基盤が強化されたにもかかわらず、国内については、これまでと同様、財政再建、社会保障改革といった課題の解決が先送りされていくことが懸念される。
19年10月には消費増税が予定されていることもあり、市場では、増税による景気落ち込みを防ぐべく来年以降、さらなる財政支出拡大を進めるとの見立てがある。社会保障改革には手を付けず財政赤字を膨らませれば、それだけツケは将来に回されることになるのは言うまでもない。
そもそもこれまでも日銀の異次元緩和、財政悪化を覚悟した大規模な財政投入など、アベノミクスは“劇薬”投入による目先の景気拡大に重きを置いてきた。
今後、政権が景気刺激策を改憲の地ならしのための手段と位置づけ、さらに短期志向のポピュリズム政策に動くことを期待している結果であるならば、足元の株高も素直に喜んでばかりはいられない。
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