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常識にとらわれない「経済頭脳」を鍛えることが必要(大前研一氏)
大前研一氏と考える「金利を5%にすると日本経済はどうなるか」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170918-00000003-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 9/18(月) 15:00配信
日本は世界でも類を見ない「低欲望社会」となった──そう語るのは、最新刊『武器としての経済学』で経済の「新常識」を数々提示した大前研一氏。「低欲望社会」だからこそ、個人の金融資産が増えてもそれが消費に回らないのが今の日本経済の実情だという。
それでは、この極めて特異な状況を買えるにはどうすればよいか。大前氏は、マクロ経済の視点のみならずミクロ経済の再分析が必要だと説く。なぜなら、個々人の心理を知ること(ミクロ)こそ、その集積体であるマクロを理解できるからだ。以下、大前氏が解説する。
* * *
経済学はつまり「こうしたらどうなるかという仮説」だから、今の日本のミクロ経済の現象を詳細に観察し、それを分析して仮説を作り、その仮説を理論として実証していかねばならない。
たとえば日本人100人に話を聞き、その人たちがお金を使う心理になるためにはどうすればよいか、ということを考えて仮説を作り、“ミニマクロ経済理論”を組み立てる。これが非常に重要なプロセスとなる。
アメリカのマクロ経済学者の研究ではなく、日本のミクロ経済レベルで何が起こっているのかという研究から始めなければならないのだ。
仮説の一つとして、マイナス金利ではなく「金利を5%にすると、どうなるか」を考えてみよう。個人の現金・預金932兆円に金利が5%付けば、利息は約47兆円である。それに対して税金が20.315%(国税15.315%、地方税5%)課税されるので、約9.5兆円の税収増となる。これは消費税5%分の税収に相当する。
さらに、現金・預金の60%を60歳以上の高齢者が保有しているとすれば、高齢者1人あたり年間約52万円(税引き後)の利息が入ってくる計算になる。そうなれば漠たる将来の不安を募らせて貯蓄に励んでいる高齢者たちも、お金を使って人生を楽しもうという気になるはずだ。
つまり、「低欲望社会」においては、従来のマクロ経済学の理論とは逆に、金利は高いほど景気が良くなるのだ。さらに、日本が金利を5%にすれば、それを目当てにドルキャリートレードやユーロキャリートレードが盛んになり、世界中から日本に資金が集まってくるだろう。
私はこれを結論として述べているのではない。あくまでも「仮説」である。金利が高くなれば倒産する企業や破産する個人がたくさん出ることも間違いない。しかし、モラトリアム法で救済した企業の業績は改善していないので、それが自由主義経済の自然な姿と割り切るのも、一つの考え方だ。
マクロ経済は時代、世代、年代、場所ごとに異なるミクロ経済の積み上げでしかないのだから、ミクロベースでマクロ政策を考えることが、常識にとらわれない「経済頭脳」を鍛えるのだ。
※SAPIO2017年10月号
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