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安倍政権、強力指導で不動産市場から資金流出加速…東京五輪後の市況悪化不安広がる
http://biz-journal.jp/2017/09/post_20607.html
2017.09.18 文=小川裕夫/フリーランスライター Business Journal
2016年に訪日外国人観光客数は年間2000万人を突破。観光立国を掲げる安倍政権は、当初20年までに年間2000万人突破を掲げていた。軽々と目標を達成したため、同年までに年間4000万人という目標に上方修正した。
2倍の目標数値を掲げるものの、旅行業界や宿泊関連事業者などは「年間4000万人突破も難しい数字ではない」と楽観視していた。実際、今年5月には訪日外国人観光客数が1000万人を突破するなど過去最速を記録している。日本経済にはプラスに動き、訪日外国人観光客の増加は観光業のみならず小売業でも大きな恩恵を受けている。
しかし、水面下では潮目が変わったとも囁かれている。その要因とされるのが、不動産投資信託(REIT)市場からの資金流出だ。
REITから資金が流出している背景には、いくつか理由がある。世界の不動産市場が劇的に変化していることも、その一因だ。今年6月、カナダでは住宅ローン会社が金融当局から杜撰な経営状態を指摘されて、経営危機に見舞われた。それが震源になって、北米では“プチ・リーマンショック”とも呼ばれる不動産バブル崩壊の危機感から不動産市場の落ち込む兆しが出てきた。
不動産市場から資金が流出しているのは、海外ばかりではない。REIT凋落の最大要因とされているのが、安倍首相から厚い信任を得ている金融庁の森信親長官による強い指導だといわれる。
森氏は講演など公の場で、金融機関が煽ってきた投資ブームに対して懐疑的な意見を惜しげもなく開陳する異色な性格でも知られる。森長官は、「貯蓄から資産形成へ」という方針を掲げており、これまで金融機関が「自社にとって売りやすい商品を売る」という手数料などで稼ぐビジネスモデルに警鐘を鳴らしてきた。
投資ブームの波に乗って、金融機関は投資信託の販売に力を入れてきた。特に、REITには力を入れていたわけだが、その理由は売りやすく簡単に手数料を稼げるからだ。もちろんREITには顧客側にも少額投資で始められるというメリットがある。また、一般の投資信託よりも高い利回りが期待できる。
2つの要因から、個人投資家を中心にREITは圧倒的な人気を集めた。特に、毎月分配型と呼ばれるREITは、その名前の通りに配当が毎月出るため「お小遣いをもらう感覚」に陥りやすく、儲かった気分に浸りやすい。こうして毎月分配型REITは大ブームになった。一方、一般的に高い信託報酬が設定されているため、金融機関にとっても稼げる商品であり、率先して毎月分配型REITを販売していた。
■金融庁という思わぬ刺客
しかし、金融機関が売りやすい商品は、半面で顧客にとってはマイナスもある。毎月分配型は目先の利益優先のため、森氏が目指す資産形成には不向きな商品だ。
森氏が長官に就任して以降、金融庁は顧客本位ではない金融商品に対して厳しいメスを入れてきた。この方針により、REITの人気は減速。毎月分配型のREITに至っては、数年前の隆盛が嘘のように資金流出が続き、REIT市場からの資金流出に歯止めがかかる兆しは見えない。
「大阪や名古屋といった都市圏でも、不動産関連は動きが鈍くなっている」と、ある不動産会社社員は悲観する。地方では、早くも不動産マネーの引き上げが始まっているのだ。それでも、「東京五輪までは東京の不動産需要は安泰」(同)ということだが、「五輪以降は、東京でも苦しくなる可能性は高い」といった将来を不安視する声は不動産業界で根強い。
REITからの資金流出が止まらない状況に、不動産業界から悲鳴が上がるのは当然だろう。だが、その負の影響は不動産業界だけにとどまらない。なぜなら、REIT下落により都市開発の動きは鈍化するからだ。
都市開発と密接な関係にあったホテル・宿泊業、そして観光関連の事業者たちもREIT沈滞ムードを安穏として見ていられる状況にはない。特に、これまでの国内の観光業界は開発ありきの上に成り立っていた。
金融庁という思わぬ刺客によって、急ブレーキがかかったREIT市場と不動産業界。その煽りを受けた観光業界。このままREITからの資金流出が好転する兆しを見せなければ、開発に大きく依存していた日本の観光業界は体質転換が求められることになりそうだ。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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