http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/845.html
Tweet |
電気を使わない「折りたたみ式」の冷蔵庫 「MIT発」アフリカ向け画期的商品
http://president.jp/articles/-/23225
2017.10.3 AF TECH PRESIDENT Online
電気も、氷も必要ない「冷蔵庫」がある。「放射冷却」の原理を利用したもので、MIT発のスタートアップ企業がアフリカの途上国向けに開発した。冷却に必要な水は1日にたった約300ミリリットル。水は飲用でなくてもいい。電気がなく冷蔵庫を使えない人が、アフリカには5億人以上いる。冷蔵輸送も未発達で、消費者の手元に届く食品の45%は腐っているという。アフリカの食料事情を変える画期的な新商品とは――。
※当記事は「AF TECH」(https://af-tech.jp/)の提供記事です。
皆さんの自宅には、冷蔵庫はあるだろうか?
日本では、ほぼ9割以上の人が「YES」と答えるだろう。しかし世界に目を向けてみると、冷蔵庫どころかそもそも電気が通っておらず、生活家電を何も持たずに暮らしている人々がいる。
OECDが2010年に発表した調査結果によれば、アフリカ大陸で電気を使える状況にない人は約5億8000万人にのぼる。さらに驚くべきことに、この調査で予測された「2030年時点で電気が使えないアフリカ大陸在住者」は、6億5000万人。なんと増加するのである。急激な人口増加にインフラ整備が追いつかないことが、この予測の理由のひとつだ。
電気がなければ、多くの先進国で使われているような冷蔵庫は使えない。食品の保存ができないため、毎日スーパーマーケットや市場に買い物に行かねばならず、交通費も時間も馬鹿にならないのがアフリカで暮らす一部の人々の現状だ。家庭レベルにかぎらず、輸送においても冷蔵庫なくして衛生的な食品管理は難しい。
45%の食べ物が輸送中に腐る状況に対応
こうした状況に対応するべく、マサチューセッツ工科大学出身者によるスタートアップ「Evaptainers」では、電気を使わない冷蔵庫「EV-8」を開発し、途上国を中心に普及を目指している。
電気を使わない冷蔵庫「EV-8」(画像はEvaptainersのサイト http://www.evaptainers.com/より)
「Evaptainers」によれば、アフリカでは約45%の食物が消費者のもとに届く前に腐ってしまっているという。同社ではこの課題を解決するべく、電力がなくとも機能する簡易版冷蔵庫の開発に着手。途上国における家庭用ニーズや、配送時の問題への回答のひとつとして製品を開発した。
この冷蔵庫「EV-8」は、水さえあれば機能する。メカニズムは自分の体を想像するとわかりやすい。人間の体は熱いと汗をかき、それが蒸発する時に体温が下がる。「EV-8」は、この「放射冷却」と呼ばれる仕組みを利用している。
冷却に必要な水は、1日にたった約300ミリリットル。水は飲用でなくてもいいため、清潔な水の入手が簡単ではない地域でも使用しやすい。機能する条件として、外気の湿度が65%以下の暑い日である必要がある。コンテナのような形態のフタから水を注ぎ、貯水タンクを満たす。
EV-8の使い方。貯水タンクの占める体積は5分の1程度(画像はEvaptainersのサイト http://www.evaptainers.com/より)
「EV-8」の容量は60リットル程度だ。日本で一人暮らし用に使われる冷蔵庫が80〜120リットルサイズなので、あまり大容量とはいえないが、冷蔵保存が必要な食材だけでも入れておける。また、折りたたんで持ち運ぶこともできるので、露店で飲食物を販売する際にも役に立つ。
開発にかかる費用のために、Evaptainersでは補助金や助成金を活用して約5500万円を調達したという。インフラ整備が進まず、政治も行政も安定しない国や地域に住む人々を助けるために、このプロジェクトはスタートした。途上国の特殊なニーズにも答えつつ、キャンプなどのアウトドア用途で使いたい人向けにも商品を販売していくとのことだ。
首都ナイロビでも冷蔵庫なしの人は多数
筆者は以前ケニアの首都ナイロビにて、20名程度に「冷蔵庫を持っているか?」と質問し、4割程度から「持っていない」と回答された経験がある。ナイロビ市内はビルが立ち並び、東アフリカの中でも有数の繁栄を見せている。このあたりに住んでいる人であれば、冷蔵庫は持っているだろうと考えていたので、とても驚いた。都市に住んでいても、電気にアクセスできない人はかなりの数で存在しているようだ。
食品の保存ができなければ、毎日買い物に行くしかない。だが、公共交通機関も未発達の地域であれば、日々の買い出しだけで重労働になってしまう。電力を必要としない冷蔵庫の存在は、アフリカの人々をその作業から開放する役目を果たせるかもしれない。空いた時間で、別の仕事に取り組むこともできるようになる。
このような特殊なニーズをとらえ、彼らが本当に必要としているものを提供できるかが、アフリカで事業を成功するうえでの鍵になる。先進国のものをそのまま横流しするだけでは、彼らのハートはつかめない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民123掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民123掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。