http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/796.html
Tweet |
謝金の受け取りは多くの病院で禁止され、「謝礼は受け取れません」と張り紙までされているが… (※写真はイメージ)
医師への「謝金」市場は8000億円! 誰も教えてくれない謝礼金の実情〈dot.〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170927-00000052-sasahi-hlth
AERA dot. 9/29(金) 7:00配信
東京を中心に首都圏には多くの医学部があるにもかかわらず、医師不足が続いている。そのような中、現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏は、著書『病院は東京から破綻する』で、肥大した「謝金市場」の実情に迫っている。
* * *
誰も教えてくれない医師への謝金について考えてみましょう。
かつて、入院すると医師に謝金を支払うのはごく一般的なことでした。医師も当然のように考えていました。知人の医師は、90年代、心臓カテーテル治療で有名な病院で研修していました。部長が一人で回診すると、毎回ポケットが膨れていることに気づいたそうです。回診中に患者から謝金をもらっていたためです。後日、先輩医師から、この部長の回診は「(謝金)回収」と呼ばれていることを教わりました。
70年代、東北地方で研修していた医師は、先輩から「謝金をくれた患者はできるだけ時間をかけて丁寧に診察するように」と習ったそうです。先輩の指示を守ったこの医師は、後日、同部屋の患者全員から謝金をもらったそうです。
歳月が経過して、医療を取り巻く状況は変わり、現在、謝金の受け取りは多くの病院で禁止されています。「謝礼は受け取れません」という紙も貼り出されています。
ところが、実際は、いまでも病院で謝金の授受はあります。都内の病院に勤務する外科医は、「謝金をいただくことはあります。バブル最盛期と比べると少し減りましたが、結構な金額になります」と言います。額面については、都内の私大病院に勤務する40代の外科医は「3万から5万円くらいが多いです。ただ、すべての患者さんがくれるわけではなく、10人に1人くらいです」と言います。
謝金を支払う習慣のない地域もあるようです。たとえば、東京都墨田区の都立墨東病院に勤務経験がある外科系医師は、「墨東病院時代は患者から謝金をもらったことは一度もない」と断言します。しかし、所得が東京で最も高い港区内の病院に勤務する50代の外科医は、「手術をすれば8割くらいの患者から謝金をいただく。普通は10万円」と言います。
同じ港区内でも、謝礼の相場は病院や医師の格によっても違ってきます。たとえば、港区のある名門病院の場合、「部長を指名して、手術してもらえば謝金の相場は50万円くらい」(病院に患者を紹介する医師)と言われています。高名な医師となれば、謝金の価格はさらに跳ね上がるようです。マスコミにしばしば登場する大学教授の場合、謝金の相場は「手術で大体100万円」(同大学に勤務する医師)だそうです。
■「名医」たちが自ら謝金を求めることはない
誤解のないように言っておきますが、「名医」たちが、自ら謝金を求めることはなく、謝金を支払わなくても診てくれます。あくまで患者や家族が「自主的」に支払っています。経済的な余裕がない若い患者は謝金の額が少なく、支払わないことも珍しくないそうです。都内の病院に勤務する小児科医は「謝金をもらうことは皆無です。小児がんの子供を抱え、長期間の闘病生活を送っている若い夫婦には支払えません」と言います。都内の大学病院に勤務する内科医は「謝金をもらうことはごく稀です」と言います。内科の慢性疾患で長期間の入院が必要な患者が、謝金を支払うことは少ないからです。
謝金の有無は、患者の事情にもより、ケースバイケースというほかありません。
■謝金を透明化できないか
謝金の是非について、この場では議論しません。が、薄給である東京の私大病院の医師にとって、患者からの謝金が生活の糧になっているのは事実であり、世間の常識を超えた謝金を受け取っている医師がいることも事実です。
手術1回で50万円から100万円もの大金を受け取っていることが国民に知られれば、医療の信頼は損なわれます。患者から病院への寄附金として処理し、透明化するのが理想です。ところが、肝心の医師から、そのような声は聞こえてきません。
謝金の総額について、この問題を調査したことがある元マッキンゼー東京支社長の横山禎徳氏は「かつて私が推計したときには総額は8000億円程度でした」と言います。
巨大な「市場」です。今後も謝金市場は増大し続けるでしょう。高齢化が進み、医師不足が深刻な昨今、誰もが「名医」に治療してもらいたいからです。
医師の実力は一般市民にはわかりづらいため、知り合いの医師に聞くしかありません。最近は、主治医だけではなく、紹介医師にも包む人が増えているといいます。謝金をしておけば、身内が病気になった場合も頼みやすいからです。医師が不足している以上、こうした二重価格が横行するのは当然の帰結です。
問題の本質は、医師不足と医療費増加にあります。国民にとっても、医師にとっても、負担を強いる大問題です。
ところが、一部は利権に目がくらみ、一部は現実から目をそむけ、皆が議論を避けています。いつになれば、医師不足が解消されるのか。
誰かが本気で取り組まない限り、現状が続きます。2050年まで医師数は減り続け、読者の多くが生きている間には事態は改善しないでしょう。我が国では、市民自ら、自分の味方となってくれる主治医をつくり、もしもの時に自分を守るほかないようです。
※『病院は東京から破綻する』から抜粋
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民123掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民123掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。