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カジノ王のローレンス・ホー (Photo by Victor Fraile/Getty Images)
日本のカジノ産業に賭ける賭博王 「最もクール」なリゾートを約束
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171004-00017965-forbes-bus_all
Forbes JAPAN 10/4(水) 11:00配信
高い利益が期待できる日本でのカジノ運営権を手にするべく、世界のカジノ運営大手各社が入札に備える中、マカオの億万長者でカジノ王のローレンス・ホー(何猷龍)は、日本で生まれたばかりの賭博業界は「最も面白い市場」になると語る。
ホーは東京で今年、日本で昨年に合法化されたばかりのカジノ運営の権利を得るために「必要な額はいくらでも出資する」と宣言した。日本のカジノ売り上げは年間100億ドル(約1兆1000億円)になると見込まれ、ラスベガスと並ぶ規模だ。
カジノ運営大手、メルコリゾート&エンターテインメントの会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるホーは、香港で開催された今年の「フォーブスグローバルCEO会議」に出席し、フォーブスの取材に応じた。ホーは、「最もクールで、革新的で、高品質なリゾートを提供すること」という同社の理念が日本市場の理念と非常によくなじむだろうと語る。
日本のカジノ解禁法はすでに成立したものの、業界をどう規制するかを詳細に規定する追加の法律やカジノ建設地は、今年後半に決まる見通しだ。日本でのカジノは、観光を奨励するためのアトラクションや施設を併設した「統合型リゾート(IR)」となる予定。
ホーは、横浜や大阪など日本の大都市近郊にカジノを設置したいとの希望を表明。「どこに統合型リゾートを建設するにしても、私たちのスローガンは常に『最もクールなものを作る』ことだ」と語った。
「日本のカジノは簡単に、最もクールになれる。私たちは、最新技術、最新の建築法、最新のエンジニアリングを試すつもりだ。しかしそのためには、最高の建設場所を選ぶ必要がある。人口が多く、観光客を招致する能力も高い大都市近郊だ」
東京は圏外?
しかし、ホーはカジノの建設地として東京は候補にならないと見ている。「私たちは、東京はないと考えている。東京は素晴らしい都市だが、政府・金融の中心地であり、カジュアルさに欠ける。政府は統合型リゾートを都市再生に利用しようと考えているようなので、横浜に目をつけているのではないか」
■マカオの復活とフィリピンの懸念
マカオの復活
日本のカジノ業界の将来は不透明だが、ホーは現在の賭博中心地の一つ、マカオの業績について生き生きと語る。アジアでも人気の賭博都市であるマカオは、中国で唯一ギャンブルが合法な場所だ。しかし、中国政府が近年実施してきた反汚職運動により、中国本土の旅行客が同市で過ごせる時間は削減され、マカオ賭博業界の売り上げは近年急落した。
それでも、中国政府が観光推進のため2000年に導入した中国版ゴールデンウイーク「黄金周」が10月1日から始まり、先行きは良好だ。
「今年はこれまで賭博市場が強い復活を見せており、うれしい驚きだ」とホーは語る。「マカオは苦しい2年間を経験した。この期間を活用して、改善の継続という同社の理念の一環として効率化や無駄の削減に集中した」
「今年のゴールデンウイークは素晴らしいものになると思う。年度累計値を見ると、高所得者向け、一般対象向けにかかわらず(カジノ業界の)全部門で市場が19%改善している。また、平均滞在期間も同様に伸びている」
「花形」としてのフィリピン
アジアで成長中の賭博目的地の中で、メルコのようなカジノ運営企業の懸念となる可能性があるのがフィリピンだ。同国では現在、政府がフィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)経営のカジノを民営化するのではとの見方が出ている。
同国でのカジノ事業の奪い合いへの懸念を尋ねられたホーは、落ち着いてこう答えた。「フィリピンは過去2年間、メルコの事業の花形となってきた。同国は世界でも急成長中の市場で、わが社の資産は急増中だ。同国で働くチームのことは、常に称賛している。非常にうまくいっている」
ホーはまた、同国への意識の変化により、外国人観光客が増えていることを指摘。「今後数年で観光客は増え続け、ビジネスは次の段階に進むか、変化がもたらされるだろう」と述べた。
Paul Armstrong
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