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インドで発売されているスイフトセダンの「ディザイア」 Photo:SUZUKI
インド人もびっくり!スズキが躍進する新興国の日本車事情
http://diamond.jp/articles/-/146486
2017.10.23 CAR and DRIVER:総合自動車情報誌 ダイヤモンド・オンライン
新車販売台数が2ケタの大幅プラス
超有望市場インドで躍進するスズキ
世界の新興国の中で、最も有望といわれる自動車市場のひとつがインド。ここで販売シェアを伸ばそうと、各社の競争は激化している。日本の主要3メーカーの8月のインド新車販売の結果と、各社の現地における取り組みを紹介しよう。
インドは7月1日から、物品・サービス税(GST)を導入した。このインド全土統一の新税の導入で、これまで州ごとに課税してきた複雑な間接税が廃止された。クルマにかかるGSTの税率は、基本的に28%。従来の間接税は、SUVや大型車の税率が50%を超えていたため、GST導入による減税効果を追い風に、新車販売が伸びている。
インド乗用車市場でトップシェアを誇るのが、スズキの子会社、マルチ・スズキ。8月の新車販売台数は15万2000台で、前年同月比は26.7%増と、2桁の大幅なプラスとなった。
車種別では、主力のAセグメント(コンパクト)車が80%近くを占める。アルト(排気量は800t)をはじめ、ワゴンR、セレリオ、スイフト、リッツ、ディザイア、バレーノ、シアズなど、合計で11万5896台を販売。前年同月比は28.4%増と、牽引役を果たしている。
SUVやMPVなどのユーティリティビークルも好調だ。エルティガ、Sクロス、ヴィターラ・ブレッツァなどが合計で、2万1442台を販売。前年同月に対して27.6%増と、Aセグメント車の伸び率に迫る勢いを見せた。
マルチ・スズキは8月から、マルチ・スズキ・アリーナという新しいショールーム展開を始めた。インドのユーザーのほぼ75%は、新車購入前にインターネットで情報を収集している。そこで、マルチ・スズキ・アリーナは、ショールームに用意したタッチパネルを通して、ユーザーが車両やパーソナライズに関する情報にアクセスできるようにした。
マルチ・スズキは2015年、高級車を専門に取り扱う新ディーラーネットワークとして、NEXA(ネクサ)を立ち上げた。スズキのインド販売において、今後はアリーナとNEXAが重要な役割を担う。
需要に販売が追い付かないトヨタ
新型ミニバンは6〜8週間の納車待ち
トヨタがインドで展開する車両生産・販売会社、トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)の8月の新車販売台数は1万2017台。前年同月比は6.1%のマイナスだった。TKMによると、8月の受注台数は、前年同月に対して4〜5割も増加。しかし、生産が需要に追いついていない状況が、販売結果に反映されたという。車種別実績は、16年5月に発売した新型ミニバンのイノーバ・クリスタが好調。同車はトヨタのIMV(新興国市場を対象にした世界戦略車)プロジェクトから生まれたMPV。モデルチェンジを機に、クリスタのサブネームが冠された。イノーバ・クリスタは、新開発のフレームをはじめ、新エンジン、新6速ATを採用。室内はゆとりの3列シート。乗り心地、静粛性、燃費性能も高レベルでまとめ上げた。現在、6〜8週間の納車待ちだという。
SUVのフォーチュナーも支持されており、現在、10〜12週間の納車待ちという状況。これについて、TKMのN・ラジャ営業&マーケティング担当副社長は「できるだけ早く納車待ち期間を短縮し、ユーザーニーズを満たすために最善を尽くしている」とコメント。
ホンダのインド現地法人、ホンダカーズ・インディア・リミテッドが公表した8月の新車販売台数は1万7365台。前年同月比は24.6%増である。
小型セダンのシティが5538台を売り上げ、最量販車に。新型コンパクトSUVのWR-Vは、シティに迫る5200台を販売した。
ホンダカーズ・インディア・リミテッドの上野洋一郎社長兼CEOは、「祝祭シーズンによる需要増は一部の地域ですでに始まっている。今後2ヵ月は祝祭シーズンの需要で、販売台数増加が見込まれる」と語り、展望は明るい。
ホンダカーズ・インディア・リミテッドは9月5日、「ネット上で新たなユーザーサービスを行う」と発表。整備のネット予約、整備料金のネット見積もり、メンテナンスパッケージの導入など、新たな取り組みを開始している。
(報告/森脇 稔、まとめ/CAR and DRIVER編集部)
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