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自動運転システムの戦いが激化…覇者となるのはアップルか、トヨタか、伏兵はアウディ?(Business Journal)
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/574.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 9 月 11 日 01:18:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

        AI 自動運転システムの世界覇者は?(depositphotos.com)


自動運転システムの戦いが激化…覇者となるのはアップルか、トヨタか、伏兵はアウディ?
http://biz-journal.jp/2017/09/post_20355.html
2017.09.10 文=佐藤博 Business Journal


「トランポノミクス」や「アベノミクス」の下馬評が下がろうが上がろうが、世間に大きな動揺はない。だが、米アップルや米グーグルなど、AI(人工知能)開発先進企業の株価が乱高下しようものなら、世界経済の先行きに赤信号が灯る事態になる。製造からヘルスケア、生活、財務まで、「生き馬の目を抜く」ようなAIイノベーションから片時も目が離せない時代になった。

 たびたび引っ張り出される箴言がある。それは、このようなものだ。

「人生で何事かを成し遂げるには、3つのハードルがある。第1ハードルは『誰もが笑って無視する』。第2ハードルは『激しい抵抗や反対に遭い、軽蔑される』。第3ハードルは『笑い者にしたり、無視したり、反対したり、軽蔑したのに、いつの間にか受け入れる』」(ドイツの哲学者ショーペン・ハウエルの箴言集より)

 今回のハードルは、AI自動運転システムだ。インターネットもSNSもスマホも、最初は誰もが半信半疑だったのに、今では空気や水のように当たり前のアイテムになっている。では、AI自動運転システムはどうだろうか。

■AI自動運転システムはアップルが先陣か?

 グローバルな視点から、AI自動運転システムの近未来を俯瞰してみよう。

 皮切りはアップルだ。ティム・クックCEOは6月5日、Bloombergのインタビューに答え、「AI自動運転システムに注力しているのは、非常に重要なコア技術であり、究極のAIプロジェクトだからだ。ただ、オリジナル車の製作は未定」と発言している。

 独自にAI自動運転システムを開発していたIT企業の多くは、現在は自動車メーカーと技術提携している。たとえば、2009年から自動運転プログラム「Waymo」を開発しているグーグル(Alphabet)の自動運転車開発部門Waymoはフィアット・クライスラーや、配車サービスのLyftと提携。また、独BMWや米ゼネラルモーターズ(GM)などは、シリコンバレーを軸足に置きつつも、自動運転関連の技術を持つスタートアップ企業を矢継ぎ早に買収し、存命を図っている。

 アップルは当初、「Project Titan」を立ち上げ、車体からシステムまでの全プロセスを開発していたが、プロジェクトは難航。2016年に新製品開発に長けたボブ・マンズフィールド氏を抜擢し、車体開発を切り捨て、AI自動運転システムにフォーカスする戦略に切り替えている。

 2017年4月、アップルはカリフォルニア州車両管理局にAI自動運転車の公道テスト許可を申請し、その3週間後に3台のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)でテストを開始。さらに、中国のライドシェアサービスDidi Chuxingに10億ドルを出資。マウンテンビューに自動運転用の大規模なAI研究施設を創設し、エンジン全開の態勢を整えている。

■トヨタはAI自動運転システムの世界覇者に君臨できるか?

 東京オリンピックの2020年を照準に合わせて稼動しているのが、トヨタと米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)だ。

 5月14日、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、カリフォルニア州サンノゼで開催した「GPUテクノロジーカンファレンス」で、トヨタが2020年に市場導入を見込んでいるAI自動運転システムのハードウェアとソフトウェアを提供し、技術提携すると発表した。

 発表によると、AI自動運転システムを支えるコア技術は、手の平サイズの「DRIVE PXプラットフォーム」だ。DRIVE PXプラットフォームは、カメラ、Lidar(ライダー)、レーダー、その他のセンサーで生成される大量のデータを毎秒30兆回の超高速でAIが演算・処理するため、自動運転のさまざまな状況にフレキシブルかつスピーディに対処できる。

 Lidarは、レーザー光線によって車両の周囲360度の環境(位置関係や距離)を把握し、マップ上の位置を特定したり、危険を予測する先進のリモートセンシング技術。音波を利用するレーダーよりも波長の短いレーザー光線を使用するので、100m離れた物体との距離を数cm単位で検知できる精度の高さが特徴だ。

 フアンCEOは「AIとハイパフォーマンス コンピューティングのブレークスルーを組み合わせ、自動運転車の頭脳を構築しているので、自律走行の未来がすぐそこまで来ている。我々なら自動運転を2年で実現できる」と豪語している。

 トヨタとNVIDIAは、すでに高度なソフトウェアの開発に着手。AI統合の最前線に立つトヨタとNVIDIAは、世界覇者に君臨できるだろうか。また、交通死亡事故が根絶される日が訪れるだろうか。

■伏兵、アウディやTeslaの暗躍も?

 しかし、アップル、グーグル、トヨタなどのビッグなパイオニアが勇躍すればするほど、伏兵が俄かに頭角を現すのが世の常だ。その最右翼は、独フォルクスワーゲン(VW)の高級自動車部門であるアウディだ。

 アウディは、7月11日にAIが主役になるレベル3の自動運転車「A8」を今秋、ドイツで発売すると早々と発表し、世界をアッと驚かせた。発表によると「A8」の自動運転最高時速は60km。ライバルのダイムラー傘下のメルセデスが手掛ける「Sクラス」やBMWの「7シリーズ」を上回る高速という。

 アウディは、昨年の世界販売台数でダイムラーやBMWの後塵を拝した屈辱を「A8」のデビューでリベンジしようと企図しているのかもしれない。調査会社IHSによると、「A8」の販売台数は、欧州・中国・米国の中核市場だけでも、2025年に3万5571台以上に上ると推定している。

 また、伏兵といえば、IGMのOnStarシステムと、IBMのWatsonスーパーコンピュータとのパートナーシップが構築したライドシェアリングサービスも、有望視されている。

 そのほか、運転者の疲労や注意散漫などの人的ミスを緩和するという安全性重視のコンセプトで気を吐いているのが、高級電気自動車メーカーの米テスラだ。

 テスラのAI自動運転プログラム「Autopilot」は、超高速のAIコンピュータを中核に、8台のカメラ、12台の超音波センサー、フォワードフェーシングレーダーを統合しているため、周辺道路の交通状況に合わせて、障害物や駐車場の自動検出、運転時の車線変更などを迅速・確実にサポートできる。

 テスラによると、「Autopilot」を使用すれば、安全性の確率は、人間のドライバーの2倍以上も高まるとしている。

 ただし、好事魔多しという通り、AI自動運転システムには、いくつかの難関も待ち受ける。

 たとえば、システムの要になるLidarのデザインとコストだ。UBERが開発したプロトタイプを見れば明らかなように、車体の屋根の上に煙突のように突きだしたLidarが搭載されているが、AIカーの先進性とかけ離れた時代錯誤のデザインという誹は免れない。

 また、1基あたり数千ドルから1万ドル(数十万円〜100万円)というLidarの高価格は、自動車部品としては極めて高額なため、かなりコストダウンしなければ、普及はおぼつかない。

■経済性優先か、安全性尊重か?

 難題はまだある。経済性優先か、安全性尊重かという根源的な問題の解決だ。システムを統合化した安全性・信頼性の高いAIプログラムを搭載するためには、車のオートブレーキを起動し、衝撃力を軽減できるクラウドベースのアシスタント(情報支援)機能を完成しなければ始まらない。

 だが、システム設計から販売までの開発期間に要する限界費用の負担が企業に重くのしかかる。限界費用は、生産量を追加的に1単位増加した時の生産費用(原材料費や賃金など)の増加分だが、システム開発と販売に時間がかかればかかるほど、高コスト体質に陥り、経営が圧迫される。

 今後は、AI企業と自動車メーカの包括的な連携や提携がますます進むだろうが、ドライバーの安全性と快適性だけはクリアしたAI自動運転システムを実現してほしいものだ。 

 なお、本サイトの「シリーズ『AIと医療イノベーション』第18回:居眠り運転による交通事故は47%!『人工知能』が眠気を検知して『眠くならない車内環境に』」も併読してほしい。

(文=佐藤博)

 

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