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ハンズさんが今回の日本滞在で購入した品々。「オランダ人は日本のものが好きです。そのルーツは長崎の出島にあります」(ハンズさん) (写真:ハンズさん提供)
購入品をネットで販売 日本の骨董買い求める外国人〈AERA〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170920-00000086-sasahi-soci
AERA 2017年9月25日号
「断捨離」と言われても、なかなかモノが捨てられない。だが、インターネットのおかげで、実家の片づけや引っ越しで出るガラクタにも値がつく時代に。訪日する中国人が、家の片隅に置かれた中国骨董に高値をつけ、メルカリでどんどん遺品整理もできる。タンスの中は、宝の山だ。AERA 2017年9月25日号では「お宝流出時代」を大特集。
骨董市で外国人を見かけることが増えてきた。転売して儲ける人やリメイクして楽しむ人まで目的は様々。骨董品のどこに価値を見いだしているのか。
* * *
8月4〜6日、東京ビッグサイトで「骨董ジャンボリー2017 夏」が開催された。全国の骨董商500業者が集まる日本最大級の骨董市だ。出店した「丸山美術」の丸山正彦さん(70)は明治以降の男女の装身具を扱っている。
「中国人のバイヤーのほとんどは日本語が流暢で、話せない人は電卓片手に値切り交渉をしてきます。サンゴの玉がついた根付やかんざし、帯留めなどが特に人気」
ある中国人男性は「ねがけ」という日本髪の髪飾を購入。サンゴがあしらわれていたからだ。ルーペや紫色のペンライトで本物のサンゴか念入りに確認をしていたという。
「サンゴを欲しがる中国人が多いですね。かんざしは要らないから飾りのサンゴだけ欲しいと(笑)」(丸山さん)
週末に開かれる骨董市では、アジア系だけではなく、欧米からの来場者も目立ってきている。
8月の小雨がぱらつく土曜日。東京・護国寺で開かれた骨董市が賑わってきたのは午前9時前だ。あいにくの天候のため、この日の出店数は普段よりも少ない40店舗。陶器などの食器や、江戸時代の硬貨、毛筆、手裏剣など100円単位から数万円のものが並べられていた。
米軍横須賀基地で働く米フロリダ州出身のエリカさん(24)は、初来日の両親とやってきた。父親は一目ぼれした洋風のシルバーのティーポット(1万円)を購入して満足そうだ。中国・広州からやってきた20代の夫婦、チェンさんとユーさんは5枚セットの小ぶりの白いお皿(1千円)や巻物など数点を購入。日本の古いものが好きで、10日間の滞在中、骨董市やフリーマーケットを訪ね歩いているとのこと。ジェスチャーや英語を交えて出店者とやりとりをしていた。
4年前から運営に携わる担当者は、年々明らかに外国人が増えてきたという。
「観光客の人は、お土産用に購入しているようです。2020年に向けて政府が外国人観光客の受け入れを推進していることが影響しているのでは」(担当者)
●購入品をネットで販売
その一方で、日本の骨董品をビジネスの商品として捉える外国人もいる。
オランダから来たハンズ・レンパーズさん(48)は、骨董品のバイヤーとして、年に2回来日している。週に3回、オランダ・ユトレヒトの大学で化学の教鞭をとる一方で、購入した品々をインターネットオークションやオランダの骨董市で販売しているのだ。日本企業で働いたこともあり、片言の日本語はできる。購入基準の一つは、「その品物にストーリーがあるか」。出店者とコミュニケーションを図り、かつての用途などを探っていく。
ハンズさんは1999年に仕事で来日。骨董品に興味をもったのは浮世絵との出合いだった。
「木版画のクオリティーの高さに感心しました。日本の骨董品は装飾が細かいですよね」(ハンズさん)
値付けに関して、ハンズさんは基本的に購入した金額の2倍の値段設定をしている。すべての品が売れるわけではないので、「時々赤字になるが、基本的には黒字」という。今回の滞在では盃や刀の鍔(つば)、能面など約50万円分の品物を購入した。
8月にオランダで出店した骨董市の売り上げは約30万円で、「大成功だった」と喜ぶ。売れたものは、盃、こけし、鏡、ポストカードなど。販売していた鍔7個全てを買っていったコレクターもいたという。
オランダの法律で認められているマリフアナを吸う道具としてキセルを買った人も。また、気に入って購入した襖(ふすま)の引き手を自宅の引き戸に設置した人もいたという。日本の骨董品がオランダ人の日常生活に溶け込んでいるのだ。
日本の骨董品を集め始めてから20年ほど経つが、当初は家族や友人はどうしてハンズさんが日本の古いものを集めているのか不思議に思っていた。しかし、今では収入に結びついているため理解を示してくれている。ハンズさんの一番の宝物とは何か。
●175個の盃を所有
「大日本帝国陸軍の盃です」
上から見ると盃の底には日の丸国旗や戦闘機などのイラスト、「除隊」などの文字が焼きつけられている。175個所有している盃だが、一つとして同じものはない。千差万別だ。
「中には兵士の名前や兵長のメッセージらしきものも。私にとってはかけがえのない品々です」
次回の訪日は10月だという。
「短くてタフなスケジュールになるけど、次はどんな骨董品に出合えるのか今からワクワクしています」(ハンズさん)
米ペンシルベニア州出身で、東京都内に住むナディーン・カッツさん(53)は、日本の骨董品をリメイクして楽しんでいる。
2015年に来日し、都内の私立大学で英語のクラスを受け持つ。最近、ワンルームの寄宿舎から、3倍の広さの住宅に引っ越した。「購入した商品を置く専用部屋」もできたと顔をほころばせる。ナディーンさんの自宅にお邪魔すると、テーブルクロスのように使用している帯や、リメイクした着物が目に飛び込んできた。
●良い物お値打ち価格で
骨董市やフリーマーケットの開催リストを見て、毎週末どこかに足を運ぶ。良いものをお値打ち価格で購入するのが楽しみの一つだ。前出の護国寺の骨董市には初めて足を運び、花瓶など「実用的なもの」を約3千円分購入した。
毎週末何かを購入していくと、モノが溢れてしまわないのか。買い物のコツは、「その品を買う理由をはっきりさせること」とナディーンさん。価格で判断せず、家での置き場所や用途など、具体的なイメージを持つことが大切だという。例えば、着物生地でクッションカバーを作ろうと思った場合、ソファーの色や雰囲気に合うか。パッチワークをする際に、他の柄や色とバランスは合うかなどを吟味して購入する。
ナディーンさんの自宅にある着物のほとんどが千円以下で購入したものだ。着物は襦袢の上に着るため、直接肌には触れない。そのため、きれいな状態のものが多いという。襟部分を加工し、ボタンを付けリメイクしたものを普段使いしていると、街中で知らない女性に「これは着物ですか? 素敵ですね」と声をかけられることも。
「日本人じゃないからこそ、斬新な着方ができるのかもしれないですね」
リメイクした着物の襟元に、自身でデザインした猫のイラスト入りのタグをつけている。
「名字のKatzと猫のCatsをかけています。将来は自分のブランドとして販売したいですね」(ナディーンさん)
2020年に向けて、日本に来る外国人はさらに増える見通しだ。日本の骨董品の価値や用途も変わっていきそうだ。(編集部・小野ヒデコ)
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